最終更新日:2026/4/17

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

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  • 公益・特殊・独立行政法人
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原子力研究を支える2つの仕事──研究職と事務職の先輩の歩み

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若手2人が語るJAEAで働く魅力

原子力の総合研究機関である日本原子力研究開発機構(JAEA)では、多様な背景を持つ人材が活躍している。ここでは研究職と事務職の2人の若手に、仕事の醍醐味や将来のビジョンなどを語ってもらった。

<研究職>
難波 知太郎さん
原子力科学研究所原子力基礎工学研究センター原子力化学グループ
大学院理学研究科 化学専攻(博士課程)修了
2024年入職

<事務職>
加治木 結子さん
人材開発部 人材開発課
教養学部(文学専攻)卒
2021年入職

【難波さん】磨き続ける専門性が、自分の可能性を広げ、原子力の未来を拓く

大学院では物理化学を専攻し、気体分子にレーザーを照射したときの運動・反応とその制御に関する研究をしていました。対象が分子ということで直接観察できるわけではなく、レーザーや光への反応をシミュレーションすることになるのですが、そのシミュレーションに必要な計算に長い時間がかかっていました。そうしたなかでAI・機械学習という分野を知り、計算処理に機械学習の仕組みを取り入れることで効率化できるのではないかと考え、物理化学と機械学習の融合に取り組んでいました。
就職活動中は、機械学習の知見を活かして社会課題の解決につながる仕事がしたいという想いからIT企業に応募していた時期もありました。しかし、大学の研究室経由でJAEAが人材を募集していると知ったことが転機に。機械学習と物理化学を研究してきた経験を国内唯一の原子力の総合研究機関で活かせる、というのは自分自身の可能性を広げることにもつながると思い入職を決意しました。

入職後も「化学反応のシミュレーション」を担当しており、現在はグループ内外からの様々な依頼に対応しています。例えば、元素の濃度や質量を調べる検査に関する装置を使うとき、感度を良くするにはどういうガスを入れるべきか、水に溶けた放射性物質を油に移して取り除く“溶媒抽出”で利用する最適な化合物は何か、などがありました。放射性物質を扱う以上、分析であっても被曝のリスクが伴います。私の研究によって効率化が進めば、職員の安全にも貢献できるだろうと考えています。
実はJAEAにとって基礎研究分野に機械学習を取り入れる人材はまだ多くなく、原子力化学グループにおいては私が初めてでした、そのため私自身何をすべきなのか、周りの方も私が何をしているのかわからないような状況でした。所属していた研究室と比べても、関わる人数も多くギャップに直面していたことを覚えています。ただ、人と話すことが好きなことも幸いし、機構外部へのプレゼンに備えた練習会で意見を出したり、ランチでのコミュニケーションを重ねたりすることで、お互いに認識を深め合うことができました。

2年目である今年には、新プロジェクトのメンバーに機械学習の専門家として声をかけていただきました。グループ内で立ち位置を確立できたという喜びと共に、様々な分野のスペシャリストが集う組織の中で成果を示したいというモチベーションの高まりを感じています。

JAEAの魅力は?

「JAEAは国内唯一の原子力総合研究機関だけあって、大学では扱えない物質や高性能の機材にアクセスできることが研究をする上での楽しさの一つとなっています」(難波さん)

【加治木さん】働く人を支え、人の想いを知り、人と関わりあうことの楽しさ

就職活動を始めた当初から「人々の生活を支えたい」「生活の基盤を支える仕事がしたい」という考えがあり、公共機関や民間でも公的な要素が強い企業を中心に企業研究を進めていました。そうしたなかでJAEAの存在を知り、「日本の科学技術の発展や人々の暮らしに貢献する」という理念や、その理念を実現するために研究している方々を支える事務職という存在に興味を持ちました。
それまで原子力については、東日本大震災の影響や当時の報道などからネガティブな印象を持っていましたが、一方で原子力はこれからの社会にとって切っても切り離せない存在であるとも感じていました。原子力が抱える課題や可能性に対し、当事者として関わっていきたいと思い、JAEAに入職することを決めました。

最初に配属されたのは福井県にある「高速増殖原型炉もんじゅ」で、そこで働く方々の服務管理や健康診断の調整、食堂の運営などを担当していました。もんじゅには年齢層もバックグラウンドも様々な方々が働いており、学生時代とはまた少し違ったコミュニティに触れたことは、社会人1年目の私にとって非常に新鮮でした。人と関わることの楽しさを感じられましたし、自分の中の世界が広がる、とても良い経験になったように思います。

2年目の途中から本部に異動し、以降は新卒・キャリア採用を担当しています。面接の調整や採用イベントの開催、外部主催イベントへの出展、大学への訪問、募集要項の作成、採用活動方針の検討など業務内容は多岐にわたります。限られた人数で進めていかなければならないので大変な場面もありますが、人材開発部のメンバーはもとより、他部署の方にも協力いただきながら日々業務に当たっています。
研究職や技術職の方と関わる機会も多くあるのですが、自分たちの研究の意義や課題、取り組みなどを熱く語ってくださり、そういったお話を聞くたびに現場の想いに応えたい、より良い人材を募りたいという気持ちが湧いてきます。

今後も現場の皆さんの熱い想いに恥じないよう、誠意とプライドを持って仕事をしていきたいです。「加治木さんがいるから安心だね」と信頼してもらえる存在になることが今の私の目標です。

JAEAの魅力は?

