最終更新日:2025/7/14

(株)内池建設

業種

  • 建設
  • 住宅

基本情報

本社
北海道

取材情報

我が社自慢の制度・社風

斬新なビジネスモデル「戦略倉庫」とユニークな社内制度で急成長

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「全従業員の物と心の幸せの追求」を掲げるゼネコン界の革命児

ゼネコン業界の固定概念を覆すビジネスモデルで、大躍進を続けている内池建設。それだけにとどまらず、先入観にとらわれない柔軟な発想でユニークな社内制度も次々に打ち出している。

総労働時間の削減を促す「人事評価制度」やお菓子が食べ放題になる「NGT~脳に糖分あげて頑張ろう~」、「一級建築士受験特待生制度」、「奨学金返還支援制度」など、内池建設はユニークな社内制度の宝庫。独自の社内制度を作り出した社長と、それを受けて室蘭本社と札幌支店で活躍中の若手社員2人。それぞれの立場から話を伺った。
【写真右】
工事部 札幌工事第一課/佐藤 元春さん
2020年入社、北海学園大学 工学部卒

【写真中央】
代表取締役社長/内池 秀敏さん

【写真左】
工事部 胆振工事課/富田 克也さん
2020年入社、室蘭工業大学 工学部卒

設計・施工を自社で行う「戦略倉庫」で、社員の働く環境と待遇を改善。明確な成長戦略を描いています。

内池建設は、いわゆるゼネコンと呼ばれる総合建設業です。1980年に室蘭市で創業し、現在は、室蘭・札幌・仙台・埼玉の4拠点で、住宅や公共建築、商業店舗など多彩な建築を手掛けています。中でも主力は、2018年に開発した、大型の倉庫・工場建築に特化した「戦略倉庫」事業。お客さまへの提案から引き渡しまで、設計施工の全てを当社が行います。施工のみを請け負うことが多いゼネコン業界では、珍しいビジネスモデルです。今では売上の約半分を占めるまでに急成長しています。

当社は2016年から働き方改革に着手。経営理念を「全従業員の物と心の幸せを追求する」に更新し、労働環境を改善する様々な取り組みをスタートしました。その一つが戦略倉庫の開発です。提案・設計・施工を自社で全て行うため、現場に無理をかけない工期を設定でき、必然的に働く環境が改善されました。さらに利益率が高いので、社員の待遇改善にもつながりました。

Webプロモーションも当社の強みです。倉庫・工場の建設を検討するお客さまがどんなキーワードで検索するか、どんな動線でホームページに入ってくるかを分析し、SEO対策に投資しています。北海道と東北の2銀行と提携契約を結び、倉庫・工場を建てるお客さまを優先的に紹介していただく仕組みも構築しました。このように自ら発信し集客に向けて努力をするのは、ゼネコン業界ではあまり前例がありません。当社は良い意味で“異端”なのかもしれませんね。

数年前から、同じ成果を出す場合、より残業が少ない方が評価されるように「人事評価制度」を変更しました。現場単位で総労働時間の目標を作っているので、付き合い残業も減り、若い社員も早く帰ることが評価される仕組みになっています。基幹システムのDX化により業務を効率化し、時間あたりの付加価値を上げる工夫にも取り組んでいます。また、戦略倉庫を推し進める中で他社との差別化を図るには、「自社の設計力」を伸ばすことが重要。社員の一級建築士資格取得を会社を挙げてサポートしています。

当社の売上・利益は、この10年間で倍増しました。過去5年間で残業を7割削減、年収2割アップを同時に実現しています。さらに、2030年までに年収を2割UPする目標を掲げています。物心両面で全従業員の幸福を追求しつつ、将来に向けて明確な成長戦略を描いています。
代表取締役社長/内池 秀敏さん

学生のうちにコレをしておこう!

