最終更新日:2026/2/12

(株)ツムラ

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東京都

取材情報

我が社自慢の制度・社風

創業129周年を迎え、さらなる成長を目指した変革に挑んでいます

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本格化する海外進出

「ツムラ」という社名から想起されるのは、「老舗の漢方薬会社」ではないだろうか。それ自体は正しい。しかし「老舗」イコール「旧態依然」ではない。ツムラでは将来を見据えた改革が始まっている。

漢方薬のリーディングカンパニーとして業界をけん引するツムラ。人財育成センターの児平雄平さんに、同社が現在目指している未来、それを実現すべく社内で行われている変革について伺った。

■児平 雄平さん/2003年入社
人事部 人財育成センター 人財企画グループ グループ長

国内とグローバルの両面で大きな変革と成長を目指す今日のツムラ

当社は、主に国内市場を対象とする、漢方製剤に特化した会社というイメージが強いかもしれません。確かに競合他社は少なく、国内の漢方薬市場では圧倒的な市場を維持しています。(2019年医療用漢方製剤シェア:83.4%)しかし今、その基盤を守りつつ、次の時代に向けた新たな挑戦にも取り組み始めました。一つは海外市場への進出です。まずは中国市場で、2027年までに国内と同規模の売り上げを達成すべく、活動を開始しています。ツムラの高品質な漢方製剤は、本場中国でも必ず医療従事者や患者さんから評価していただけるはずです。そのような未来に向け、すでに若い先輩社員たちが奮闘しています。

さらに大きな挑戦が、米国への進出です。現在「大建中湯」という漢方薬の医薬品承認を得るべく、米国食品医薬品局(FDA)への申請を進めています。西洋薬を承認するプロセスに漢方薬をのせるため苦労はしていますが、成功すれば欧米で初めて漢方薬が「医薬品」として認められることになります。そしてFDAへの申請と並行して、漢方に関する知見を「数値化」する試みも始めました。それが「データサイエンス室(現データサイエンス部)」の新設です。現在、これまで蓄積されてきたデータを解析しています。これから数多く報告されるであろう数値データは、「大建中湯」以降の漢方薬の米国進出においても、強い武器になるはずです。
このような海外進出を目指した結果、ここ数年、チャレンジ精神を持った若手社員も増えてきました。社内でも「挑戦」を求める雰囲気が少しずつ強くなってきた気がします。

もう一つの挑戦は、国内市場のさらなる拡大。当社は国内最大級の漢方薬メーカーであり、社員は皆「高い品質の漢方薬を扱っている」という誇りを持って働いています。特に最近では、がん領域での支持療法として、抗がん剤の副作用を軽減しうる漢方薬への需要が高まっていますね。抗がん剤治療は日々進歩しますが、副作用のために治療を完遂できない患者さんは少なくありません。漢方薬は現在、そのようながん領域、あるいは女性や高齢者など、西洋薬だけでは対処できない領域で、非常に重宝されています。しかし私たちはさらに多くの方々に、漢方薬を届けられないか、現在模索しているところです。
このように、決して現状に満足することなく、新しい明日を目指す。それが今のツムラの姿勢です。

ツムラとはどういう会社?

児平さんは土日には少年野球チームの監督として、子どもたちの指導にあたっている。成長するその姿を見るのが楽しいからと、人事の仕事に手を上げたという。

若手の管理職登用もより積極的に

このような事業変革に対応すべく、社員教育も変わりつつあります。以前から実施されてきた「入社3年後までに一人前になる」ことを目標とした「入社時研修」や「専門教育」に加え、「グローバルマインド」を身に付ける研修制度がスタートしました。具体的には、異文化理解や異文化交流に必要な知識とスキルの習得です。この研修を通して、世界に通用する人財の育成に取り組んでおり、社内にもそのような人財が増えつつあります。これは皆さんがイメージする「ツムラ」と大きく異なる点だと思います。
ただし、「漢方医学と西洋医学の融合により世界に類のない最高の医療に貢献する」という企業理念にゆるぎはありません。そのためMRの導入研修では漢方医学だけでなく、西洋医学についてもしっかり学んでいただきます。なお、学生時代に漢方、あるいは医学との接点がなくとも、興味と関心さえあれば大丈夫です。

また、新入社員全員を幹部候補生と考えるようになりました。そのため昨年から、大卒内定者に対する簿記や語学(英語・中国語)、MOSの資格習得支援を始めました。数字を読む能力や語学力、ITスキルはビジネスの基本、経営者に必須の能力です。現社長の加藤は大学卒の新卒として入社。創業家とは縁もありません。このように現在のツムラでは、将来の幹部候補として入社していただき、誰にでも社長になる道が用意されています。事実、「社長になる」という確固たる信念を持って入社してくる学生もいます。

人事制度でも、若手がマネジメントに参画しやすくなるよう改革がありました。管理職には少なかった30代前半の若い社員に、管理職への昇進機会が生まれたのです。大卒社員は職種を問わず、基本的に全員、管理職への道が用意されています。また管理職以外にも、その道のプロフェッショナルである専門職として成長することも可能です。
もちろん、ただ待っているだけで昇進できるわけではありません。新たな人事制度のモットーは「頑張った社員がより報われるように」というものです。具体的なイメージとしては、自分でキャリアプランを考えた上で、そのために必要な技量・知識を明確にし、その習得機会を会社に求める社員です。自ら進んで成長しようと努力する若手こそが、マネジメントに抜擢されるチャンスを得ます。若手社員自らがビジョンを立てて成長・昇進できる、そのような会社になったといえるでしょう。

ツムラとはどういう会社?

