最終更新日:2025/7/18

(株)東光高岳【東証プライム市場上場/東京電力グループ】

  • 上場企業

業種

  • 重電・産業用電気機器
  • 機械
  • プラント・エンジニアリング
  • 設備工事・設備設計
  • 電力

基本情報

本社
東京都

取材情報

記事で読む社会科見学

「人々の役に立ちたい」という熱意が、仕事のモチベーションになっています!

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電力インフラのモノづくりを通して得られる“大きな達成感”

東光高岳のコア事業は、電力インフラに関わる変電設備や配電設備だ。ここでは設計と品質保証で活躍する3人の先輩社員にインタビュー。知られざる重電企業の仕事内容を、社会科見学の見地から読み解いてほしい。

■S.Nさん(写真右)
電力プラント事業本部 電力プラント品質保証部 断路器品質保証グループ
2016年入社/工学研究科学際先端システム学専攻修了

■T.Yさん(写真中央)
電力プラント事業本部 制御装置製造部 設計グループ
2020年入社/工学部電気システム工学科卒業

■T.Mさん(写真左)
電力プラント事業本部 断路器製造部 設計グループ
2016年入社/工学部電気システム工学科卒業

コンセントの役割を果たす断路器を検査。製品の安全・安心を保証する!

私が就職活動で軸にしたのは、社会インフラを支えている縁の下の役割を持つ企業ということでした。幼い頃に水害に遭って、電気のありがたさを身をもって知り、「仕事を通じて社会の役に立ちたい」という気持ちから、電力インフラ事業を手掛けている当社を選びました。

私は、入社から現在に至るまで、「断路器」の品質保証に携わっています。「断路器って何?」と思いますよね。皆さんが使っているドライヤーを想像してみてください。通電している時にオンオフする電源スイッチは、重電分野でいう「遮断器」にあたります。髪を乾かし終わったら、電源スイッチをオフにしてコンセントから電源コードを抜きますね。この抜き差しこそが断路器の役割。断路器は“電路(電気が流れる道筋)の開閉”を手動で操作するための設備なのです。

では、なぜ断路器が必要なのでしょう? 「電気が切れているのか、繋がっているのか」が分からないと、現場の作業員は安心して工事ができません。断路器は外から開閉状態が一目で分かるので、誤って感電するリスクが大幅に低減するのです。

当社の多種多様な断路器は、あらゆる産業分野で幅広く使われています。大きな変電所や鉄道用の架線はもちろん、ショッピングセンターやマンション内の受変電設備にも断路器は欠かせません。私たちの生活圏でも、安全な電力供給のために当社の製品が活躍しているのです。

品質保証の役割は、断路器が規格どおりに作られているかを最終的に判断すること。「開閉動作に問題はないか」「オプション部品の付け忘れはないか」など、手順に沿って検査を行い、各項目を一つひとつ調べています。また、お客さまから不具合の連絡をいただいたときは、現地へ足を運んで既設の設備を点検・修理することも。経年変化への対応だけでなく、台風などの災害で影響を受けたときも、私たちの出番となります。

製品が完成するまでには多くの工程がありますが、品質保証は製品を守る最後の砦といえるでしょう。その意味で、「人々の生活を自分が支えている」実感を得やすい仕事だと思います。現在、断路器をはじめとする当社の製品は海外でも使用され、人々の生活をささえています。私も品質保証の仕事を通じて、その一端を担っていきたいと思っています。
(Nさん)

ここが東光高岳の魅力です!

