最終更新日:2025/7/31

中川特殊鋼(株)

業種

  • 商社(鉄鋼・金属)
  • 鉄鋼
  • 自動車・自動車部品
  • 物流・倉庫
  • 不動産

基本情報

本社
東京都

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

特殊鋼を通じて支えるモノづくり。活躍フィールドは海外にも広がっています!

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中川特殊鋼だけが備えていた“理想的な環境”

メキシコ勤務への強い思いを抱きながら入社した伊達さん。だが、熱意があるだけでは中川特殊鋼の営業職は務まらない。大きな目標に近づくため、先輩はどのような姿勢で仕事に取り組んでいるのだろう?

■伊達 椋平さん
 鉄鋼事業部 大阪支店
 2021年入社/国際学部国際学科卒

仕事のポイントは在庫調整。リスク管理を徹底して需給をコントロール

学生時代は広島の大学で文化人類学を専攻していました。勉強するうちにスペイン語に興味を持ったので留学の機会を探していたところ、広島市はメキシコのグアナファト州と友好提携していることを知り、3年時の夏、国費留学生としてメキシコに滞在することになりました。
1年間、多様な顔を持つアミーゴ(友人・仲間)文化に触れることで、世界は広く、さまざまな考え方を持つ人々と共生することが大切なのだと思うようになりました。これは私の価値観が大きく変った経験となりました。

メキシコへの思いが強くなった私は、「スペイン語圏に営業拠点を持っている会社」に絞って企業を探していました。もう一つ重視したのは、「会社の規模が大きすぎず、少数精鋭である」こと。入社したら若いうちから活躍したいと思っていたからです。そのため、業界は専門商社に限定して企業を探し続け、数社から内定をいただいた中で海外にも拠点を持ち、少数精鋭の会社である当社を選びました。

配属されたのは大阪支店。入社当時は特殊鋼(炭素鋼や合金鋼)どころか鉄鋼製品について何の知識もなかったため、約2カ月間の新入社員研修でしっかり基礎知識を身に付けました。
支店には営業担当者が在籍し、それぞれの担当者が個別のお客様を担当しています。私の場合は、ある大手自動車部品メーカー様の仕事が9割以上。4社ほどの鉄鋼メーカ-様から特殊鋼を仕入れ、必要があれば加工してお客様に納品しています。

私たち営業担当者の中心業務は「需給管理」です。お客様から製品の注文をいただき、その内容を仕入先の鉄鋼メーカー様に発注。納入された商品は一時的に当社の倉庫へ保管しますが、必要に応じてお客様へ直接納品することもあります。

このプロセスの中で大切なのは、在庫をバランスよく調整すること。お客様の製造ラインを止めることはできないので、納期は厳守しなければなりません。一方で、鉄鋼メーカー様の製造には原料などの不確定要素があり、納期を判断しにくい部分があります。
実際に仕事をしてみると、入社当時に想定していたよりもバランスを取ることの難しさを実感しました。納入までのリードタイムは約3カ月設けていますが、リスク管理を徹底しないとお客様や仕入れメーカー様の急な変更に対応できません。私だけでも毎月約2千トンもの商品を受発注しているので、常に細部まで気を配りながら仕事にあたっています。

先輩の仕事風景

営業担当者の役割は、お客様と仕入先の鉄鋼メーカー様の間に立ち、納期を守って適量の商品提供を行うこと。取引の拡大につながる提案力も欠かせない。

念願だったメキシコ出張。アミーゴ文化圏の商習慣は驚きの連続でした

2023年3月から4月にかけての約1週間、私は5年ぶりに憧れの地であるメキシコを再訪する機会に恵まれました。
当社には、「若手営業海外実習」という研修制度があります。これは入社2、3年目以降の若手営業担当者全員を対象に、自社が持つタイの現地法人で海外業務を体験できる実地研修です。私も対象でしたが、担当しているお客様がメキシコに工場を持っているため、会社の配慮でメキシコの現地法人へ行くことになったのです。現地法人があるのは、かつて私が留学していたグアナファト州。コロナ禍の渡航制限で行きたくても行けなかったので、出張が決まった時はうれしくて泣きそうになりました。

メキシコでは日頃からメールをやりとりしていたお客様の現地スタッフと面会し、自己紹介とともに近況をヒアリング。実際にお会いすることで一気に距離が縮まったのを感じました。併せて、当社が取引している現地の加工メーカー様も訪問。乾いた空気の中、広大な敷地に立つ巨大な工場を目にし、そのスケールに圧倒されました。メキシコという国が持つ将来性や成長性の大きさが、ダイレクトに伝わってきたのです。

メキシコの法人では、多くの現地スタッフと交流を深めました。幸いにも私はスペイン語を話せるので、意思疎通をするのに問題はありませんでした。

しかし、お客様に訪問しヒアリングと私が日本で対応している仕事の紹介をした際、特殊鋼の専門用語をスペイン語で会話しており、改めて「国内で特殊鋼の知識と営業経験をつけなければ」という気持ちになりました。
メキシコ法人は距離があるので、日本から社員が訪問するケースも滅多にありません。今回の訪問で、私は当社の海外スタッフがどのような方法で日々の業務を行っているのか、細部まで知ることができました。
入社3年目でこんな経験ができたのも、当社が若い人材に大きな期待を寄せているからだと思います。現地で得た多くの貴重な知見をこれからのキャリアに活かしていきたいと思っています。

