最終更新日:2025/6/6

トーカロ(株)【東証プライム市場上場】

  • 上場企業

業種

  • 金属製品
  • 非鉄金属
  • ガラス・セラミックス
  • 商社(鉄鋼・金属)
  • 商社(化学・石油・ガス・電気)

基本情報

本社
兵庫県

取材情報

知識ゼロからの専門職

最初はみんなゼロからのスタート。知識と経験を積み重ねることで人は誰でも成長できる

  • 生物・農学系 専攻の先輩

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現場の最前線で働く先輩社員にインタビュー

設備部品に新しい性能や機能を加える表面改質(コーティング)技術で、あらゆる産業のものづくりを支える「トーカロ(株)」。今回は、今の仕事に就くまでの歩みと現在の仕事について、2人の先輩に聞きました。

■M.Nさん
技術部技術開発課 主任
東北大学 理学部 生物学科卒/2017年入社

■S.Aさん
営業部販売1課 主任
大阪経済大学 経営学部 経営学科卒/2018年入社

ものづくりに携わりたいという思いを諦めず、ようやく手にした開発業務

【M.Nさん】大学時代は生物学を専攻していましたが、当時から工学系にも興味があり、人の暮らしや社会に役立つようものづくりに携わってみたいと思っていました。卒業後は、生物系でも工学系でもない仕事をいくつか経たうえで、縁あって当社へ入社しました。入社後は、半導体関連の業界向けに溶射皮膜を提供する宮城技術サービスセンターに配属され、皮膜の基礎調査や不具合の原因調査、改善要望への対応を担当することになりました。

ものづくりの知識も経験も少なく、大学時代の専門も異なるため、最初はわからないことばかり。だからこそ、上司や先輩たちに手厚くサポートしてもらいながら、社内に蓄積された知見や情報、スキル、ノウハウなど、あらゆるものを存分に活用し、夢中で仕事に取り組みました。

そして2023年、技術部技術開発課に異動。現在は主任として溶射用原料の新規開発や既存原料の調査を担当しています。材料の新規開発は長いスパンで進めていく仕事で、複数のテーマを同時並行で進めていきます。すぐに何かが完成したり、答えが出たりすることはありませんが、良い評価結果が出て次のステップに進む道筋が見えるなど、一歩ずつ着実に開発が進んでいることが実感できると一番やりがいを感じます。

そんな仕事をする中で特に心がけているのは、何事も放置せず、その時点で最善の答えを出すこと。開発というのは成功を信じて進めていくものですが、状況によっては「これ以上引き延ばさず、ここで終わりにしよう」と判断することも大切です。とても難しいことではありますが、総合的な視点で判断し、良くも悪くもきちんと線引きをしながら一つひとつの仕事に向き合っていかなければならないと思っています。

取材こぼれ話

文献や論文から情報を収集するだけでなく、お客様から直接ニーズをヒアリングして、新規開発に生活かすことも。コミュニケーション力も問われる仕事です/M.Nさん

海外で感じた日本のものづくりの強さ。それが製造業を志した一番の理由

【S.Aさん】いつか海外で働きたいという思いがあり、大学時代はニュージーランドに語学留学するなど、英語の勉強に力を入れていました。ニュージーランドで特に印象に残っているのは、街中やホームステイ先で、車やカメラ、電子レンジなど、日本の製品をたくさん見かけたこと。日本のものづくりの強さを目の当たりにし、自分も携わりたいと思うようになりました。

当初は、商社に入ってものづくりをサポートするような仕事を考えていましたが、当社の「部材の表面に多彩な機能を付与する表面改質という高い技術で、あらゆるものづくりをサポートする」というビジネスに他にはない面白さを感じ、ここで働こうと決意。入社後は、営業部販売1課に所属し、鉄鋼メーカーを中心とするお客様にさまざまな表面改質技術を提案しています。

具体的には、設備部品の耐久性を高め、製品品質を安定させるための表面処理を提案することが多いのですが、どんなお客様に対しても、まずは現状と課題を聞いて、それに対応できる表面処理を当社にできる数百種類以上の中から検討。既存の方法で適応するものがなければ新しい方法を開発します。期限や予算の面でお客様との調整が難しいこともありますが、当社の技術開発チームは前例のない難しい課題にも果敢にチャレンジしてくれるので、とても頼もしく思っています。

今はこうして一人でお客様を担当し、専門的な知識が必要な提案をしていますが、私は文系出身で、最初は表面改質の知識はもちろん、化学式や図面の見方もわからない、文字通りゼロからのスタートでした。けれども、学生で表面改質の知識を持っている人はほとんどいないので、文系・理系問わず不安なのは皆、同じ。だからこそ、工場研修をはじめとする新人研修が充実し、配属後も先輩たちがしっかりフォローしてくれる体制が整っているのです。また、当社は常に新しい技術に挑戦している会社で、私たちもその度に学び続けていかなければなりません。ですから、入社時点でどんな知識を持っているかより、入社してからどう学ぶかのほうが大切です。