「現在、当社は業務改革の真っ最中。私はボタン一つで検査工程を自動化できる仕組みを考案しました。社員に挑戦させてくれる器の大きさを感じます」(Nさん)

電気を供給し監視・制御・保護する配電盤を設計。スケールの大きなモノづくりで経験値をアップ

私は大学で電気工学を専攻していました。重電メーカーを志望した理由は、電気の知識を生かして社会貢献したかったから。最終的に東光高岳を選んだのは、大学OBが活躍しており、「ここなら先輩のように成長できる」という安心感があったからです。

私の所属している制御装置製造部設計グループでは、電力会社の発電・変電所内の電源供給および工場やビルなどの需要家内の電源供給に使用される配電盤の設計を行っています。中心になるのは、盤構造と電気回路の設計。配電盤とは、機械や設備へ安全に電気を供給し、監視・制御・保護する装置を収納したものです。金属製の四角い箱で、電力会社より高電圧(6600V)を受け、所内で使用できる低電圧(200V,100V)へと変電し、電気を供給しています。一つひとつが電気の流れの中継ポイントにあたり、装置の中で電気の監視・保護・制御を行っています。

配電盤は、JISなどの電気に関する規格に基づき、お客さまの仕様に合わせ、一品一品を設計するオーダーメード製品です。形は箱型が基本ですが、大きさは扱う電気の大きさによってさまざま。当社では、電力会社の発電所向けでパワーセンター・コントロールセンターと呼ばれる低圧配電盤、一般需要家向けの高圧・低圧配電盤など、数多くの製品を手がけています。

現在私が担当しているのは、電力会社さま向けの配電盤。変電所の所内電源を常時供給できるよう、所内の1系統がダウンしたとき、自動的にもう1系統からの受電を可能にするためシーケンサと呼ばれる装置を使用しソフトで制御した設備です。私がこの配電盤を設計するのは今回が初めて。しかも、デジタル変電所として配電盤からの情報を通信で上位装置へ伝送する新たな仕様が盛り込まれ、回路と構造を同時に設計したため、複雑で大変でしたが技術アップできました。

私は電気の分野で社会貢献したいと思って入社したので、それが実現できている今の仕事にはとても満足しています。もう一つうれしいのは、お客さまはもちろん、部品を提供してくれるメーカーさんなど、多くの人々と直接コミュニケーションを取れること。私は人と接することが好きなので、それを生かせることにも仕事のやりがいを感じています。

電力業界でも、デジタル化を軸にした変革が徐々に進行しています。私も遅れをとらないよう技術と知識を身に付け、自分の引き出しを増やしていきたいと考えています。
(Yさん)

ここが東光高岳の魅力です!

「上司や先輩が若手社員を見守ってくれます。『もう少し肩の力を抜いていいんだよ』と気遣ってくれるので、気負わず仕事に取り組めます」(Yさん)

断路器設計のポイントは、自分の目で部品を確認し、製品のイメージを掴むこと

私は大学で弱電から強電まで幅広く電気について学びました。電気を選んだのは、高校生のときに経験した東日本大震災がきっかけです。電気の大切さをあれほど実感した経験は、後にも先にもありません。その電気に関わるモノづくりに携わりたいと、就職活動では重電メーカーを検討。東光高岳は発電所・変電所に多くの製品を納めていて、人々の生活を支える重要な仕事に就けると思い、迷わず入社を決めました。

入社後は断路器製造部門に配属となり、設計職に就いています。断路器は、発電所や変電所で作業する方々の安全を確保することが、最も大きな役割。もし断路器がなければ、安全保安上のリスクだけでなく、一般家庭への影響もゼロではありません。例えば、もし修繕作業中に作業員の感電事故などが発生してしまうと、作業員の命にかかわってしまいます。また、復旧作業に時間がかかり停電の時間が長期化する可能性があります。電気が流れているかどうかが一目瞭然で確認できる断路器は、事故のリスクをなくすことで、間接的に私たちの生活に貢献していて、実は私たちの生活に深く関わっている重要な設備なのです。

現在は開発業務を担当しています。昨今の情勢やお客さまのニーズを考慮した“より良い断路器”を目指した仕事をしています。断路器は電路を断ち切る構造であることはもちろん,耐震性能も非常に重要な要素となります。それらを押さえた上でお客さま毎のニーズを製品に反映させるべく設計を行っております。また、現地調査も重要な仕事の一つです。製品がどこでどのように使われているかを自分の目で確認することで、製品に関する深い知識が得られます。

