最終更新日:2025/6/3

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  • 官公庁・警察・消防
  • 医療機関

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探そう!理想の先輩・働き方

「薬都」を支える専門職。多彩な領域で薬剤師としてのスキルを磨けます。

  • 薬学・医療系 専攻の先輩

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県職員という安定性と働きやすさも魅力です!

<写真左から>
◆富山県立中央病院 薬剤部 がん化学療法班/畑田剣史郎さん/2024年入職
◆同 薬剤部長/向井妙子さん/1989年入職
◆同 薬剤部 調剤・病棟指導班/野尻陽菜さん/2022年入職

「薬都とやま」を臨床面で支える富山県立中央病院では、多くの公務員薬剤師がチーム医療の一員として病棟活動や薬剤管理、調剤指導等の業務に取り組んでいます。今回は組織全体を取りまとめる薬剤部長に、求める薬剤師像や働きやすい環境づくりについてインタビュー。加えて、各病棟や専門チームで活躍中の若手の先輩2名から、日々の仕事のやりがいやキャリアアップ、薬剤師としてこれから目指したい姿などを伺いました。

視野を広く持ち、すべての分野に対応できる薬剤師の育成に努めています。

私は公務員になって以来、厚生センター(保健所)での食品・薬事衛生業務や感染症などの緊急対応、本庁での食品衛生や薬物乱用防止事業、そして病院では調剤、服薬指導、腎臓移植、麻薬管理などの業務に携わってきました。こうした経験の中で、人とコミュニケーションを取り、円滑に仕事を進めていくスキルが身についたと思っています。このスキルは病院でも患者さんをはじめ医師や他職種との連携を進める上で欠かせません。また病院薬剤師としては、リアルタイムにカルテ情報を得て、薬の効果や副作用をモニタリングした上で、医師へどんな処方提案を行うかが腕の見せどころだと思っています。

薬剤師として私が大切にしてきたのは、本庁や厚生センターでは、規制する食品や医薬品の向こう側にいる人のことを考える姿勢です。同様に病院でも、患者さんの立場でものを考えつつ、客観的に物事を捉えて行動するよう心がけています。現在は薬剤部長として、入院前の持参薬確認の面談から薬の窓口業務、麻薬管理、医療安全のカンファレンスや病棟のラウンド参加なども担当しています。また、各種学生向けイベントへ参加して病院薬剤師の魅力をPRし、薬剤師を増やすための活動に積極的に取り組んでいます。

30年以上も頑張ってこられたのは、どの分野の仕事も県民の方や患者さんのために仕事がしたいという思いがあったからです。今もその思いは変わりませんし、さらによりよい仕事をしていきたいと思っています。若手の薬剤師に望むのは、いろいろなことにチャレンジしてほしいということです。認定薬剤師や専門薬剤師などを取得し、専門的なスキルを活かした活躍をする一方、すべての分野において安全に薬を提供するという責務は忘れてほしくありません。特に新人のうちは、分からないことや疑問に思うことは調べたり、先輩に聞いたりなどしてから調剤、調製、服薬指導、疑義への回答を行ってもらっています。

今後は薬剤師の増員に力を入れ、病棟での業務を充実させること、外来化学療法では薬剤師外来を導入し副作用発現状況などを十分に聞き取り処方に反映させ、薬局との連携強化により服薬状況や副作用の発現状況の情報を収集し診療に活用できるように取り組んでいくこと、さらに、周術期にも薬剤師が関わり、術前中止薬の確認や術後の再開薬の確認を徹底し、安全性の向上に取り組んでいくことが目標です。(向井さん)

県立中央病院で働く魅力は?

