最終更新日:2026/5/25

(株)ジェイ・エム・エス(JMS)

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東京都、広島県

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プロジェクトストーリーを紹介したい

「超多数個取りを実現せよ」~挑戦の先に見えてきた希望

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“ないものは自社で創る”その精神が今までにない製品を生み出す

JMSで現在進行しているプロジェクト「超多数個取り金型の製作」。そのキーパーソンであるお2人に、プロジェクトの概要、そしてJMSだからできることを訊いた。

(写真:中左)
千代田工場 合理化機械課 課長/古家 修(※取材当時)
(写真:右)
千代田工場 合理化機械課

射出成形による超多数個取りに挑む。そこには大きな壁が!

金型によるプラスチック製品の成形は、手作りチョコレートに例えると分かりやすいでしょう。チョコレートを溶かし、型に流し込み、冷やし固めて取り出すと、型通りのチョコレートができます。プラスチックも同じです。金属で出来た金型に樹脂を流し込み、冷やし固めて取り出します。この製造法を「射出成形」といいます。射出成形は精密品の成形が可能で、一度金型を作れば同じ品質のものをくり返し製造できるのが大きなメリットです。さらに、1つの金型から取り出せる数が増えれば増えるほど、生産コストを低減させることができます。現在、私たちが開発に取り組んでいる「超多数個取り金型」は、一度に192個の製品を取り出すことを目指しています。

ただ、製造する個数を増やそうとすると、そこには大きな壁が立ちはだかりました。それは、均一に樹脂が配分されないという問題です。「超多数個取り」を実現するためには、この課題を解決しなければなりませんでした。

超多数個取り金型製作への道

射出成形によるプラスチック製品づくりは、手作りチョコレートの工程とよく似ています。溶かした材料を型に入れ、冷やし固め取り出すと完成します。

解析→実験→検証 課題解決に向けてトライ&エラーを何度も繰り返す

原料のプラスチック樹脂は、ランナー(管)を通って金型へ流れ込みますが、一度に8個取れる金型と32個取れる金型を比較したところ、数が多いほど樹脂の入り方にばらつきが生まれたのです。その理由を探ると、ランナー内部の温度が関係していることがわかりました。流れる樹脂の内部を断面図で見ると、中心部の温度は低く、外周部の温度が高い。その状態のまま樹脂が分岐して流れていくと、温度の偏りが広がっていく。これがプラスチック樹脂の充填バランスを崩し、バラつきが生まれていたのです。これを解決しなければ、192個取りを実現することは困難です。

そこで私たちは、これまで蓄積してきた経験や知識をベースに、コンピュータで何度も解析を行い、樹脂の挙動予測を繰り返しました。しかし、192個取りという今までにない複雑な金型が対象であるため、なかなか解析による理論上の予測と実績が一致しません。解析ソフト上でランナーの形状を何度も検討し、試作の金型をつくり検証を続けました。その数は数十パターンにも及びました。最適な答えに向かって愚直に予測と検証を重ね、さまざまなアイデアを落とし込むことで、少しずつ解析に近い結果を得ることができるようになっていきました。一足飛びに正解にたどり着こうとするのではなく、時間をかけて粘り強く予測と検証を繰り返したことが、課題解決につながったと自負しています。

超多数個取り金型製作への道

距離が等しい複数のバケツ(金型)に対して、バケツを増やしても水なら同じ量が溜まりますが、樹脂ではバラつきが生まれます。

“意見は否定しない” ベテランと若手が一体となってゴールに向かっていく

そもそもこのプロジェクトは「現在保有する設備を最大限に活用し、なおかつ品質を維持しながらコストダウンを図りたい」という製造現場からの要望が出発点でした。この金型を使用して生産する製品は生産数が多いため「超多数個取り」が実用化できれば原価低減に大きな効果を発揮します。しかし「超多数個取り」が可能な金型は製作したことがなかったため、社内にはノウハウがありませんでした。そこで、製造側の要望をしっかりと受け止め、次々に現れる課題をプロジェクト内で共有し、個々の課題に対して徹底的に改善策を練っていきました。