今は建築系の大学を卒業すると、すぐ一級建築士の受験資格ができます。今のうちに勉強して準備しておきましょう。余裕があれば、海外旅行もお勧めします。(内池さん)

残業しないことが評価される「人事評価制度」。自然に効率化を考えて行動するようになりました。

建築学科で学んでいたので、企業研究も建築系の仕事を中心に進めました。複数の企業のインターンシップを経験する中で、一番魅力を感じたのが当社です。社長や人事担当者をはじめ、見学した現場の先輩社員がとても優しくて、親身に相談に乗ってくれることに感動したんです。社員の「人柄」に惹かれて入社を決意しました。入社後も好印象は続いています。上司や先輩が丁寧に仕事を教えてくれるので、自分自身が成長できる環境だと感じています。年代の近い若手社員も多く、プライベートな会話も弾んで毎日楽しく過ごしています。

現場監督として段取りを組み職人さんを指導する、施工管理が私の仕事です。これまでに、倉庫、体操クラブの体育館、工場と、3つの現場を担当しました。着工から完成まで、建物が出来上がっていく様子を間近で見られるのは、やりがいがありますね。自分の段取りがスムーズに進んだ結果だと思うと、感慨もひとしおです。初めて担当した現場では、お客さまから「建物のクオリティを上げてくれた」と直接ほめていただいたのが印象に残っています。疲れも一気に吹き飛ぶほど嬉しかったですね。この仕事を選んで良かったと思いました。

弊社の「人事評価制度」は、同じ仕事をして同じ成果を出す場合、残業が少ない方が評価される仕組みです。個人単位ではなく現場単位で評価されるため、上司も部下も「終業時間の17時に帰る」という目標を共有しています。残業しても1時間程度ですね。仕事を早く終わらせるにはどうすれば良いか、自然と効率化を考えて行動するようになりました。非常にいい制度だと感じています。

最近は、一級建築士の資格取得に向けて勉強中です。私は利用していませんが、当社には「一級建築士受験特待生制度」があり、希望者の中から毎年1人選抜されています。特待生になると専門学校の授業料の全額補助、試験前半年間は残業禁止、という優遇があり、全面的に支援されます。また、工事部では、特待生に限らず、就業時間中に2時間勉強できる環境が整っています。月に1度、一級建築士の理解度を測る社内模試も受けられます。合格後5年経過すると、50万円のお祝い金も支給されます。会社の手厚いサポートを受けて、工事部全体で士気が高まっているところです。
工事部 札幌工事第一課/佐藤 元春さん(入社3年目)

学生のうちにコレをしておこう!

インターンシップは、たくさん経験した方が絶対にいいと思います。同じ業界を研究する同年代の仲間とも接点ができて、情報収集にも役立ちますよ。(佐藤さん)

「NTG~脳に糖分あげて頑張ろう~」は、社員同士のコミュニケーションにも一役買っています。

「全従業員の物と心の幸せ」を一番に考える、当社の企業理念に惹かれて入社しました。私は先ほどお話しした同期の佐藤さんと同じように、工事の現場監督という施工管理業務をしています。室蘭市営住宅、青果市場を経て、現在はドラッグストアの現場を担当しています。この仕事の面白さは、現場の進捗状況に応じて、その日その日でやることが変わるところですね。先輩からある程度の指示を受けますが、自分で考えて効率的に動くことが求められます。自分には合っていると思いますね。

プライベートな話になりますが、大学時代に始めたアメフトを今も社会人チームで続けていて、一昨年からキャプテンを任されるようになりました。仕事で先を考えて行動する習慣が身に付いて、自分の成長を促してくれたと実感しています。残業がほとんどなく、有給も取りやすいので、練習や試合に打ち込めるのも嬉しいですね。入社1年目は代休や有給を組み合わせて、夏休みに約3週間の長期休暇を取得しました。昨年もお盆に2週間ほど休暇を取りました。仕事もプライベートも充実しています。

当社には自慢できる社内制度がたくさんあります。例えば、月額2万円を上限に支給される「奨学金返還支援制度」は、基本的に奨学金を返還している人は全員利用しています。毎年実施する社員満足度調査「ESアンケート」も、自分の思いを会社に伝える絶好の機会になっています。また、なんといってもユニークなのは休憩時間にお菓子が食べ放題になる「NTG~脳に糖分あげて頑張ろう~」でしょう。私も一息つくときによく利用します。仕事をする上で人間関係は大切です。NTGで雑談をしながらコミュニケーションを取る時間があるからこそ、仕事もスムーズに進むのではないかと感じています。アットホームな雰囲気で、先輩たちが気さくに声を掛けてくれる当社は、仕事がやりやすい環境ですね。

