最終更新日:2026/3/19

富士電子工業(株)

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業種

  • 機械
  • 重電・産業用電気機器
  • 機械設計
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  • 精密機器

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大阪府

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事業について伝えたい

高周波焼入加工。この技術で付加価値の高い市場を切り拓く

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熱処理の受託加工、装置製作、コイル製作。すべて自社で!

高周波焼入加工とは高周波の誘導電流を使い、金属の表面に高熱を加え、その後急速に冷却させる熱処理加工を指します。この技術で国内はもちろん、世界市場にも進出している富士電子工業の強みに迫ります。

左の写真は富士電子工業がつくっている製品です。
さて、何でしょう。答えは3名のみなさんの名前の後に。

■花木昭宏さん
加工部技術課課長
2006年入社
工学府知能機械システム専攻修了

■島浩平さん
製造部電気技術課
2018年入社
システム工学研究科先進情報処理メカトロニクス専攻修了

■代表取締役 渡邊弘子社長   

写真の答え。これがコイル。高周波焼入加工で大切な役割を担います。

誘導電流を通すコイルを自社で製作。だからこそ、設計・製造ノウハウを蓄積でき、独自性を発揮できる

金属の熱処理にはさまざまな方法があります。たとえば炭素を添加する浸炭であれば、パラメーターを調整することで、ある程度は求める加工を実現できます。ところが当社の専門である高周波焼入加工はパラメーターが決まっていない。各社独自の方法がそのまま特徴となる。ここに難しさやおもしろさがあります。
技術課は高周波焼入加工で使用するコイルの設計を行う部署です。コイルと言えば、ぐるぐる巻いているイメージですが、当社が設計・製造しているコイルは円形もあれば、直線もある。誘導加熱の重要な役割を担うコイルを自社で製作することで、長年蓄積されてきたノウハウこそが他社との優位性であり、強みだと思います。
高周波焼入を施した金属は耐久性や耐摩耗性が上がります。私が入社した頃は、主に自動車業界がお客様でしたが、徐々に建設機械や工作機械に用途を広げ、現在、当社の加工技術はこれらの機械の重要部品であるクランクシャフトやリニアレールなどで生かされています。
また、設計担当者は設計だけではなく、お客様先に出来上がった高周波焼入装置を納品するまで担います。ものづくりの最初から最後まで関われるのも当社の技術者の特徴。大きすぎない企業規模も仕事がしやすいですね。図面から手がけ、それを基に製品が立ち上がり、自分の知見をあらゆる場面に生かしながら、お客様の要望する製品をつくることができる。技術者としてはやりがいのあるフィールドです。
高周波焼入加工業界はライバル社も特徴を出した加工や製品を打ち出してきます。業界をリードしていくためにも装置の製造方法を再構築するなど、当社もさまざまなチャレンジを続けています。
〈花木さん〉

ココも魅力!

「入社16年を迎え、部下も増えました。出身分野にかかわらず、設計に興味を抱いた新人も入社していますよ」と技術課の課長を務める花木さん。

クリーンな電気を熱源とする地球環境にやさしい熱処理技術が強み。自動車・建設・工作機械メーカーを下支え

電気技術課は高周波焼入加工装置の電気回路設計をはじめ、制御設計、完成後の試運転、メンテナンスまで手がけている部署です。私は焼入機(対象物を焼入部に搬送・保持・移動・回転させるための機器)の設計・試運転、設備が電波法の基準を満たしているかの検査、高周波発振器(高周波を発生させるための装置)の主回路・筐体設計などを中心に担当しています。
当社の装置はすべてお客様の仕様に基づいたオーダーメイド。社内でモノづくりをトータルに行っているため、自分が設計した製品を現場スタッフと一緒に組み立てる機会もあります。現場からの要望を受け入れて改善をすることもありますが、現場がつくりやすい機構の設計をするよう常に心がけています。
最近、あるお客様の工場に自分が主回路・筐体設計から組み立て、試運転、納入まで一貫して携わった焼入設備を納入した際、お客様から直接「ありがとう」という言葉をいただきました。最高にうれしくて…。一つの製品を一貫して担当できるのは、当社で技術者として働くうえで最大の魅力だと思います。
焼入は金属の強度や耐久性を向上させる技術ですが、なかでも、当社が得意とする高周波焼入は電磁誘導加熱(IH)を利用するため、CO2を排出しないクリーンで地球環境にやさしい熱処理加工です。当社の高周波焼入加工装置で加工された金属パーツは、自動車・建設機械・工作機械などの重要保安部品として採用されています。当社の技術が産業界を根底から支えていると思うと、とても誇らしい気持ちになります。
入社以来、電気技術課に所属していますが、これまでは主に電源装置の主回路・筐体設計の仕事に従事してきました。今後は上司や先輩のアドバイスを受けながら、電気部品の選定や電気回路設計、制御設計など電気的な業務にも取り組み、設備として本当の意味での最初から最後まで携われるような技術者になりたいです。
〈島さん〉

ココも魅力!

