最終更新日:2026/1/30

(株)アーキテクト・ディベロッパー(architect developer, Inc.)

業種

  • 不動産
  • 住宅
  • 建設
  • 不動産(管理)
  • 建築設計

基本情報

本社
東京都

取材情報

経営者の視点

美しい暮らしを支える革新的な賃貸住宅事業

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飛躍のカギは、社員一人ひとりの“オーナーシップ”

木本 啓紀
代表取締役社長

アーキテクト・ディベロッパー(ADI)は、2022年4月に現在の社名になり、その半年前に就任した木本代表のもとで、大きく成長を遂げた企業である。現体制となって約4年という短期間で業績は右肩上がりに推移し、株式公開を視野に入れる段階にまで達した。木本社長がADIをいかにして導いてきたのか。経営トップに就任後の足跡を振り返ってもらった。

賃貸住宅の開発から管理までを一気通貫で提供。5万1,000戸を超える管理戸数を誇る。

ADIでは不動産・建築分野の中でも、“住まい”を柱にした事業を展開しています。一人暮らし向けの賃貸住宅をを中心に開発し、個人・法人を問わないオーナーに所有していただき、その先の管理・運営も継続して担うことで実績を伸ばしており、今や管理戸数は5万1,000戸以上です。

前身の組織から数えても創業17年と、業界では新興に位置付けられる企業ではあります。それでも発展してこられた要因の一つに、ほぼ首都圏に特化して物件を開発してきた点が挙げられます。いわゆるGreater TOKYOと呼ばれる首都圏エリアは約4000万人の人口を抱えており、世界でも有数規模の“都市”だといえます。当然、賃貸住宅の借り手のニーズも高いこのエリアに経営資源を集中投下してきたことが、今日につながる確かな土台を築き上げました。

13年にわたって入居率99%を継続しているのも、当社の信頼を裏付けるデータの一つです。オーナー様が資産として賃貸住宅を所有する以上、“貸せている”状態を継続するのが最も重要な意味を持ちます。とはいえ家賃を下げれば入居率は高くなりますので、99%という数字だけが本質的な評価にはつながるわけではありません。限りなく100%に近い入居率を維持しながら、そのエリアで高水準の家賃設定をすることが重要な意味を持つのです。ADIの場合、5万件を超える賃貸物件の内部データが大きな強みとなっており、詳細にデータ解析を展開しながら、どの価格帯であれば最も高く、かつ安定的に貸せるかを判断する力を有しています。

仕入れる土地に関しては、経営者の勘や担当者の腕に頼ることなく、数理的に分析し、データ的な裏付けをもとに取得しています。デザイン面にもこだわっており、外観等のきれいさはもとより、生活目線で暮らしやすい空間を作っている点も評価を受けています。

さらには多くの同業他社が管理部隊を子会社に切り分けているところを、自社内に組み込んでいるのも違いを生み出す力になっています。長く住んでいただくことがサービスの本質だからこそ、管理という業務も本業と位置付けて取り組み、住む人の満足度を高めようとしているのです。

木本社長と辿る、成長企業の舞台裏

この数年、ADIは急速に成長し続けている。「年率20~30%で成長している企業で働くという体験は、社員たちにとって貴重な経験になると思っています」と木本社長は語る。

社員の主体性を育んだことで、わずかな期間で再建に成功。

おかげさまで財務面では過去5年ほど増収増益を継続しており、経常利益でいえば前期比20%以上に達しました。このまま成長を加速させることで、目指しているのは3年以内の東証プライム市場への株式上場です。賃貸住宅事業という既存のビジネスラインを伸ばすことで、利益ベースでの倍増も視野に入っており、上場は現実的な目標と捉えています。

将来的には新展開も視野に入れています。既に何社かをM&Aしましたが、その中には比較的規模の大きな工務店が含まれており、多角的に施工フェーズを担う力のあるパートナーと連携したことで、作るモノという点でも新たな可能性が広がっています。

今でこそ順調に歩んでいるADIですが、数年前は社会問題を受けての経営危機にさらされていました。赤字も膨れ上がっていたのですが、2021年に私が経営に加わって社名変更してからは、さまざまな試みを展開することで増収増益に転じることができました。財務改善等の地道な取り組みも当然、行いましたが、この約5年間で私自身が大切にしてきたのは、社員一人ひとりにオーナーシップを持ってもらうことです。前身の組織は優れた経営者による上意下達の企業文化だったのに対し、ADIとして生まれ変わってからは社員一人ひとりが自主的に考えて仕事し、自分たちが正しいと思ったことを自由闊達に発言できるカルチャーを醸成してきました。

そのためには代表である私の考え方をダイレクトに伝えなくてはならないと、従業員との距離を可能な限り縮めることを意識しています。例えば、毎月初には約1時間の会社説明会を開催しており、経営状況や売上、契約、人事制度の変更などを伝えています。場合によってはネガティブな情報も共有するだけに社員も不安になる部分があるものの、すべて開示してこそオーナーシップが醸成されると考えました。

会社説明会は本社では会議室で開催し、その他拠点はライブ配信しています。実は最初に始めたときは会議室に20~30人しか出席してくれない状態でした。それが今は100席の会場に座りきれないほど多く集まってくれており、社員の間にもオーナーシップが浸透したとの手応えを得ています。