「修士卒で職員となった研究者が働きながら博士号を取るケースも少なくありません。学ぼうとする意志を支えてくれる仕組みもしっかり整っています」(加治木さん)

2人の先輩が語る将来の目標、JAEAという組織

■先ほどお話しした新しいプロジェクト「原子力システム研究開発事業」において、私も2026年から本格的に参加していきます。私の役割は「最適な化合物を機械学習によって予測する」というもので、例えば“分子をどうやってコンピュータに読み込ませるか”といった根本的なところから対応していく予定です。国内では類似事例がほとんどない領域ですので、チームとしても私自身としても確かな成果を出すことを目標に定めています。

原子力分野の中で、機械学習や物理化学的な知見を組み入れた研究はまだまだ少なく、いずれは私がきっかけとなって新しい研究分野を立ち上げてみたいですね。JAEAはグループ内外を問わずコミュニケーションが取りやすく、分野をまたがったプロジェクトも組みやすい柔軟な組織ですから、新しいことも始めやすいと感じています。
<難波さん>

■公的機関の事務職は3年前後で異動を重ね、ゼネラリストとしてキャリアを積むというのが一般的です。これまではJAEAも同様でしたが、現在は「それぞれの分野におけるスペシャリストを目指す」という方針を新たに打ち出しています。私はまだ自分の専門分野が決まる前の段階ですが、人事系分野の人材として経験を積んでいけたらと考えています。講習会の参加費用・受験料なども機構が負担してくれるので社労士などの資格取得にも思い切ってチャレンジしていきたいです。

また人事評価制度の見直しも進んでおり、経験年数や学歴に囚われない、本人の成果や能力をより重視した制度への移行を進めているところです。その人の頑張りをしっかりと評価し、よりモチベーション高く働ける環境を目指しています。

職場の雰囲気は、皆さんが想像している以上に穏やかで、風通しが良いと思います。JAEAは厳格で固いイメージを持たれることも多いですが、役職や職種が異なる人と意見を交わす場面も多く、様々な人との活発なコミュニケーションが新たな価値の創造につながっていくのではないかと思います。
<加治木さん>

JAEAの魅力は?

部署や職種を横断したコミュニケーションも活発。原子力に関する最先端の研究を進めるべく、全員が一体となって課題解決に臨んでいる。

職場の雰囲気

  • にぎやか
  • デスクワークが多い
  • 個人プレー
  • 社内の方と関わる仕事が中心
  • 落ち着いた
  • デスクワークが少ない
  • チームプレー
  • 社外の方と関わる仕事が中心
  • 難波 知太郎さんが感じる職場の雰囲気
  • 加治木 結子さんが感じる職場の雰囲気

学生の方へメッセージ

■JAEAは原子力分野出身者で占められている組織だと思われがちですが、私のように異分野から研究に挑戦している人材も少なくありません。自分の可能性を限定せず、広い視点で進路を考えることをおすすめします。
専門職という観点からは、一人だけで仕事を進めるわけではありません。周囲の人とのコミュニケーションを重ねることが、より良い成果を導き出すことにもつながります。もちろん、土台となる研究に関しては確かな実力が必要不可欠です。大学・大学院では小手先のテクニックを高めるのでなく、真摯に自分の研究テーマに没頭してください。そして、その成果について簡潔に、わかりやすく人に伝える能力を磨き上げておきましょう。
<難波さん>

■私の場合、就職活動の間、何をしたいのか、何が向いているのかが分からずにいた時期が続きました。就職活動は一人で悩むより、周囲の友人や大人に相談することが大事だと思います。色々な人に話を聞き、また聞いてもらうことで、自分の興味や、なりたい社会人像などが見えてくると思います。ぜひ多くの人と言葉を交わしながら、目指す方向を探してください。
JAEAには情熱を持って研究・技術開発に臨んでいる方がたくさんおり、事務職はそういった方々を支え、時にリードしていく存在です。多様な人と関わり協力しながら日本の科学技術の発展に貢献したいという方は、ぜひエントリーしてください。
<加治木さん>

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誰もが働きやすい職場環境を目指し、ワークライフバランス面の整備にも組織的に取り組んでいる。育児や介護と仕事を両立して働く人材も多い。

マイナビ編集部から

国内唯一の原子力に関する総合研究開発機関である日本原子力研究開発機構(JAEA)は、多様な社会課題の解決のために原子力科学を活用するべく、極めて専門性の高い見地からの研究開発に取り組んでいる。手がけている事業の中には国家的な大規模プロジェクトも含まれており、取材に応じてくれた難波さんも実際にそうした案件にチャレンジするチャンスに恵まれている。

原子力発電はCO2排出量が少ないという特性を持つ。JAEAでも「カーボンニュートラルな社会」と「低資源・高効率な社会」の実現に寄与するべく、組織を上げて原子力の基礎的な研究や新技術開発に挑み続けている。研究対象が、物質を構成する基盤ともいえる原子であるだけに、発電以外の応用範囲も広く、がん治療薬や水素エネルギーの生産といったところでも活用が進んでいるという。

多様な知見が欠かせない世界だけに原子力を専門的に学んだ人材ばかりを募っているわけでないのもJAEAらしいと言える。教育研修面も充実しており、未知なる領域にも不安なく挑むことができるはずだ。また、研究職や技術職を支える事務職も大きな使命感を抱いて仕事に臨んでいるのも、採用担当の加治木さんの話から伝わってきた。未来社会に寄与するという大きな視点で仕事がしたいという人は、一度調べてみてほしい組織である。

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茨城県東海村に本部を構えるJAEA。拠点の多くは茨城県に集中しているが、福島や福井、青森、北海道、岡山、兵庫にも事業所があり、海外駐在員も派遣している。

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