最終更新日:2026/2/13

カミ商事(株)【エルモア】

  • 正社員

業種

  • 商社(紙・パルプ)
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  • 日用品・生活関連機器
  • 紙・パルプ
  • 医療用機器・医療関連

基本情報

本社
愛媛県

取材情報

経営者の視点

少数精鋭で社会のニーズに応えるものづくり

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業界の異端児として躍進する「カミ商事」

ペーパーレス化=製紙業界の衰退ではありません。同じ業界でも得意分野が違えば、業績・未来も全く別物。
「板紙」、「家庭紙」、「衛材」を軸とする同社の成長性・安定性を社長に語っていただきます。

■井川 博明さん
 代表取締役社長

大きな柱とそれを支える「小さな柱づくり」により、好調な業績を維持

当社は、原料の調達から開発、製造、加工、販売、物流までをワンストップで手掛ける紙の総合事業グループの中核企業として、主に原料の調達や製品の開発・販売に携わっています。事業部門は5つあり、新聞用紙や印刷用紙などの「紙製品部門」、段ボール原紙などの「板紙部門」、ティシューペーパーなどの「家庭紙部門」、大人用紙おむつなどの「衛材部門」、製紙原料などの「資材部門」に分かれています。

ペーパーレス化が進む中、製紙業界は大きな影響を受けていると考えられている方も多いと思います。確かに、新聞やコピー用紙、印刷用紙の売上は対前年比10%近い減少が続き、原材料などの高騰も影響し、業績は低調に推移しています。しかし、カミ商事グループでは上記のような洋紙類の製造は行っておらず、「板紙部門」、「家庭紙部門」が中核となっています。段ボール箱に使用される板紙は堅調に推移していますし、家庭紙は生活必需品として様々なシーンで使用されています。このように、製紙業の中でも当社は今後も安定した需要が期待できる分野を得意としています。

前述した大きな2本の柱に加えて、「小さな柱づくり」を目標に掲げております。例えば、「衛材部門」では大人用紙おむつが中心となり、そこからウェットティシューやマスクなどが派生し、小さな柱が生まれました。また、カミ商事グループである愛媛製紙と三洋製紙ではバイオマス発電設備を導入して売電事業をスタートしたり、エネルギーコストの削減に繋げています。さらに太陽光パネルの設置も進め、環境への負荷を減らす取り組みも行っています。この「小さな柱づくり」は、私が社長に就任した頃から社員一丸となって取り組んでおり、ようやく形となってきています。大きな2本の柱を小さな柱が支えることで、安定した業績を維持できていると自負しています。

また、多彩な販路を有することも当社の強みであると考えています。「家庭紙部門」はティシューペーパーで築いた小売店ルート、「板紙部門」では商社を中心に多岐にわたる業界とのお付き合いがあります。そこに「衛材部門」の成長により病院施設という新たな販路も生まれました。例えば、ウェットティシューやマスクなどは小売店や病院施設といった、これまで確立してきた販路を最大限活用することで拡販に繋げることができています。小さな柱づくりとこれらの販路の活用が今後の成長のカギになると思います。

    ~井川社長の想い~

「カミ商事は製紙業界の異端児でいたい。業界には属するけれど、ひと味違うというか。学生の皆さんには、企業研究を通じてこの違いをぜひ見つけてもらいたいですね。」

「紙造りのプロ」としてのポリシーを貫き、「紙+α」のものづくりでさらなる飛躍を目指す

今後も「板紙部門」、「家庭紙部門」、「衛材部門」の各部門で、市場において競争力のある商品を生み出すことが私たちの使命ですが、まずベースにあるのは無駄なコストをかけず、お客様にしっかりと還元していくことです。例えば、当社の定番商品である『エルモア ティシュー』の「400枚(200組)」という数字を守りたいと考えています。これはティシューの内容量を表す数字です。360枚(180組)など、内容量を減らして表示価格を下げる戦略もありますが、当社はそれを行っておりません。なぜなら、私たちは「紙造りのプロ」であり、工場の省人化や営業コストの削減に根気強く取り組み、本来の価値をそのままお届けすることが当社のポリシーだからです。

また、ものづくりの観点からは、「環境との共生」を企業理念として掲げています。脱プラスチックに貢献するため、紙や不織布に薬液を塗布する塗工機を導入し、プラスチックの使用量を減らす新規事業を「小さな柱づくり」として立ち上げました。羽毛の粉末を段ボール原紙に塗布し、耐水性・保温性(断熱性)の効果を持たせた『KPE段ボール』や、カテキンを塗布したフィルターを使用した『エルモア カテキンマスク』は、塗工からヒントを得て開発した商品です。分厚い紙に薬液を塗布することはさほど難しくはないのですが、薄い紙となると高い技術が求められるため、これを実現し脱プラスチックに貢献できるような素材を開発していきたいと考えています。

他にも、すでに取得している化粧品製造業許可を活用しながら、今後は医薬部外品製造業許可の取得も進めていきます。このように、「紙+α」の観点から新しい機能や用途を持つ商品を生み出すことで、更なる市場拡大のチャンスがあると確信しています。

