最終更新日:2025/6/1

菊水化学工業(株)【東証スタンダード市場上場】

  • 上場企業

業種

  • 化学
  • 建材・エクステリア
  • 住宅(リフォーム)
  • セメント
  • 商社(建材)

基本情報

本社
愛知県

取材情報

記事で読む社会科見学

自然環境への配慮、利便性やデザイン性の向上。高機能の塗料が社会を支える。

PHOTO

建物に不可欠な塗料を生み出す先輩たちの仕事

みなさんは、ご自宅や日々利用する建物にどんな塗料が使われているか知っていますか?知るほど奥深く、無くてはならないものと分かる建築仕上塗材。その改良・開発に携わる先輩ふたりが菊水化学の製品を語ります。

□ 都築和貴/技術部/2018年
□ 中尾琉花/技術部/2021年

時代のニーズを受け止めた建築塗料を開発。

住宅、公共施設、ショッピングセンター、工場など、世の中のあらゆる建築物に、私たち菊水化学の塗料が使われ、街を明るくしています。これまでにも下地から仕上げまでにわたる多種多彩な製品を送り出してきましたが、時代の変化や技術の進歩もあって、よりよい建築塗料を求める声がやむことはありません。お客さまのニーズを受けて、既存製品の品質改良、あるいは、新たな塗料の開発に日々取り組むのが、技術開発職の仕事です。

例えば、私がこの数年開発に携わってきたのは、需要が増している住宅の改修などに使われる水系クリヤー塗料です。クリヤーは、壁面のデザインを残したままコーティングすることができ、紫外線などから建物を守ります。近年の環境への配慮の高まりや、施工時の匂いや安全面の声から、溶剤系ではなく、成分の大半を水が占める水系塗料の開発を行いました。

新たな塗料を生み出す上で、「なにを、どの割合で、どうやって組み合わせるか」という選択肢は無限にあります。配合を考えて試作し、課題を洗い出して、ひとつずつ解決していきます。期待通りの機能がすぐに出ることはなく、ほんの少し配合を変えるだけで大きく機能が変わることもあります。さらに、塗料は建物に塗られて完成するものであり、「誰が、いつ、どこで、どの基材に、なにで塗るのか」を考えなければいけません。保管する場所や施工する地域の環境や天候によって仕上がりや性能が左右されないように確認する必要があります。決して簡単ではありませんでしたが、先輩や同僚に支えて貰いながら、大きなチャレンジを完遂することができました。世の中に商品を出すという事には責任が伴い、生みの喜びと苦しみがありますが、貴重な経験を活かし、臆することなく新たな挑戦をして行きたいと考えています。

SDGsという言葉をさまざまな業界で耳にすると思います。関心のある方も少なくないでしょう。私は今、環境共生時代のニーズを受け止め、SDGsに配慮した塗料の開発に関わっています。持続可能な社会を建築塗料で支えるのが次のチャレンジです。(都築さん)

菊水化学の職場

「各々が担当するテーマによって、身に付く知識は異なります。お互いの強みを活かして相談し合える職場です」と都築さん。

新たな素材と技術で塗料を改良。多彩な製品を着実に進化させていく。

私は、主に住宅関係の製品を扱うグループに所属しています。ハウスメーカーのニーズをもとに、既存の塗料の改良に携わってきました。塗料の配合を変えて試験し、より良いものに進化させています。

2年目に入って任せられたテーマは多彩塗料の改良です。一色では単調になってしまう壁面が、カラフルな色の粒が混ざった塗料によってデザイン性の高いものに仕上げられます。私が担当している多彩塗料の色粒は化学ゲルを用いています。この製品の最も大きな課題は色粒の改良です。ただ着色されたゲルを作るだけでなく、塗装時に粒が壊れることのないゲル、且つ塗料として存在できるゲルでなくてはなりません。少し配合を変えただけで化学ゲルは硬さも大きさも変わってきます。色々な塗装方法で塗りたいという要望もありましたので、複数の塗装方法が可能な配合を考えました。一目で見分けられる変化ではないかもしれません。でも、使いやすさが向上するなど、確実により良いものになっています。そんな改善の積み重ねに知恵を絞るのが私の仕事です。