総合病院で多くの診療科があり、それぞれに高い専門性が求められます。そのため興味のある分野で個々の専門性を伸ばせるよう、多面的にサポートしています。(向井さん)

目指すのは誰からも頼られる薬の専門家。チームで患者さんを支える病院業務にやりがいを感じています。

大学の実務実習で病院と薬局の両方を経験した際、幅広い業務に関われて面白そうだと感じたことが、病院薬剤師を目指したきっかけです。加えて県職員という安定した立場で、地元に貢献できる点も大きな理由。調剤や患者さんへのハイリスク薬指導、チーム医療への貢献など、新しいことをどんどん吸収できる現場が自分の性格にも合っていると考えて、最初から「病院で働きたい」と思っていました。

入職1年目に整形外科病棟、2年目以降は脳神経外科・脳神経内科の病棟の担当となり、主に入院患者さんへ向けた服薬指導などに携わっています。現在の担当病棟ではご家族の協力のもとで生活を維持されている方も多く、ご家族とお話して信頼関係を築くことも大切です。
脳神経系の病棟では、「頭の中ではこの言葉を話したいけれど、うまく口に出せない」という患者さんが少なくありません。指導する際はそうした方の思いをうまく引き出せるよう、一方的な説明をせずに、言葉を待つ時間を作ることを心がけています。入院時には麻痺で体が動かせず、うまく言葉を出せなかった方が、退院される際に「ここが動くようになりました」「おかげで薬が減りました」と喜ばれている姿を見るのはとてもうれしいです。ご家族から「この病院に来て一命を取り留められました」と感謝の言葉をいただけたことも、チームの一員として強く印象に残っています。

入職2年目からは病棟勤務と並行して、緩和ケアチームにも参加しています。医療用麻薬の使用状況を記録・把握して、週1回のカンファレンスで医師や看護師と情報を共有し、薬の専門家として、病院全体の麻薬の適正使用に率先して取り組んでいます。今年は初めて日本緩和医療薬学会で発表予定なので、今はその準備も頑張っているところです。
もともと緩和ケアチームの先輩方の知識量がすごいと思っていて、テキパキとなんでもこなす姿に憧れてチーム参加を希望しました。私も将来は先輩方のように、麻薬をはじめ薬の総合的な知識を増やして、周囲から頼られる薬の専門家を目指したいです。
(野尻さん)

県立中央病院で働く魅力は?

多職種のチームが一丸となって患者さんを支えられること。薬の専門家として医師や看護師から頼っていただけることがやりがいです。(野尻さん)

知識が増えれば患者さんに一層役立てる。将来は幅広い分野に対応できるジェネラリストを目指したい。

入職のきっかけは、公務員薬剤師なら病院勤務をはじめ研究業務や総合的な薬事業務など、保健衛生に関わる仕事に幅広く関われそうだったから。大学で県外へ出た経験から、生まれ育った富山の良さを改めて知り、働くなら地元が良いと感じられたことも決め手になりました。
入職し県立中央病院に配属され、整形外科および内分泌代謝内科病棟の担当となり、病棟業務の基本を学びながら、1年目の秋からは服薬指導にも携わっています。日直から徐々に当直勤務と経験の幅を広げ、分からないことは病棟の先輩にすぐ相談できるなど、無理せず業務に慣れられる環境も魅力です。

気をつけているのは患者さん1人ひとりの状態を把握し、点滴の投与量が適量か、腎機能に応じた投薬かどうかなど、確実にチェックすること。持参薬についてもその都度確認し、的確な服薬指導ができるよう心がけています。ちょっとしたアドバイスで患者さんの役に立てるのもやりがいの1つ。目薬の差し方でも「知らなかった、ありがとう」と笑顔を見せていただけると、お話して良かったとホッとします。
最近は教育入院をされている糖尿病の方への自己注射の指導も担当しています。基本的な自己注射の方法から始めて、消毒や注射前の空打ちの必要性など伝えるポイントはさまざま。自分1人で対応するのではなく、医師や看護師も一緒にチームで患者さんをフォローし、退院時に安心して送り出せる達成感も病院勤務ならではです。

今年度からは、がん化学療法班の配属となりました。今まで経験してきたことと全く違う知識が必要になるので、今は同じ班の先輩方から教わりながら勉強しているところです。新しく覚えることは多いですが、スキルアップの機会ととらえて前向きに取り組んでいきたいですね。抗がん剤のレジメン作成にも積極的に携わっていくつもりです。
将来の目標は、専門分野を問わず広く薬の知識を身につけて、ジェネラリストとして活躍すること。まずは目の前の業務に一つひとつ取り組み、経験を積む中で自分の強みにできる分野も見つけていきたいと考えています。
(畑田さん)

県立中央病院で働く魅力は?