    ~井川社長の想い~

「価値ある製品をお届けしたいから、ティシューの内容量にもこだわりたい。些末なことに思えるかもしれませんが、ここに紙造りのプロとしての責任があると思っています。」

新入社員でも即戦力、裁量の大きさと自由度の高さがカミ商事の魅力

従業員200名強の企業で売上高1,100億円。この数字を見れば、カミ商事がいかに少数精鋭企業であることがお分かりいただけると思います。新卒の皆さんには「紙造りのプロ」としてのやる気と責任感を持って仕事に取組み、やりがいを感じてもらいたいと思っています。カミ商事で働くやりがい、それは真っ白なキャンバスに自由に絵を描けることです。例えば、ひまわりを描くにしても、構図から配色まですべてを指示された通りに描くのでは面白くありません。「ひまわりを描く」というゴールに向かってそれまでの過程を自分で組み立てていくことができる、そんな社員に育ってほしいと思っています。当社が期待するのは自分の意見に自信を持ち、裁量の大きさや自由度の高さを楽しめる人材です。

カミ商事がマーケティング部を設けていないことについても同じことが言えます。自分以外の人が作った提案書を営業がカスタマイズするだけでは仕事に対する責任感は生まれません。お客様と直接関わっている営業が一から提案書を作り、熱く語るからこそ、お客様に響くのだと思います。営業が現場で集めた声をダイレクトに開発部門に伝え、意見交換ができるからこそ、世の中で本当に必要とされる商品を生み出せると思っています。営業と開発がマーケティングを兼務しながら形にしていくことで、一人ひとりが「自分が作った」と誇りに思うことができ、それが仕事へのやりがいに繋がると考えています。

売上高1,100億円というと、中堅企業としては少々規模が大きいと感じるかもしれませんが、組織としては俊敏に動くことを心がけています。意欲があれば新人・若手に関わらず責任ある仕事を任せ、積極的にチャンスを与えていきます。実際、入社半年の社員がデザインした新製品が売場に並んだこともあります。役割を与えると、それをきっちりとやり切ってくれる当社の社員を私自身誇りに思っています。また、やる気と責任感を持って仕事に取り組む社員には、周りの先輩や上司が親切にサポートする風土もあります。早くから組織の中心となって活躍したい、多彩な役割を担いたいと考える方なら、きっと当社で輝けるはずです。

    ~井川社長の想い~

「売上高1,100億円というと規模は中堅企業以上。だけど物事を決めたり、推進したりする機動力は絶対に失いたくない。常にフットワーク軽く進化し続けたいですね。」

企業研究のポイント

ここまでお伝えしてきましたように、同じ製紙業界でも当社は「板紙」、「家庭紙」、「衛材」を主力とし、堅調な業績を維持しています。無借金経営を貫いていること、自己資本比率が70%を超えていることからも当社の安定性をお分かりいただけると思います。

企業研究をする際、業界全体の動向を調べる方も多いと思いますが、同じ業界にあっても主力分野が違えば業績も違うもの。表面的なイメージに流されることなく、もう一歩掘り下げ、気になる企業の実態を調べることをお勧めします。また、停滞する業界にありながら成長を続けている企業があるなら、それは企業に確かな強みがあるということ。逆境でも揺るがない強さを持つ企業は、皆さんが研究するに値する優良企業だと言えるのではないでしょうか。

最後に、学生時代にしかできないことを思いっきり楽しんでください。私自身も学生だった頃に海外旅行に行った記憶はしっかり残っています。仕事は社会人になって一生懸命頑張れば良いので、今の学生生活を謳歌しつつ、悔いのない企業研究を行っていただけたらと思います。

(代表取締役社長/井川 博明)

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こちらは東京支店のオフィスの様子。カミ商事は愛媛県の本社のほかに全国に12の営業拠点を持ち、それぞれが緊密に連携しながら提案・販売に携わっている。

マイナビ編集部から

製紙に必要な原料の調達から研究・開発、製造、加工、販売、物流までを手掛ける総合事業グループの中核となるのがカミ商事だ。マーケティング部を置かないことは井川社長も言及されていたが、開発・営業がその役割を兼務し、営業が自ら集めたニーズや課題をもとに開発と連携したものづくりが行われているのが特徴だろう。営業は売るのが仕事だと思っていたが、同社ではマーケティング・企画・開発でも力を発揮できるのだ。

また、意欲・実力があれば社歴は関係なく、チャンスを与えられるのも魅力的。「うちの若手は役割を与えるときちんと成果をあげてくれる」と井川社長も太鼓判を押すように、同社では地位や役割が人を育てる成功例が後を絶たない。もちろん上司や先輩がしっかりフォローし、いざという時は手を差し伸べてくれる安心感もある。こうした温かい社風は創業時から続き、「社員は家族」というのがカミ商事のDNAとなっている。

現在は働き方改革にも力を注ぎ、必要に応じて人事異動をすることで転勤を減らす方向に人事施策をブラッシュアップ。仕事のパフォーマンス向上と私生活の充実、その両立を図って残業の削減にも取り組んでいる。社員同士の交流の機会を増やすサークル制度も立ち上がり、10人以上の有志が集まれば会社から補助も出るという。70年以上の歴史を誇る企業だが、事業も、働く環境も、良いことは積極的に取り入れるアグレッシブな姿勢を実感させられた。

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営業担当者が現場で集めた情報がものづくりのヒントになることも。本当に必要とされるもの、価値あるものを形にし、消費者に届けるのがカミ商事のミッションだ。

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