最終更新日:2025/6/1

伊藤忠メタルズ(株)【伊藤忠グループ】

業種

  • 商社(鉄鋼・金属)
  • 商社(電子・電気機器・OA機器)
  • 商社(機械・プラント・環境)
  • 商社(自動車関連・輸送用機器)
  • 商社(建材)

基本情報

本社
東京都

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

鉄スクラップ資源の循環を、ダイナミックに支えていく

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SDGsやカーボンニュートラルの実現にも貢献

メタルの総合商社である伊藤忠メタルズは、伊藤忠商事が営んでいた鉄スクラップ事業を継承した企業でもある。資源循環型社会を推進するためにも欠かせないこのビジネスについて、小池さんに詳しく伺った。

小池 洋司さん
金属原料事業部 金属原料グループ
経済学部国際経済学科卒/2012年入社
※所属・仕事内容は取材当時のものです。

グループの力を駆使して、鉄スクラップの循環に勤しんでいく

入社以来、一貫して「鉄スクラップ」に関わる事業に携わっています。鉄を加工する生産工場や建物の解体工事現場では、不要になった鉄スクラップが数多く発生します。当社ではそれらを全国の仕入れ業者から集めた上で加工業者に販売し、まずはスクラップから利用できる状態の鉄に再生してもらっています。加工業者が作った鉄は改めて当社が買い上げ、担当するメーカーに販売。原料であるスクラップを確保し、鉄の材料として利用できるまで加工し、最終ユーザーに届けていく──まさに鉄スクラップの商流の入り口から出口までを総合的に支えているのです。

さらに言えば、鉄スクラップは電炉で溶解していくので、必要な電極、鋳造する際に欠かせないモールドといった副資材の販売も当社の守備範囲となります。鉄スクラップのあらゆる部分に関わっているのは商社らしいところです。

当社の場合、伊藤忠商事のネットワークを駆使して、100社の仕入れ先と連携。もちろん、それ以外の事業者とも細かく取り引きを展開していますので、鉄スクラップを安定して供給できる体制を整えています。ちなみに私たちが鉄を収めたメーカーが作った製品は、伊藤忠グループの別の専門商社が購入しています。鉄スクラップを世の中で循環させていく大きな流れがグループ内で生まれているのです。

SDGs、カーボンニュートラルの実現という意味でも、資源を再利用する鉄スクラップには注目が集まっています。私自身、10年以上のキャリアがありますが、環境負荷の軽減が問われるようになったこの数年、肌感覚ながらも業界自体の規模が大きくなっていると感じています。商圏も広がっているという手応えを得ており、今の時代にますます欠かせない存在になったと自負しています。

小池さんの仕事最前線

「仕事を楽しむという感覚を持つ人が社会人として伸びるはず。そんなタイプが増えれば私も刺激を受け、お互いを高め合えるはずです」と小池さん。

関わる多くの人たちに、真摯な姿勢で向き合いつづける

私自身の就職活動を振り返ると、当初は証券会社や銀行などの金融業界を目指しており、なんとか内定も獲得して一度は就職活動を終えていました。しかし、ふと別の業界を知ってみたいとの思いが湧き上がり、それまでは視野に入っていなかった商社やメーカーなどを幅広く検討。そのなかで出会ったのが伊藤忠メタルズでした。選考プロセスが機械的な会社も少なくないなかで、当社の場合、採用担当者が親身になって相談に乗ってくれて、人とのつながりを大切にする会社だというのがよく伝わってきました。新しい人材に対してウェルカムな雰囲気も漂っており、ここならば安心して働けると入社を決めました。

金属スクラップの知見は全くないまま入社しましたが、配属後1週間で先輩と一緒に外回りに出かけ、2、3カ月後には担当メーカーを持って交渉の最前線に立つことに。見た目が同じように見える鉄スクラップですが、実は種類や特性が細分化されており、メーカーによって向き不向きも存在します。そうした知識面の獲得には苦労させられましたし、仕入れ先や加工業者などコミュニケーションをとるべき相手が多く、毎日が試行錯誤の連続でした。

それでも2、3年目頃には、お客さまとの関係性も深まり、「1週間後に鉄スクラップを300トン追加したい」「ある品種だけ特化して集めたい」といったさまざまな要望に対して、自分なりに内容を消化して理解し、要望をかなえる方法を構築していけるようになりました。条件の厳しい仕入れもありましたが、歴代の担当者が信頼関係をしっかりと構築してきたからこそ、仕入れ先にも柔軟に対応してもらえたのがありがたかったですね。

次第に自信も深まり、2社ほどの担当メーカーに関しては、歴代1番に近いくらいの取引量を達成した時期があります。特別なことをしたわけではありません。まずはお客さまの状況を把握するべくキメ細かなコミュニケーションをとり、仕入れ先などの関係各所の情報を隈なくキャッチしながら、お客さまの“売りたい”“買いたい”タイミングを逃さずに素早く対応していくのを心掛けました。お客さまのもとに直接伺い、こまめに訪問して地道に足で稼いできた信頼が数字に結び付いたとも感じています。