「当社では装置の設計から、製造、納品、メンテナンスまで一貫して手がけているため、その道のプロが多数在籍。疑問点はすべて聞けるため、とても心強いです」と島さん。

加熱と冷却を均等にできる。この高度な加工を強みに、最も厳しい品質を要求される市場で成長し続ける

当社では、焼入した製品は、精度が安定しないという従来の概念を打ち破り、いつも同じ精度に仕上げるという精密焼入に拘っています。その要となるコイルも当然設計から製作まで自社で行っています。このコイルに誘導電流を通します。コイルと聞けば、バネのような形状を思い浮かべるかもしれませんが、当社が製造するのは、対象となる金属の形状や加工方法に合わせたさまざまな形のコイルです。このコイルに誘導電流を通すことで、熱による膨脹があり、次の冷却で収縮し、更にマルテンサイトという強度の高い組織にするのですが、この変態は膨張変態で、均一にコントロールされた焼入層にしないと、ワークにひずみが起きます。このひずみをどこまで押さえ込められるかが課題になりますが、当社の強みはワークの材質や形状を考え、加熱と冷却を均等にできること。つまり、安定した品質の加工を実現できるということです。そのため、国内の自動車メーカーや工作機械メーカー各社から選ばれ、直接取引を実現しています。
今取り組んでいるのは、IoTとの融合により、コイルや部品などの劣化を予測する予知保全技術。センサやモニタ画面から収集したデータを解析、交換時期を予測し、お客様の設備停止時間の低減につなげていきたいと思っています。
当社が切り込んでいくのは大手メーカーの製造する車や建機、工機など、最も厳しい品質が求められる分野です。価格の安さを競う市場ではなく、付加価値で評価される市場でこれからも闘っていくのがビジョンです。
開発においても、すぐに結果が出ないからといって撤退するのではなく、5年以上の先を見据え、少しでも可能性があれば、あきらめず、開発を続けます。大きすぎる組織ではないからこそ、長期的視野で製品を捉え、自分たちの強みを十分発揮できる。それが富士電子工業です。
〈代表取締役 渡邊弘子社長〉

ココも魅力!

「好きな言葉は『人間万事塞翁が馬』。物事は長期の視点で捉えてみなければわからないという意味です。一喜一憂しない姿勢で経営の舵取りを進めています」と渡邊社長。

学生の方へメッセージ

【花木さん】当初は自動車メーカーを検討していました。そのうち、メーカーであれば自社製品の技術のみで、幅広い技術を習得できないと思い、いろいろなメーカーの製品に携われる機械加工業界にシフトし、当社を知りました。企業研究は知名度の高い企業だけを選択肢に入れるのではなく、企業規模にかかわらず、独自技術を持った企業に注目し、どのような仕事の進め方をしているのかまで調べる意識を持って下さい。

【島さん】乗り物または写真撮影の分野の製造業でモノづくりに携わりたいと思っていたときに当社に出会いました。一貫して手がけている当社なら、自分の仕事が後の工程にどう影響するのかを目で見てわかる。その点がすごく魅力でしたね。企業研究は、私もそうでしたがまず自分が興味のある分野を明確にしてから取り組むことをオススメします。好きなことを仕事にすれば入社してからも苦労が少なく、何よりモチベーションになると思います。

【渡邊社長】興味のある会社がどのような技術で利益を上げているのか、その会社のコアとなる技術に注目し、現物・現実を知る姿勢をぜひ持って欲しいですね。また、企業の安定性や入社後のやりがいは規模の大小では図れません。業績や財務内容も調べ、長期的な視野で企業を検討する視点も必要です。

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特許・実用新案の出願も積極的に行い、知的財産権にも留意。技術者の努力に報い、誇りを守る取り組みにも注力することによって、技術者のモチベーションを高めています。

マイナビ編集部から

高周波焼入加工という言葉を聞いて、その工程を想像できる人は少ないかもしれない。1960年に設立された富士電子工業は高周波焼入加工をコア技術に持つ企業だ。まさにものづくり業界において大きな役割を担っている。また、受託加工だけではなく、高周波焼入装置の設計・製造も行い、国内はもちろん海外20カ国に自社製品を納入。特許・実用新案の総出願数は800件以上にまでのぼることからも、自社技術を大切にしていることがわかる。
その同社を率いる渡邊弘子社長は社長就任15年目。長期的な視野で自社技術を育て、付加価値の高い市場で闘えるまでに成長させた経営者だ。そのしなやかなリーダーシップは社風にもつながっている。また、資格取得時の報奨金制度や子育て支援の取り組みなど、働く環境面も充実。長期的な視野でキャリアを構築できる環境は既に整っていると言えそうだ。電気・電子、機械はもちろん、多彩な出身分野の技術者が活躍している同社には、技術者の誰もが求める、のびのびとしたフィールドが広がっている。

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1960年設立。ものづくりの街、大阪・八尾市で生まれた富士電子工業。本社と工場はリニューアルを終え、本社は食堂も一新、工場の一部は従来の40%広くなった。

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