木本社長と辿る、成長企業の舞台裏

外資金融機関を経て大手投資会社に転身した木本社長。ADIを任された時点では財務や投資には精通していたものの、会社経営の経験はゼロ。それでもADIを成長に導いてきた。

優しさとストイックさが共存。独自性の高い社内制度も整備する。

ADIとして生まれ変わってからは、理念や行動指針も新たに作成しました。企業理念には「美しい暮らし方を住まいから」を掲げています。人類は従来、食べるため、子孫を残すために生きてきました。しかしながら、現代社会においては食べ過ぎないことを目的にしている人もいますし、子どもを持たない選択をする人も増えています。そんな時代背景の中では、人生の目的に“心健やかに過ごせる1日”を求める人が増えているのではないかと考え、このような企業理念を作るに至りました。

ただし、ADIは二面性を有する企業でもあります。私自身、外資系金融機関出身であり、非常にアナリティカル(※1)に事業を運営し、すべきことを理性的に詰めて経営してきたことでADIが成長に転じたのは間違いありません。ビジネスライクなエコノミクスを求めていく側面と、人としての生き方や暮らし方を追い求めるという側面が共存しているのが当社の面白いところだと感じています。
※1:データや事実を重視し、物事を論理的に考えるタイプを指す

社内制度にも二面性という特性が色濃く現れています。例えば、有給休暇の取得率は前々期100%、前期も91.6%と非常に高い数値を残し、まさに社員が心健やかになれる時間を提供しています。その一方で人事評価制度は「完全相対評価」を導入しています。仮に言えば、1番グレードの高い評価の人が全体の10%、2番目が20%、3番目が30%というような形で社員が相対的に順位づけされており、非常に厳格かつ客観的に人材の価値を判断しています。

制度面でユニークなところを言えば、株式の「有償ストックオプション」を従業員向けに発行しました。上場を目指している企業のストックオプションは基本的には経営層が取るものであり、従業員が持つ場合、無償というケースが多いようです。にもかかわらず、あえて有償で販売したのは、オーナーシップを持ってもらいたいとの思いの表れです。嬉しいことにオファーされた社員の70%が権利を取得しており、自分たちの会社だとの当事者意識を持ってくれているのがよく伝わっています。社員たちの想いに応える経営をしていかねばならないと、私自身も気持ちを新たにしています。

木本社長と辿る、成長企業の舞台裏

社内制度の充実化も図っており、先日は韓国に社員旅行に出かけたとのこと。希望した約130名の社員が参加して、海外でのオフタイムを満喫してきた。

企業研究のポイント

企業研究の際には、どのような場所が自分にとって納得できるのか、ぜひ自分自身に向き合って考えてほしいと思います。私が特に注目していただきたいのは、物質か、人か、という点です。

特に不動産業界は、会社の有する資本は大きく「人的な資本」「物質的な資本」に分けることができます。名だたる大手不動産会社は長年にわたる蓄積が大きいですから、物質的な資本の価値が非常に強く、自分という人間の力だけで違いを生み出すのは簡単ではない環境にあるかもしれません。

もちろん、名のある企業に所属する高揚感を否定するわけではありませんし、私も外資系金融機関で勤務していた時代、確かにそうした感覚を味わっていました。しかし、振り返ると当時の自分は外資系金融機関の中では一個人に過ぎず、会社全体に影響を与えることはできていませんでした。

一方ADIのような規模の企業であれば、一人の人間が大きな影響力を持つのも不可能ではありません。といっても、物質的な資本がモノを言う不動産ビジネスですから、あまりに小さすぎる会社ではできることに限界があるのもまた事実かもしれません。

物質か、人か。どのような選択をするのか難しいところですが、もしみなさんが不動産業界に興味があるのであれば、どのようなバランスで働きたいのか、じっくり考えて答えを見出してください。

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木を基調にした温かみあふれるデザインの社内。アイディアが生まれやすいようにと開放感のあるガラス張りのエリアに会議室を設けている。

マイナビ編集部から

賃貸住宅に特化して、開発から建築、販売、アフターケア、賃貸管理までをトータルに手掛けるアーキテクト・ディベロッパー(ADI)。今回は経営トップの木本社長に話を伺ったが、就任前には経営状況が芳しくなかった同社を短期間で蘇らせ、成長企業へ導いたその手腕は「見事」の一言に尽きる。

木本社長は金融系出身だけに、財務体質の改革を着実にこなしたことが、今日のADIの発展の土台を築き上げたのは間違いない。しかしながら、社員たちのオーナーシップや自主性が何よりの成長の要因だと話してくれたその姿から、社員が活躍できる舞台を整えることで会社を発展させていくとの思いがひしひしと伝わってきた。ちなみにADI再生の道のりに関しては、木本社長が運営するブログサイトでも公開しており、ロジカルな文章の行間から、ADIにかける経営トップの情熱が垣間見られた。

木本社長の言葉を借りて言えば、既に勝利している馬に乗るのもいいが、高い確率で勝つのが目に見えている馬に乗れるチャンスはそうそうない。ビジネスの舞台を最速で駆け抜けようとするADIで、輝かしい未来を掴むという選択肢は、ぜひ頭に入れてほしい。

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オフィスカジュアルを導入しているだけに、社員の大多数はカジュアルな服装で勤務している。柔らかな雰囲気の中で、社員たちは主体的に、自分らしいキャリアを築いている。

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