小池さんの仕事最前線

本社オフィスでは190名程度が勤務しており、部署の垣根を越えて連携しながら課題解決に勤しんでいる。小池さんもスクラップ以外の担当の意見に大いに刺激を受けている。

海外担当となり、自分の視野が広がっていると実感

従来は国内企業の担当だったのですが、2020年からは鉄スクラップの貿易担当となりました。日本は鉄スクラップの余剰国に位置付けられており、貿易という意味では輸出が主となります。一方で鉄鋼メーカー向けの原料や銑鉄、コークスなどに関しては輸入も手掛けていますし、日本以外の別の国同士の貿易である三国間取引などにも携わるなど、多角的な視点からビジネスを展開しています。

鉄スクラップの輸出はかつて韓国向けが主体でした。ただ、この数年、東南アジアの発展を受けて特にベトナムの需要が伸びてきました。世界全体の動きの変化が垣間見られるのは、この仕事の醍醐味の一つです。ただ、難しいのは商習慣の違いへの対応です。日本の場合、長年の付き合いのある取引先が多いので、人情で動いてくれる方も多いのですが、海外との取り引きはシビアそのもので、契約書を読み込んで一つひとつに注意しないと思わぬトラブルに発展しかねません。リスクを抱えないように注意して仕事に臨んでいるつもりです。もっとも、人と人の関係で成り立っているのは国内での取り引きと同様ですから、誠心誠意な姿勢で交渉していくという部分は今も大切にしています。

この2年間、海外業務を経験して、国内のみの仕事をしていた私は考え方が凝り固まっていた部分があったと感じています。海外のビジネスパーソンと接したのは大きな転機となったのは当然のこと、組織が再編されたのを受け、非鉄金属を扱うチームと同じ部署に入ったのも視野を広げる契機となりました。鉄スクラップとは異なる商習慣、リスクヘッジの取り方などを見ていると、私自身、大いに刺激を受ける毎日です。

鉄の製造というと鉄鉱石から鉄を作る“高炉”が有名ですが、CO2排出削減を目標とした動きの中で、近年、鉄鋼メーカーは鉄スクラップのリサイクル素材を使った“電炉”にシフトする傾向にあります。また、電炉は高炉に比べ設備投資が抑えられるので海外諸国でも電炉の立ち上げが成されており、これからの時代はますます電炉に欠かせない鉄スクラップの需要が伸びていくはずです。そのなかでは供給力が重要な意味を持ちますから伊藤忠のネットワークのみならず、それ以外からの仕入れ先の開拓にも注力することで、可能性を切り開いていきたいと思います。貿易担当になった以上、ゆくゆくは海外駐在などにもチャレンジしてみたいですね。

小池さんの仕事最前線

担当するメーカーのほか、仕入れ先や加工業者など、関わる人間が非常に多い。その間に立ちながら、それぞれの思いをかなえるために小池さんは奔走しつづけている。

企業研究のポイント

紛争の発生、物価の上昇などが叫ばれる昨今、従来以上に先の見えない世の中となり、ライフスタイルや人々の意識は大きく変化しています。そうしたなかでも安定して利益を生み出し、成長しつづけている企業を選べば、不安なく社会生活を送ることができるでしょう。例えば、当社の場合、この状況下でも史上最高益を更新するなど、収益規模を拡大しております。この時代でも着実に成果を出す企業は存在していますから、アンテナを広げて企業研究を進めるように心掛けてください。

なお、学生からよく聞かれるのですが、専門商社を目指すからといって、その企業の取扱商材を学生の段階から熟知しなくても問題はありません。入社してからの研修や実践などを通して学べますし、特に当社は伊藤忠グループの力を活用して、さまざまな研修プログラムを受講することができる制度を整えております。ただ、入社後は業務を習得し、専門性を高めることに集中できるよう、英語に関しては時間のある学生時代に勉強しておくことをおすすめしています。
<人事・総務グループ 人事担当>

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総合企画職のほか、スタッフ職も数多く活躍。職種の垣根を越えて活発にコミュニケーションを重ねている。出産・育児休暇の取得率、復帰率は100%。長く安心して働ける。

マイナビ編集部から

伊藤忠商事グループの事業会社約300社のなかでも、中核会社に位置付けられる伊藤忠メタルズは“メタルの総合商社”を標榜する。アルミや銅といった多彩な非鉄金属、鉄スクラップなどのリサイクル関連事業に関して、川上から川下まで幅広く商売を手掛けており、国内外を舞台に多様な顧客とのネットワークを形成している。

2021年度は会社史上初となる30億円に到達。面白いことに、伊藤忠グループ内の取引額は1%未満に過ぎない。親会社の指揮に従うのではなく、同社が独自に行動した結果、これだけの数値を残すに至っているのである。従業員数200名強の会社ながら、年齢を問わずに一人ひとりが主体性を持って仕事に向き合う文化が成長を実現する力になっているのは間違いない。

SDGsという切り口で言えば、普段どおり事業を営んでいれば自然と対応できているのも同社ならではのこと。小池さんの手掛ける鉄スクラップはもちろん、アルミニウムなどの非鉄金属のリサイクルを実践しているからだ。さらに自動車の軽量化を実現するべく開発から関わったり、店舗から排出される産業廃棄物の処理を支援したりと、さまざまな方向から社会と環境の整備に尽力する。世界的に金属全般へのニーズが高まるなかで、利益を追求するのみならず、プラスαの視点から社会に貢献している会社である。

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非鉄金属や鉄スクラップの流通に尽力する伊藤忠メタルズ。飲料の缶や電子機器などのほかにも、建材や飛行機、センサーなど多彩なモノに関わっている。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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