最終更新日:2025/6/10

(株)GSIクレオス

  • 上場企業

業種

  • 商社(アパレル・ファッション関連)
  • 商社(機械・プラント・環境)
  • 商社(化学・石油・ガス・電気)
  • 商社(薬品・化粧品)

基本情報

本社
東京都

取材情報

学生時代の学び・経験、どう活かせている?

培った語学力を駆使して、世界にホビー製品の楽しさを伝える

PHOTO

大きなチャンスがつかめるGSIクレオス

多彩な事業を営んでいるGSIクレオスで、松田さんはプラモデルに関連する自社ブランドに携わりながら、日本のみならず世界市場の開拓に勤しんでいる。飛躍しつづける松田さんの仕事に迫ってみた。

松田 光司
ホビー部グローバル事業課
外国語学部中国語学科卒
2013年入社

大学時代は中国語を専攻。在学中、中国のハルビンに長期留学し、多国籍のクラスメイトとともに中国語を本格的に学習した。別部署を経て、現在所属しているホビー部ではプラモデル関連製品を扱う自社ブランドの企画から開発、製造、販売の全てに関わっている。

学んできた中国語が、配属後1週間で早くも生かされた

私は中国で生まれ、10歳頃まで現地で生活していたこともあって、日常会話レベルの中国語は身に付けていました。しかしながら、中国語を駆使して深く会話するレベルには達していなかったことから、大学では中国語を専攻。在学中には中国へ2度の留学を経て、語学力を身に付けました。

就職活動では中国語の語学力が生かせる商社を志望。GSIクレオスは国交正常化前の1961年から日中友好商社として日本と中国の懸け橋となっていると知り、ここならば深く中国と関わることができると興味を持ちました。選考中には若手社員との座談会が行われ、年齢関係なく責任ある仕事を任せられている先輩の姿がキラキラと輝いており、私もこの環境で己を磨き上げたいと入社を決めました。

最初の3年間は工業製品事業戦略室に所属。工業製品にかかわるすべての営業部門の数値管理をしつつ、営業支援用の資料を提供する業務を行っていました。また、中国語力が認められ、各部署の翻訳や通訳などの業務もしていました。

配属してからわずか1週間で、1日の半分以上は中国語で電話やメールをするようになり、5月には商談の通訳として国内の出張に出かけるなど、語学力を生かしたいという私の望みは早くもかないました。しかし、語学ができても商売がわからないという部分はやはり大きな壁でしたので、先輩にサポートしてもらいながら、一つひとつ知識を積み重ねていきました。

関係会社のヘルプとして花火の輸入に携わった際には、中国への出張を経験しました。現地の花火職人の街では、毎年、新製品を査定する「燃焼会」が開かれ、さまざまな角度からの商談が始まります。この時、今まで培ってきた語学力を生かすことができ、とてもやりがいを感じました。工業製品事業戦略室時代は、本当に多岐にわたる仕事に取り組みました。慣れないところもありましたが、様々な商社業務を経験したことで、多角的な視点を持つことができたと実感しています。

松田さんは配属後すぐに中国語を駆使した仕事に挑戦することができた。力のある人材にチャンスを与え、さらなる成長に導くのがGSIクレオスの流儀である。

自社ブランドの商品企画から製造、販売までを総合的に担う

私にとっての転機は、工業製品事業戦略室時代にホビー部の上司と台湾のプラモデルメーカーに出張したときのことでした。通訳としての同行でしたので、専門用語を入念に予習し現地入りしたところ、中国語での会話の中で問題が浮き彫りになりました。今まで、お互いに第二言語である英語で会話をしていたため、認識の食い違いが多数発生していたのです。それらを一つ一つクリアにすることで、より良い商談になりました。この出張で、私の中国語力が役に立ったと実感しました。

この案件をきっかけに志願してホビー部に異動。以来、プラモデルを作る上で欠かせない塗料や塗装用具、接着剤、工具など、あらゆるアイテムを提供する自社ブランドの『Mr.HOBBY』の運営に携わっています。ホビー部は商社でありながらメーカーとしての色合いが濃く、商品の企画と開発を行い、サプライヤーと協力して生産し、日本全国のみならず世界に向けて販売していくビジネスモデルを取っています。

異動直後の私は、国内向けの販売を担当しつつ、並行して生産管理や輸入業務などにも取り組んでおり、取引先の新店舗開店時には棚作りを手伝い、ユーザー向けのイベントで自ら講師となり各商品の特性を解説することもありました。取引先さまのコアな質問に回答することもあり、当初はプラモデルに関する知識が足りずに苦労した時もありましたが、関わる人の多くがプラモデル好きなので、情熱を持ち仕事に取り組んでいる姿に刺激を受けました。好きという気持ちからあふれでる、明るく楽しい雰囲気はとても心地いいものです。

ホビー部では、営業担当者が商品開発を行っており、定期的に開催される企画会では各自がアイデアを持ち寄り新商材の姿を模索します。あるユーザーから「Mr.HOBBYの商品でプラモデル作りを全て完成させたいのに、この商品だけないのが残念」とのお声がありましたので、生産販売出来ないかと企画を提案。しかし、競合他社があまりにも強い分野だけに、当初は前向きな意見が聞こえてきませんでした。ただ、ユーザーの声を想うと、どうしても諦めたくなく約1年の時間をかけ、満足のいくサプライヤー探しに奔走しました。時間はかかりましたが、低コストでより良い品質を実現できるサプライヤーを見つけることができ、改めて社内プレゼンに臨んだところ、「そこまで熱意を持っているならばやってみよう」と、生産販売に進めることができたのです。