室蘭本社は、昨年12月に社屋を建て直したばかり。新社屋はワンフロアに全部署がそろっています。以前はフロアが分かれていたので、正直、別の部署がどんな仕事をしているのかよく分からなかったのですが、今は距離も縮まり、コミュニケーションも活発にしています。室蘭本社のメンバーの一体感がより強くなったと感じています。
工事部 胆振工事課/富田 克也さん(入社3年目)

学生のうちにコレをしておこう!

私は「遊ぶべきだ」と考えて学生時代を過ごしました(笑)。今は、勉強という“貯金”を学生時代にしておけば、社会に出てから有利になると感じていますね。(富田さん)

企業研究のポイント

少子高齢化、DX化、数年に一度は繰り返す経済危機や自然災害など、私たちを取り巻く状況は、近年、大きく変化しています。これから社会に出る皆さんには、時代の変化に柔軟に対応できる業界や企業を研究することをお勧めしたいですね。過去の実績も大切ですが、一番注目すべきポイントは、永続して成長するために企業が明確な戦略を描けているかどうか。企業研究の際は、成長戦略を物差しの一つに入れてみてください。

インターンシップは企業研究をする上で、貴重な経験です。企業の雰囲気は、実際に足を運んでみなければ、なかなか分からないものです。リアルな空気に触れることによって、自分との相性もある程度判断がつくと思います。例えば建築系の勉強をしていても、「施工管理」という仕事が実際にはどんなことをするのか、具体的にイメージするのは難しいのではないでしょうか。当社のインターンシップは「現場実習」で「施工管理」の仕事を体験できるのが特徴です。自分の適性を知りたい人は、ぜひエントリーしてみてください。

当社の仕事はコミュニケーション能力が高い人に向いています。コミュニケーションというと、プレゼンや話が上手な人を思い浮かべるかもしれませんが、当社が大切にしているのは、相手の気持ちを理解する能力です。それができる人は、口下手であっても、良い人間関係を構築できると思います。
管理部人財戦略室/森下 豪悠さん

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「全従業員の物と心の幸せ」を企業理念に掲げ、仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組む企業として札幌市の「ワーク・ライフ・バランスplus企業認証」も受けている。

マイナビ編集部から

お菓子が食べ放題になる、TKG(卵かけご飯)ならぬ「NTG~脳に糖分あげて頑張ろう~」制度、1,000(戦)通り以上の構造シミュレーションから最適なプランを提案する「戦略倉庫」事業など、ユニークなネーミングについ笑顔になってしまう。いわゆるゼネコンらしさと一線を画した柔軟な発想で、次々に独創的な施策を打ち出す内池建設。インタビューでは紹介しきれなかった社内制度をここで紹介したい。自分の誕生日が(言い方は良くないが)強制的に休みになる「誕生ありがとう制度」は、おめでとうではなく、ありがとうの言葉がミソ。生まれたことに感謝し、親や家族のために使ってほしいと1万円が支給される。同じ職場で同じ仕事を5年間こなすとFA権が獲得でき、異動や別の仕事に就く希望を出せる「FA(フリーエージェント制度)」もある。だが、FA権を行使する人はあまりいないという。内池社長は、「5年続けると、仕事が楽しくなって好きになる人が多いから」と笑顔で教えてくれた。「それでも出口を用意することは大切」と語る。また、「強育」は、社員が自ら考えた新規事業をプレゼンし、承認されると責任者として事業を任せてもらえる制度。黒字化すると部長に昇進できる。風通しの良さが伝わってくる取り組みだ。同社の新卒定着率は3年間で90%以上、離職者が少ないのが特徴だ。ユニークな制度の数々から、その理由の一端をうかがえた気がした。

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石狩市の機械メーカーの工場は、「戦略倉庫」の施工例の一つ。工事・倉庫建築に特化した一級建築士を中心に、設計から施工まで同社が請け負う先駆的なビジネスモデルだ。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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