取材こぼれ話

全社的に建て替えが進んでおり、真新しい快適なオフィスも当社の魅力。お昼のお弁当や寮費が安く設定されているなど、福利厚生も充実しています/S.Aさん

開発と営業、それぞれの視点から見た自社の魅力と今後の目標

【M.Nさん】主任になった今でも知識不足を感じることはまだまだ多く、経験豊富な先輩方の協力は不可欠です。知見を持つ先輩・後輩に拠点をまたいで相談することもあれば、学術機関を紹介してもらうこともあります。そうしたフォロー体制が整っていること、それを所属や立場を超えて当たり前に活用できることも、知識と経験がものを言う技術者にとっては心強いことだと思います。

現状の課題は、新規開発した皮膜をいかにお客様への提案まで繋げられるか、ということです。せっかく開発してもお客様に使ってもらえなければ日の目を見ることなく埋もれてしまいます。今後の目標としては、営業部門と連携し、お客様のニーズ・世の中のニーズをうまく捉えること、ニーズに合致した技術を提案し採用していただくこと、これらを技術・営業が一体となってしっかり進め、当社の技術を世の中に広めたいと考えています。

【S.Aさん】営業という視点から見た当社の魅力は、表面改質という高い技術で、どんなお客様のお困りごとにも何らかの解決策を示せること。当社にしか実現できない技術を使った提案をするわけですから、不毛な価格競争になることもなくお客様のビジネスに貢献することができますし、営業としてはかなりやりがいのある環境だと思います。そうした営業で心がけているのは、社内の事情や都合ではなく、お客様の立場や要望に寄り添い、私たちができることは何かを考え続けること。そうすることでお客様のニーズが見えやすくなりますし、より良い提案につながると思っています。

今後の目標は、当社の高度な独自技術を海外に広めていくこと。すでに社内のグローバルメンバーに入り、海外で働きたいという意思は伝えているので、近い将来それが実現することを願っています。

取材こぼれ話

社歴や立場を超えて、自由に意見を言い合える風通しの良い社風。現場の声が通りやすく、職場の改善なども現場単位で進んでいます/M.Nさん・S.Aさん

企業研究のポイント

【M.Nさん】当社のようなBtoB企業の製品は皆さんの目に直接触れることが少なく、事業内容をすぐに理解するのは難しいでしょう。ですが、表面改質技術が身の回りのどんな製品に使用されていて、それが自分たちの生活や社会にどう役立っているかまでしっかり調べてもらえれば、事業の内容はもちろん、その重要性まで見えてきて挑戦したいと思えるかもしれません。

そうした情報収集の一環で会社見学などに足を運ぶ場合は、実際の職場を見て働く人たちと話をし、自分がそこに加わることを想像できるかどうかまで考えてみてほしいと思います。

【S.Aさん】私のように文系出身でものづくりに携わりたいと希望する人に伝えたいのは、ものづくりへの関わり方にはいろいろな形があるということ。たとえば、商社でさまざまな企業のものづくりをサポートするのか、独自の技術を持つメーカーで自社の製品を製造・販売するのか、自分なりの軸を定めておくことが大切です。

それぞれの価値観にもよりますが、会社の規模も大きければ大きいほど良いというわけではありません。当社は単体で900人程度の企業ですが、頑張っていれば活躍のチャンスはたくさん回ってきますし、成果を上げればすぐに全社に知れ渡り、評価も得られる。自分の性格や強みを理解した上で、どんな環境が自分に合うのかじっくり考えてみてください。

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サイトの情報やデータからは見えてこないこともある。だからこそ現地に足を運び、どんな人たちがどんな雰囲気の中で働いているのか確かめてほしいです

マイナビ編集部から

さまざまな製品や生産設備に、目的に合わせて最適化した材料をコーティングし、耐熱性や電気絶縁性といった新たな機能・性能を加える表面改質技術でものづくりを支える「トーカロ(株)」。同社が得意とする溶射技術は、材料を加熱溶融し、対象物に吹き付けて皮膜を形成する表面処理法の一つで、、鉄鋼や自動車、産業機械などの基幹産業から半導体製造装置やFPD(フラットパネルディスプレイ)、航空宇宙、医療などの先端産業にも用いられている。

独自性に優れた高い技術力で業界を引っ張ってきた同社だが、近年は、職場環境の快適化にも積極的に取り組み、事業所の建て替えなども順次進められている。「今はオフィスもきれいで居心地が良いですし、年齢や性別を問わず働きやすい環境になりました。また、最近は育休を取得する社員も増えてきて、ワークライフバランスが取れた働き方をすることが当たり前になってきたように思います」とM.Nさん。多様な働き方を支える各種制度の浸透を図ったり、現場の声に耳を傾け、より一層の改善を検討するダイバーシティ推進室を設置するなど、組織としての取組も進んでいる。

しっかりと整備された快適な環境と多様性を包摂する組織風土があってこそ、人は能力を十分に発揮し、活躍できるもの。企業選びの際には、高い技術力だけでなく、それを生み出す環境にも注目して情報収集を進めてほしいと取材を通して感じた。

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社員の健康と暮らしをサポートする制度や、キャリアアップを支援するプログラムも充実。それらはすべて社員の声を聞きながら、時代に合わせてアップデートされている。

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