プラモデルファンの間ではGSIクレオスといえば、『Mr.HOBBY』の名が真っ先に上がる抜群の知名度を誇る。プラモデル本体に関しては海外からの輸入品を扱っている

世界に向けて自社ブランドを広めていきたい

生産販売が決定後、私はその商品のメイン担当となり、デザインや仕様も私の判断で決めました。商品を作り上げるには必要資材の数だけ取引先が存在するため、多くの人とコミュニケーションを取り調整していくシーンが多かったのですが、その際も商社の営業として培ってきた力が生かせていると感じました。

発売日にはこっそり小売店をのぞいて、商品が並んでいる様子を確認。お客さまが手に取ってレジに持っていく姿を見た瞬間、鳥肌が立つ程うれしくて、思わずその場でガッツポーズしてしまいました。その商品は低価格で品質も良いことから売れ行きも好調で、今や当社の定番商品として位置付けられるまでになっています。諦めない気持ちを貫いて、根拠を持って提案していけば、若手であってもアイデアを形にできる。まさに当社では多くのチャンスをつかむことができるのです。

現在はグローバル事業課に所属し、海外に自社製品を輸出するビジネスに取り組んでいます。世界でもプラモデル愛好家は増えており、特に新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要により、爆発的といってもいいくらいに伸びを見せています。私は中国や台湾、東南アジアといった国々との取引を担当しています。コロナ禍で現地には行けませんが、ウェブミーティングを重ねながら海外の市場に向けてMr.HOBBYの名を、製品の良さを売り込んでいるところです。

今後はMr.HOBBYを世界的なブランドに育て上げるのが私の目標です。模型業界はまだまだ世界的には小さな市場ですが、その魅力を広く世界に発信することで、初心者からベテランまでが楽しめるような商品開発や販売戦略を実践していくつもりです。特に中国市場は潜在力を秘めているだけに、私自身が日本と中国の懸け橋となってプラモデルの価値を広めていきたいと考えています。

困っていたら全力で助けてくれる上司や先輩がそろっている。松田さんもサポートを受けつづけてきたからこそ、後輩に対しても率先して救いの手を差し伸べたいと思っている。

企業研究のポイント

私が好きな言葉に「好きこそ物の上手なれ」ということわざがあります。世の中には“好き”と感じる物事を抱えていても、「自分には向いていない」「知らない世界だから」と諦めてしまう人が少なくありません。しかし、好きという力によってやる気が生み出され、上達への道が近くなっていくもの。臆せずに挑戦をしていけば、おのずと道は開けると信じて頑張ってほしいと思います。

とはいえ、誰もが好きなことを仕事にできるわけではないのも事実。もし、想像していなかったジャンルに足を踏み入れたとしても、まずは行動をしてみるようにしましょう。実際に手掛けているうちに“好き”と思える部分を発見できるようになり、結果もおのずとついてくるのではないでしょうか。

私も若手時代の3年間、想定外の多彩な業務に向き合っていきましたが、次第にそれぞれの仕事の面白さに気付くようになりました。経験していく中で好きになれる瞬間はきっと訪れる。そう確信しています。

企業研究では悩むことも多いと思いますが、自分が歩みたいと思った道へ積極的にチャレンジしてみてください。

PHOTO
「コロナ禍で難しいところがありますが、学生時代は見たことのない景色に触れ、困難を乗り越えながら、新しい物事をどんどん吸収していってください」(松田さん)

マイナビ編集部から

1931 年に創立されたGSIクレオスは、100年に迫るその歴史の中で、時代のニーズを先取りする多彩な商材を取り扱ってきた。現在は各種糸・生地、インナー・アウター製品などの「繊維」分野、機械や半導体、ケミカル、カーボンナノチューブなどを網羅する「工業」分野という系統が異なる商材を幅広く扱っている。多彩な分野に軸足を伸ばしているおかげで、時代が変化しても揺るぐことのない盤石の経営基盤を有するに至っている。

取引先には著名ブランドやメーカーが名を連ねており、世界に通ずるダイナミックなビジネスが多い。実際、海外売上高比率は60%以上に達し、社員の約10人に1人が海外駐在をしているそうだ。取材に応じてくれた松田さんも日常的に中国や台湾と取引をしており、まさにグローバルが身近にある会社だというのがよく伝わってきた。

2022年12月には本社を港区芝公園駅近くのビルに移転。フリーアドレスを採用して、部署の垣根を超えてコミュニケーションしやすい環境を整えた。人事評価は、性別や年齢等は関係なく、成果実力主義であり、海外駐在員として頑張っている女性総合職の姿も見受けられる。世界を股にかける商社パーソンとして、縦横無尽に自分を高めていけるチャンスが、GSIクレオスには確かに存在している。

PHOTO
繊維と工業製品という2つの武器を駆使して、世界中に活躍の場を広げているGSIクレオス。平均残業時間は月10時間程度と、ワークライフバランスの取れた職場。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

  1. トップ
  2. (株)GSIクレオスの取材情報