私は製造現場にも積極的に足を運ぶようにしています。図面上では上手く設計できていたつもりでも,実際は組立や加工ができないという問題が発生することがあります。ボルトが挿入できなかったり、使用可能な工具が限定されてしまい作業効率が低下するという、図面だけでは見つけづらいことがあります。でも製造工程を知り、部品の細部を自分の目で確認できていれば、設計図の書き方自体が変わってきます。

入社8年目に入り、私も中堅の立場になりました。目指しているのは、「この人なら安心して任せられる」という信頼に足る技術者。当社には“エキスパート”という技術者認定制度があるので、将来はそうなれるよう頑張りたいと思っています。
(Mさん)

ここが東光高岳の魅力です!

「当社は一つの製品に一貫して携わることができるため、部品や加工の知識などの様々な知識を得る事ができます。周囲のサポートもあり、とても良い環境です」(Mさん)

企業研究のポイント

企業研究を始めるにあたり、多くの方は学生時代に身に付けた知識や経験を生かすことを考えると思います。私は大学時代に特殊なレーザー技術の研究を行っていましたが、ほとんど知識のない電気関係の当社を選びました。仕事では、電気以外の知識が柔軟な発想につながることも多々あります。「知識がないからこの会社は無理だ」と諦める必要はありません。「チャレンジしてみたい!」という気持ちを大切にしてください。
(Nさん)

企業を研究する際は事業内容や待遇、福利厚生などを見るだけでなく、「どのような人たちと一緒に働くことになるのか」を考えてほしいですね。私が今頑張っていられるのも、上司や先輩方に恵まれているからにほかなりません。説明会や会社訪問の際には、新人へのフォロー体制がどうなっているのかを確認しておくと良いと思います。
(Yさん)

企業を深く研究すればするほど、どの企業が自分に向いているのか分からなくなってくることはありませんか?各社それぞれに自社の特徴や強みをアピールしていますから、それらを比較していると、自分を基準に考えることを忘れてしまうかもしれません。そんなとき、私は自分の“直感”を重視しました。「ここはいいな」という感覚は、何かしら惹かれるポイントがある証拠。悩んだときは、思い切って直感を信じてください。
(Mさん)

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階層別研修、OJTリーダー研修、個別専門研修などを通じ、たくましく成長してきた3人の先輩社員。背景には「仕事こそ人を育てる」という、東光高岳独自の社風がある。

マイナビ編集部から

重電8社の一角として名高い東光高岳。多くの製品ラインナップを持つ中で、最も強みを発揮しているのが取材文中で触れた断路器だ。高岳製作所時代の初期、つまり100年以上も継続して製造している同社の主軸製品である。製品自体の高いポテンシャルに加え、電力会社との安定した協業体制、カーボンニュートラルの実現に向けた新事業など、同社にはほかにも多くの特徴がある。企業研究される際は、事業内容について細部までしっかり見てほしい。電気に限らず知識や経験を活かせる分野、興味を引かれる分野がきっと見つかるだろう。

3人の先輩方が共通して語っていたのは、電力という社会インフラに携わることで得られる“社会貢献意識”と、自分の仕事が人々の生活を根底部分で支えている“喜びや充実感”だった。同社の製品は発電所や変電所、工場などで使われるものが多いので、一般消費者が分かりやすい形でメリットを実感しづらい。

Nさんは、「電気は当たり前のように供給されていますが、私たちがそれをサポートしています。人々が気付かないところで電力インフラを守り続けている。目立たないからこそ、自分の仕事を誇らしく思います」と話してくれた。

“縁の下の力持ち”というキーワードがぴったり当てはまる東光高岳。皆さんもその一員となって、未来のエネルギー社会を構築してほしい。

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広大な敷地を持つ小山事業所(栃木県)の外観。2010年に断路器新工場を建設し、配電ネットワークの実証試験場を開設した。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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