最終更新日:2026/2/17

(株)ワタザイ

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 建設
  • インテリア・住宅関連
  • 建築設計
  • 空間デザイン

基本情報

本社
福島県

取材情報

記事で読む社会科見学

長く積み重ねてきた木を活かす経験。建物のモノづくりを支える技術。

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循環資源として、再び注目される木材を活かす経験と技術。

木材を利用した内装工事に取り組む、福島県郡山市のワタザイ。木材への知見を生かし、幅広い建物を手掛けている。その経営に当たる副社長と現場を支える若手に、自社事業と世の中との接点について話を聞いた。

◆取締役副社長:渡辺秀樹さん
福島県須賀川市出身。慶應義塾大学経済学部経済学科を卒業後に専門学校で建築を学び、1982年に東京都内の内装工事会社へ入社。5年間修行した後、1987年に家業であるワタザイへ移った。設計、工事、営業を経験後、総務部を経て、2013年から取締役副社長を務めている。

◆主任:渡辺優介さん
福島県郡山市出身。京都大学大学院工学研究科を卒業し、IT企業に1年ほど勤務。その後、地元に戻る形で2016年に入社。工事部工事1課で施工管理に散り組み、ホテル、病院、商業施設などを手掛けてきた。経営を担う将来も見すえ、2021年には主任に昇格。後輩のサポートや上司のフォローにも力を注ぐ。

木工事の長い経験をもとに、新たなモノづくりにも取り組む。

当社は木材を使った建築内装業に取り組んできました。大手ゼネコンなどが手掛ける建物のなか、木材を使った内装工事を手掛けています。東日本大震災・原子力災害伝承館、栃木県日光市新庁舎など公共建築から民間施設まで、主に東日本を中心にさまざまな建物に関わってきました。

当社の強みは、木材に関する高い技術やノウハウを有していることでしょう。木材の調達から加工仕上げまで豊富な経験が自慢です。例えば、木材の調達は大量かつ安価に仕入れることでなく、お客様の課題やご要望をかなえる素材や工法などについて幅広い選択肢を提案できることが大事です。合わせて自社内に木材加工場も所有し、部材製造を効率化、迅速化することで数多くの引き合いをいただいてきました。

ものづくりの現場を自社工場に内製化しているのは、長い経験から受け継がれてきた木工技術を維持することにあります。日本では、寺社建築をはじめ、長い間、木造建築が主で、多様な木材加工技術がありましたが、現在では標準化や工業化が進み、手間のかかる木工加工は敬遠されてきました。合理的な木材利用は大歓迎ですが、標準化などコストダウンの方向に一方的に進んでいる気がします。コストダウンの提案競争ばかりでは、均一な材料や加工に落ち着くだけで、多種ある木材の多様な利用による豊かなたたずまいを実現し切れないし、そうした空間を望むことさえ少なくなった。私たちは、多様で豊かな木材の可能性を維持し提案していきたいと考えています。

設計企画段階で、発注元や設計事務所の方から、アドバイスを求められ、設計協力することも少なくありません。建築設計のクリエイティブな発想をどう具体化していくか、素材や加工技術等の実務的な協力が、当社に求められる大切な役割です。
社員の育成にも積極的に取り組んでいます。1人ひとりの実績や業務改善を共有するTASK活動。年2回、担当現場で挑戦した技術や不具合再発防止等、実績発表会です。技術育成支援には、毎月の手当とともに一時金も支給される資格取得支援制度といった仕組みもあります。

私のモットーは、「明るく元気に礼儀正しく!」。明るく前向きに働ければ、周囲からの協力が得られるはず。礼節を身に着ければ、人としても成長していけると思います。
(渡辺秀樹/取締役副社長・1987年入社)

ワタザイで働くためのさまざまな労働環境

「従業員の育成に力を入れている」と話す渡辺副社長。資格取得支援制度では最大60万円もの一時金を出し、安心して働き続けられるよう確定拠出型年金の積立も行っている。

木材のあたたかみや風合いを効果的に使い、発注元や設計士が目指すたたずまいを形に。

工事部工事1課の主任として現場での施工管理に取り組んできました。ホテル、病院、商業施設などの幅広い建物に携わってきましたが、県内外を問わず各地の建物に関わるのが当社の特徴です。地元の郡山市では大規模な農産物直売所、県外ではアイスバーで知られる食品メーカーの本社ビルなどに関わりました。
当社業務の魅力を挙げるなら、幅広い範囲に関われることでしょう。木工に特化しているという業態もあり、設計打ち合わせ、資材手配、施工まで一貫して携われる形です。一連の流れを経験できることで、目的に合った提案や他の工程に配慮した進め方が可能となるのです。