2024年度の活動でも最前線に立っている児平さん。「きれいにまとまっている学生が多い気がします。もっと自分の個性を前面に出してもいいと思います」とエールを送る。

誰もが働きやすい会社。リモートワーク下でも社員間の絆を大切に

当社の特徴の一つに、「誰もが働きやすい職場」であることが挙げられます。大卒新入社員の半数近くが女性ですが、出産を理由に辞める社員はほとんどいません。皆、産休・育休制度を活用し、職場復帰しています。男性の育児休暇も、まだ十分ではありませんが、増えつつあります。社員全員が平等に育児休暇を取得しやすくなるよう、社内向けのセミナーも開催しています。

新卒者の「低い離職率」もツムラの特徴です。現時点での離職率は2%を下回っており、平均在職期間は約20年です。このような高い定着率をもたらす理由として、職場の雰囲気が良いのはもちろんですが、入社後に「漢方薬」に携わる誇りを持つ社員が多い点も挙げられるでしょう。新入社員教育では、漢方薬の原料採取から患者さんへのお届けに至るまでの全プロセスを学びます。そのためどの職種に配属されても、自分の仕事が会社全体の中で持つ意義を理解できるため、仕事に誇りを持てるのです。MR(医療情報担当者)時代の私もそうでした。

さて、新型コロナ対策として導入したリモートワークは、今後も部分的には継続する予定です。これまでの経験から、在宅でできる業務とそうでないものが分かってきた以上、在宅で可能な業務はリモートワークを認める方針です。先に触れた各種研修も、可能なものはオンラインでの実施となっています。
ただし、社員同士の交流が希薄にならぬよう、「人ツム・ナレッジカフェ」というオンライン・コミュニケーションのプラットフォームを立ち上げました。この活用により、社員同士の「教えあい、学びあい」や、各種の交流の促進が期待されています。実施するのは昼休みや勤務時間終了直後で、同期会なども開催予定です。リモートワークでも社員が孤立することのないよう、その点には十分配慮しています。

このようにツムラは今、“伝統と革新”という基本基調の元、企業風土や組織体制を大きく変革しつつあります。特に海外進出は、創業以来初めての挑戦です。そして変革の黎明(れいめい)期に必要なのは新しい力です。当社の新たなチャレンジに、若い人たちの力を、ぜひ貸してほしいと願っています。

ツムラとはどういう会社?

東京都赤坂に建つ本社ビルは2007年に麹町から移転。本社1階のロビーには、生薬パネルとサンプルが飾られている。

企業研究のポイント

■企業研究の時間は、自分と向き合う絶好の機会です。製薬会社のみならず、多様な企業の、多様な仕事を調べた上で、自分に合った企業を選んでください。昨年の選考でもそうでしたが、ツムラでは「企業側が学生を選ぶ」のではなく、「学生が会社を選ぶ」という視点を大切にしてきました。さまざまな企業を見ていった結果、社風や事業内容、出会う社員の人柄などが、皆さんの希望にマッチする企業が見つかるはずです。
<人事部 人財育成センター 児平さん>

■企業研究をする前に、自分の強みや弱身を理解するのが大切です。ただし、一人で振り返ってみてもなかなか答えが見えてこないので、周囲の友人から見た自分の評価を聞いてみましょう。あなたが思う強みが、実は他人から見たら弱みに見えたり、苦手だと感じているところが得意なように映っていたりすることも多々あるはずです。
<人事部 人財育成センター 越知さん>

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人財育成センターの皆さん。近年の事業のグローバル化によって、従来の穏やかな社風にチャレンジングさが加わってきたと語る。

マイナビ編集部から

漢方薬の老舗にして国内最大級のツムラが、未来に向けて大きく動き出している。それも中国と米国市場への進出である。これは決して容易な道ではない。しかし今回の取材で感じられたのは、自社製品に対する揺るぎない自信である。「良薬は必ず売れる」という創業理念は、間違いなく今もこの会社に生きている。そのためだろうか、新市場開拓にあたっても無理にガツガツした感じがない。自然体なのだ。

「新入社員全員が幹部候補生」という見方も興味深い。そしてそれが絵空事ではなく、研修・人事制度に反映され始めている点はさらに着目に値する。創業以来初の新卒入社からの社長の登場が、社内を活性化させたのだろうか。「老舗」らしからぬ変革。社員にとっては福音だろう。

また、離職率が極めて低いのもツムラの特徴だ。年率2%を下回っている。それでも児平さんは、辞めていった社員が気になっている様子だった。本当に社員を大事にしている会社なのだ。人を使い捨てにしない。その会社が「老舗」の地位にあぐらをかかず、「挑戦」する若い力を求めている。何かにチャレンジしてみたい気持ちが少しでもあれば、リストに残しておくべき会社だ。

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明治26年(1893年)の創業と同時に発売された「中将湯」。女性特有の不快な症状を改善するとして評判だったそうだ。

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