診療科によって必要な知識が違い、さまざまな経験が積める環境です。まずは目の前の業務に真摯に取り組んで、できる仕事の幅を広げていきたいです。(畑田さん)

企業研究のポイント

企業研究を始めるにあたり、まずは進学時の目標や志を改めて思い返してみてください。例えば「臨床現場で貢献したい」と考えていたとしたら、病院薬剤師は最も近い職業といえるのではないでしょうか。患者さんのすぐそばで薬の専門家として密接に関わることができ、薬剤師としての職能を存分に発揮できる仕事であり、やりがいも十分です。

また薬剤師の先輩としてのアドバイスは、日頃から疑問に思ったことは、すぐに調べる癖をつけておくことです。薬の世界は日進月歩、後回しにしていたらいざ調べた時には古くなっていた、ということにもなりかねません。その都度自分で調べてレベルアップする姿勢は、企業研究にもきっと活かされることでしょう。

当院は県立病院のため、職員はみな公務員。福利厚生が充実しており、ワークライフバランスに配慮して働くことができます。さらに環境改善も進めており、産前・産後休暇や、育児参加休暇を取得する職員も増えています。腰を据えて安定的に働きながらキャリアを積むことができます。
このほか「一人1資格の取得」を目指しており、より専門性を高められる環境づくりも行っています。専門性が高まれば患者さんの薬物治療をよりサポートできるので、すべての職員に病院薬剤師としてのやりがいを感じて輝いてほしいと考えているからです。

実習などで忙しい時期だとは思いますが、少しずつでも情報収集し、比較検討を進めてほしいです。

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「薬剤師を目指すにあたり、その先に患者さんがいることを忘れないでほしいです。薬を使う患者さんを意識して勉強・研究に取り組んでください」と向井さん。

マイナビ編集部から

「薬都とやま」として知られ、薬に関して地域内外から厚い信頼を受ける富山県。新薬開発やジェネリック、原薬などの多彩なメーカーが集まり、医薬品の研究開発や人材育成も積極的に行われている。
そのため薬事から食品衛生、環境衛生、薬業振興まで、県職員としての薬剤師が活躍するフィールドは多彩だ。県立総合病院である富山県立中央病院では、患者さんに向けた安全かつ効果的な薬物療法に向けてチーム医療に貢献。今回の取材でも、段階的に各病棟を担当しながら、院内外の研修や資格取得を通して、幅広くスキルアップを目指せる様子が伺えた。1年間調剤や担当病棟での服薬指導を経験してきた畑田さんは、入職2年目となる今年から新たにがん化学療法班の配属となり、レジメン作成のノウハウから勉強中とのこと。4年目の野尻さんは自身の希望で緩和ケアチームに入り、学会発表の準備も進めているという。
「総合病院だからこそ興味に沿ったさまざまなチャレンジできる」と話すのは薬剤部長の向井さん。県職員という安定した立場と働きやすい環境のもとで、自らの興味・関心を追究できるのは大きな魅力だろう。どんなキャリアを目指したいかが決まっておらず悩んでいるという人も、ここでなら働きながら少しずつ理想の薬剤師像を見つけられるのではないだろうか。

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担当病棟の業務から始まり、2~3年目から他職種と連携したチーム医療を経験。互いに学び切磋琢磨し合える環境のもとで、薬剤師としてのレベルアップを目指せます。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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