先輩の仕事風景

「若いうちから責任ある仕事を任せてもらえることが当社の魅力。難しさもありますが、これが早い段階で成長できる大きな理由だと思います」と伊達さん。

目標はお客様の信頼を獲得すること。将来はメキシコ拠点で活躍したい

お客様の生産状況を左右する仕事なので、いつも責任の大きさを感じながら仕事に臨んでいます。今でも忘れられないのは、入社して初めて迎えた年末シーズン。お客様からの発注が急増し、在庫をほとんど持てなくなったのです。新人にはハードな状況でしたが、ありがたかったのは上司や先輩の適切なアドバイスです。結果、仕入先メーカー様の立場になって考え、より詳しい情報をいただくことで乗り越えることができました。

需給管理はもちろん、お客様や仕入先メーカー様との交渉も容易ではありません。しかし、難しいからこそ仕事をやり遂げた時の感動や達成感が大きいものです。この仕事のやりがいは、まさにこの部分にあると思います。もう一つは自身の成長がリアルに感じられることです。当然ながら、仕事では特殊鋼に関する専門的な知識が不可欠です。知識が増えるに従い、お客様や仕入先メーカー様との会話内容が正確に把握できるようになってくる。すると、難しさを感じていた商談が楽しくなってくるのです。
勉強会が定期的に開催されるなど、当社には学びの機会がたくさんあります。勉強意欲の高い人ほど早く成長できる環境です。

3年目の最初に経験した海外研修で視野が広がり、仕事に向かう姿勢も変わりました。2年目までは目の前の仕事を無事に終えることに終始していましたが、日々の業務を丁寧に積み重ね、コミュニケーションを深めてお客様に信頼される営業担当者になることを意識するようになりました。社内外から信頼される人材になれば、私が思い描いている海外駐在の道も開けてくるはずです。

経験を積んだ営業担当者でも、海外赴任できる社員は限られています。スペイン語ができる若手も私だけではありません。しかし、メキシコへの熱意だけは誰にも負けないつもりです。まずは今の仕事で着実に実績を上げ、将来は入社前から抱いているメキシコ勤務の夢を叶えたいですね。当社には教育面でも制度面でも若手の活躍をサポートする環境が整っているので、実現するかどうかは自分の努力次第。目標に向かって一歩一歩、成長していきたいですね。

先輩の仕事風景

設立時から少数精鋭主義を貫く中川特殊鋼。伊達さんの同期も10人未満だが、だからこそ社員同士の絆が強く、困ったときは何でも相談し合える仲だという。

企業研究のポイント

企業を検討する際には、よく言われる活動軸を大切にしてください。別の言い方をすれば強いこだわりや思い入れです。業界や企業を絞れなくても、「自分はこういうことをやりたい」という明確なビジョンがあれば、進む方向性が見えてくると思います。
私の場合は「将来はメキシコで働きたい」という強い希望があったので、海外赴任を目的としたキャリアプランを描き、それを実現できそうな業界と会社を絞っていきました。メキシコに拠点がある会社はいくつもありましたが、規模が大きすぎると海外勤務のチャンスは少ないかもしれないと思っていました。また、海外拠点はあっても、日本人が勤務していない会社もありました。やりたいことが明確だったので、細部まで調べることは苦にならなかったです。

企業研究をしていたときから持っていたこのモチベーションは、当社で働いている現在もまったく変わりません。私の場合は少々特殊かもしれませんが、こだわりを重視したこのポイントは、皆さんにとってもヒントになると思います。
(伊達さん)

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大阪支社のオフィス風景。入居する大阪駅前第4ビルは地下鉄梅田駅から徒歩5分の距離にあり、アクセスの良さは文句なし。就業後は食事や買い物を楽しめる。

マイナビ編集部から

社員1人あたりの売上が4.7億円にもなる中川特殊鋼。大手メーカーでも平均値は5億円ほどなので、同社における収益効率の高さがよく分かる。その背景にあるのは、量としての人的資本に頼らない少数精鋭主義だ。
社員一人ひとりの質を高め、能力をフルに発揮できれば、人数は少なくても期待通りの結果を残すことができる。組織自体もコンパクトになり、少ない社員の間には互いが会社を支えているという結束力が生まれる、という考え方だ。

伊達さんの取材を通じて、同社のこの姿勢が実際に実を結んでいることを実感した。根幹にあるのは内容の濃い教育体制。1カ月間の新入社員研修には取引先の加工メーカーでの泊まり込み実習、自社倉庫・工場での泊まり込み実習が含まれている。また、営業職で役に立つ特殊鋼販売技士資格の取得を支援するため、勉強会では社内の技術フェローが講師役を務めている。伊達さんも「こうした研修があるおかげで不安なく実務に入っていけました」と語っていた。

社員数は約150人。顔と名前が一致しやすく、互いの仕事内容まで分かり合える環境だ。同社の場合、この距離の近さが良好な人間関係につながっている。伊達さんは、仕事終わりに同僚や先輩と連れだって梅田の街で食事することが多いという。
仕事を通じて大きく成長したい人、モノづくりを背後から支えたい人なら、同社は有力な選択肢となるだろう。

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特殊鋼専門商社として、業界に確固たるポジションを確立している中川特殊鋼。少数精鋭ならではの小回りの効いたアプローチで、多くのメーカーから厚い信頼を得ている。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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