現在、金型完成に向けて最終調整を重ねている段階です。このプロジェクトに関わっている社員は十数名、ベテランから若手社員まで幅広く在籍しています。意識しているのは、メンバーから出る意見を決して否定しないこと。なぜなら、ベテランが持つ知識や経験と若い人の発想力、それらが一つになったときにはじめて素晴らしい結果が生まれると信じているからです。課題をクリアした金型が完成すれば、必ず大きな成果につながるという確信を持っています。JMSには「自社で全部作ってみよう」という精神が息づいており、それが、私たちの強みだと考えています。苦労や葛藤は多々ありますが、たとえ失敗してもそこで蓄積された知識やノウハウは、その後の改良開発に必ず生きてきます。こうした想いに共感する人と、一緒に仕事をしていきたいですね。

超多数個取り金型製作への道

ランナーの内部温度の変化の様子。分岐が多くなればなるほど、内部温度に差が生じ、樹脂の流入量が変わってしまいます。

学生の方へメッセージ

お客様のニーズに応じて、開発・製造し、提案する。実に多くの取り組みが相互作用を起こしながら、発想がカタチになりお客様に届く製品になる。それが私たちの仕事の醍醐味です。

では、どういったニーズがあるのか。例えば、注射針であれば患者様が痛くないもの、そして医療従事者の方が使いやすく間違えにくいものが求められます。単純な袋ひとつとっても、開けやすいかどうかなど検討すべき点は多々あります。
こうしたものづくりに対して、新入社員の皆さんもチームの中に入ってもらいます。製品の知識、製造設備の知識、先輩とのつながりなどを得るために、開発から製造までさまざまな部署を経験し、自分が使える「道具」や「武器」を増やしてもらいます。そして何より、若い皆さんは柔軟な発想力を持っています。既存のものに対して「こうもできるのでは」と思いつく、その発想を私たちは大切にし、改良開発につなげています。

ものづくりは最後までやりきる気持ちが大切です。最初から無理だと思うのではなく、チャレンジする気持ちを持ってください。就活でも、自分が気になることや興味を持ったことを、少しずつ深堀りしていけばいいのではないでしょうか。JMSはそのチャレンジ精神を受け止め、自由に発想を広げていくサポートを惜しみません。
(生産管理部 部長/松本 賢太郎 ※取材当時)

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「工場では自働化も進んでいますが、そこに至るまでには人間の魂が込められています。よりいいモノをつくりたいという想いが大切です」(生産管理部 松本部長)

マイナビ編集部から

総合医療機器メーカーとして、世界中の医療現場を支えているJMS。海外にも複数の生産・販売拠点を持ち、世界数十の国と地域に自社製品を届けている。

JMSは、1965年に日本初の完全ディスポーザブル輸液・輸血セットを販売するなど、いわゆる“使い切り医療機器"の先駆者として業界をリードし続けてきた。さらに、血液透析、腹膜透析、人工心肺など時代の先端をいく医療機器の開発に挑み、特に経管栄養療法を行う際に使用する経口・経腸栄養システム器具の分野では、業界をリード。近年では、注目を集める「再生医療」をサポートする研究にも取り組んでいる。医療の未来をグローバルな視野で見据えながら、新たなイノベーションに果敢に挑戦している。

そんなJMSの躍進の背景には、創業者・土谷太郎が提唱した「かけがえのない生命のために」という創業精神がしっかりと息づいている。いつでも医療を必要としている人のために、課題を探し何ができるのかを多面的に考えチャレンジする。それが、オンリーワンの技術・製品を多数生み出す原動力となり、今の会社の成功を支えている。挑戦する心、その想いを抱いていれば、会社はきっと応えてくれるはずだ。

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「医療現場の抱える問題を解決したい」という共通の想いのもと、ベテランから若手まで一丸となってゴールを目指しています。

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