業務の中で認識しているのは、さまざまな立場の方とやり取りしなければならないという環境。主な相手だけでも発注元であるゼネコンの方、設計士、施工を行う職人、各分野の専門技術者などが挙げられます。大きな建物を形にするには、周囲といかに協力し合うかが大切です。
そのためには互いの担当分野をどう進めるのか、情報共有が重要になります。立場の異なる方との打ち合わせでは、分かりやすく伝えることが不可欠。事前に説明資料を準備し、疑問を投げ掛けるだけでなく、あらかじめ相談するなどしてスムーズな進行を図っています。

私たちが携わる建物はこうして形になっていきますが、どんな建物もただ完成すればいいという訳ではありません。当社が手掛ける建物は、そのほとんどが大勢の方に利用されるもの。逆に言えば、大勢の方にとって心地よい建物であることが求められるのです。そういった場合に有効なのが、私たちが取り扱う木材です。木材はあたたかみを感じさせ、人々をほっとさせる素材。木目があしらわれているかどうかで、建物や空間の印象も大きく変わるのではないでしょうか。

現在ではSDGsの観点からも木材が注目されていると感じます。木々は成長する中で炭素を吸収し、伐採された後も炭素を内包。しかも伐採後には新たに植林されるため、環境負荷の少ない循環資源と言えるのです。
当社が手掛ける建物は、こういった側面から世の中を支えています。人々や地球環境に優しい空間づくりを通し、みなさんの暮らしと関わっているのです。
(渡辺優介/工事部工事1課主任・2016年入社)

ワタザイで働くためのさまざまな労働環境

東北や関東で複数の現場を抱え、各地を行き来している渡辺主任。ワタザイの社風については「施工管理の担当範囲が広いからか、1人1人に任せてくれる傾向が強い」と話す。

企業研究のポイント

企業研究では長く続けられる仕事かどうかを考え、さまざまな情報を検討することも重要です。経済環境が大きく変化する昨今、仕事の将来性なども見極めのが難しいと思います。最新技術が、数年で次世代技術に置き換わることも稀ではない時代です。建築の仕事は、人が建物で暮らす限りなくなりません。特に木は、長く人の住処として利用されてきた材料であり、循環資源として見直されていて、今後もますます利用されて行くものと考えています。そうした素材を利用して建築を豊かにできる意義は少なくない。3次元CADから木材のNC加工にと新たな技術も進化が期待されているところです。自分のキャリアアップ、スキルアップにも大いにつながっていくと思います。
(渡辺秀樹/取締役副社長)

企業研究では業種に注目して企業をピックアップする場合が多いかもしれません。しかし個人的には目当ての業界や業種よりも、やりたい仕事にどれだけ取り組めるかに注目すべきだと思います。望んだ業界や業種でも、望まない業務にしか取り組めないのでは長く働き続けることも難しいでしょう。
自分の大学生時代を振り返ってみれば、もっと多くの企業を見ておけばよかったと感じます。多数の企業について調べられるのも恐らく学生時代のみ。幅広い業種について研究してもらえればと思います。
(渡辺優介/工事部工事1課主任)

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業界内では、いわゆるサブコンに分類されるワタザイ。建築の木材を使う内装工事を担当し、旅館、ホテル、病院、福祉施設、学校、体育館、音楽ホールなどを手掛けている。

マイナビ編集部から

今回の取材で感じたのは、自分たちの技術やノウハウに自信を持っている会社だということだ。新しい技術や考え方に目が向きがちな世の中だが、長い年月を掛けて現代に受け継がれたものの価値を確信していると感じられた。だからこそ引き合いも尽きず、多彩な建物に関われるのだろう。
ものづくりの世界では効率化が避けられないが、その一方で技術の多様性が失われるリスクもあるという。それによって課題解決や目的達成が図れなくなるという危険性も、ひとつの発見だった。特に建築や木材の分野では彫刻など表現に関わる部分も多いため、素材選びや加工技術の選択肢が重要になるのだろう。

印象的なのはそういった古くからの技術を基盤としつつ、ICTやDXによるさらなる進歩も見すえていることだ。受け継がれたノウハウに新たなテクノロジーが加わることで、どんな発展を遂げるのかにも興味を覚えた。
そんな伝統と革新を合わせ持つ姿こそ、ワタザイの特徴なのではないか。100年以上の歴史を持つ企業だが、伝統を重んじる雰囲気は強くない。創業精神や企業理念なども打ち出されていないようだった。
対照的な価値観が混在する企業だからか、業態としても建築内装業でありながら自社工場を抱えるなどメーカーのような雰囲気をたたえている。明確な専門分野を持ったこういう企業でこそ、妥協なく木を活かすものづくりの世界を追求できるのだろう。

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自社工場を有するなど、建築業界にありながら製造業的な面を合わせ持つ点が特徴。職人気質的な空気もあるが、基本的には明るく風通しのいい職場づくりを進めているという。

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