さまざまなテーマと向き合う中で、まだまだ知らないことも多く、経験も足りないと感じます。学生時代に身につけた化学の知識を活かしつつ、入社してからたくさんの新たな学びを得ました。経験豊富な先輩ばかりで、分からないことがあればみなさん優しく教えてくれます。いつも的確なアドバイスをもらえる、納得して働ける環境です。

私は「対象となるものを美しくする製品」に興味があり、この会社に出会いました。自分がメインで関わった塗料を、町で実際に塗装されているところを見ることができるのは、大きなやりがいになります。これからもっと知識をつけ、技術を磨いて、高性能な製品を生み出していきたいです。(中尾さん)

菊水化学の職場

「就職活動の際にすごく丁寧な説明とやりとりをしてもらえました。安心して働ける職場だと感じた印象は、実際に働く今も間違っていなかったと思います」と中尾さん。

菊水化学の職場

開発に悩んだ人がいれば、先輩や同僚が相談に乗り、一緒に解決策を探る。そんな場面も日常茶飯事で、実験好きな頼れる仲間と仕事ができる環境だ。

企業研究のポイント

企業研究をする際には、最初から絞り込み過ぎずに、視野を広げてみてください。みなさん、それぞれに「こんな企業で働きたい」「こんな仕事がしたい」という想いがあるでしょう。こだわりを持って仕事を選ぶことはもちろん大切です。ただし、その想いを叶えられる場所は、思っているよりもたくさんあるかもしれません。
例えば、「暮らしに寄り添う仕事がしたい」「社会に貢献する仕事がしたい」と考えているとしたら、私たち菊水化学の仕事はその想いを叶えられる場所です。私たちが生み出す塗料は、住まいを長く安心して暮らせるものにする重要な役割を果たしています。その点では、暮らしに寄り添っているし、社会を安全で快適なものにして社会に貢献をする仕事といえるのではないでしょうか。もしかしたら、今はまだみなさんの目に止まっていないかもしれませんが、「こんな仕事もあるんだ」と気づけば、企業研究をする業種の幅が広がるはずです。インターネット上など、各種メディアには情報があふれています。まだ知らない世界にも積極的に目を向けてみることをオススメします。

PHOTO
「菊水化学は、縁の下の力持ち的な役割を果たしている会社です。今まで見えなかった仕事との出会いは企業研究の醍醐味。新しい発見をしてください」と人事担当の六鹿さん。

マイナビ編集部から

「どんな場所で保存するかも考える」
「暑い地域と寒い地域、どちらでも問題なく塗れるものにしたい」
そんな話を聞いて、塗料ができるまでに越えるべきハードルの多さ、そして、製品としての奥深さに驚いた。正直、きれいに塗り上げられた家の壁を見て、そこまで緻密な開発の裏側を想像したことはなかった。着色だけでなく紫外線対策や遮熱効果など、建築塗料が果たす役割の大切さを多少なり理解している気でいたが、理解するほど面白い世界がまだまだあるものだと、今回の取材を通じて強く感じた。
また、そんな塗料ができるまでには、開発者の重ねる試行錯誤のプロセスがある。どのように仮説、試作、検証を繰り返すのか。新たなものを生み出すことが好きだという人にとって、興味深い世界と出会える企業だといえるだろう。

環境への配慮が叫ばれる中、建築塗料へのニーズもまだまだ変化し、それに応じた開発がなされていくものと思われる。人々が暮らす住環境を塗料の力で変え、社会に貢献する。これまでこの仕事に目を向けていなかった人ほど、その可能性をぜひのぞいてみてほしい。

PHOTO
65年の歴史を持ち、塗料の製造だけでなく施工まで担う特徴的な事業を展開してきた菊水化学。塗料のさらなる可能性を拓く研究に若手もどんどん携われる。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

トップへ

  1. トップ
  2. 菊水化学工業(株)【東証スタンダード市場上場】の取材情報