最終更新日:2025/6/1

兼房(株)

  • 上場企業

業種

  • 金属製品

基本情報

本社
愛知県

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

奥が深い工業用機械刃物の世界。技術の追求がモノづくりへの貢献につながります。

  • 機械系 専攻の先輩

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チャレンジを応援してくれる会社です

技術・営業・製造の三位一体で、取引先からの信頼を得てきた兼房。早くから責任ある仕事を任され、成長できる環境であるがゆえに、スキル向上への高い意識を持つ若手社員たちが揃っています。

(写真左から)
★仲根昂太郎さん/生産技術課 第三チーム/2021年入社/工学部卒
学生時代は機械工学を専攻。「機械に触れる仕事で、社会を支える」を軸に就職活動を進める中で、兼房に出会った。

★松田優矢さん/研究開発課 第一研究係/2023年入社/大学院工学研究科修了
物理工学科の学部生時代から大学院にかけ、金属材料の加工について研究。その学びが刃物に活かせると入社を決めた。

★川手基暉さん/精密技術課 技術一係/2023年入社/大学院工学研究科修了
工学部の応用化学学科から大学院に進み、ナノシートを中心に材料について研究。兼房のコア技術であるコーティングに興味を持った。

周囲とコミュニケーションを図ることで、知識やスキルを蓄えてきました/仲根さん

学生時代は、刃物というと包丁程度のイメージしか持っていませんでした。会社説明会に参加した際、当社の刃物がいろいろな業界のモノづくりに使われていると聞き、私が就職活動の軸に置いていた「社会貢献」につながると思い、入社を決意しました。
自動車や住宅建材をはじめ多くのモノに使われる金属や木材、プラスチックなど、さまざまな材料を「切る・削る」のに刃物は欠かせないと知ってからは、「これはどうやって切っているんだろう?」とまわりのモノを見る目も変わりました。

私が所属している生産技術課は設備の導入検討、生産性向上に向けた工法や工程の見直し、機械保全などが主な業務です。また省人化や省エネルギー化などの研究も部署のミッションの一つ。私はまだ関わってはいないものの、AIを用いた検査工程の簡略化、IoTを活用した製造工程の自動化などを視野に入れた取り組みも進んでいます。
最初の頃は専門用語もわからず、電話で機械メーカーに問い合わせをするのも一苦労。上司や先輩に尋ねるのはもちろん、製造部門の方とのコミュニケーションも積極的に取りつつ、仕事を覚えていきました。学生時代の結婚式場でのアルバイトの経験がコミュニケーションをとる上で役に立ちましたね。
入社2~3年目には、当社のベトナム工場の設備の立ち上げを任されました。設備の検討や手配、海外機械メーカーとのやり取りなど、導入までのひと通りの流れを経験したことで、調整力が身に付き成長できたと思っています。

仕事のやりがいは、調整力と知識やスキルを存分に発揮し、安全性と生産性を考えた設備の改善を実施することで、製造部門の方に喜んでもらえることです。それが最終的には世界のモノづくりへの貢献に繋がります。
一方でまだまだ知らない技術も多く、これからも貪欲に学び、さらなる生産性向上に努めていくことが今後の目標です。社外での技術講習会や社内の勉強会に参加し、アプリケーション開発やNCプログラム、ロボットティーチングなどについても勉強していきたいと思っています。

兼房のココが好き!

協力し合って仕事をし、仕事終わりには部署の枠を超えて飲みに行くなど人間関係が良好。そうした関係性を築くことで、日頃の仕事もスムーズに進みます(仲根さん)。

自ら考え、答えを導きだし、結果につなげていけるところが大きなやりがいです/松田さん

私が所属する研究開発課では、世の中のニーズをとらえ、より多くの業界で当社の刃物を使っていただけるよう形状や材料を設計し、最適な製品を生み出すことを使命としています。
それぞれの得意分野に基づき、製品や技術別に担当が分かれてはいますが、それに縛られることなくお互いに協力し合い、新しい分野に挑戦することもあります。そんな中で、私自身は当社のコア技術の一つである、刃物の寿命を伸ばすコーティング技術の研究・開発にメインで携わっています。例えば加工速度を早くしたいというニーズがありますが、速度を早くすると刃物への負荷が高くなります。それに対応するための性能をコーティングによって付加できるようにするのです。基礎研究のため1~2年というスパンで取り組んでいます。

こういった性能を考える際には、学生時代の金属加工に関する学びが役立っています。一方、試験で必要な“実際の対象物を切る”作業は経験がなく、上司や先輩にご指導をいただきながら覚えていきました。また、そのコーティングが目的に合っているかどうかという判断が必要な点も、学生時代との大きな違いです。ここが各技術者の腕の見せ所だとも言えます。もちろん最初から1人で判断ができたわけではなく、研究開発課の先輩がサポートしてくれました。
研究開発というのは、何か明確な答えが見えているわけではありません。研究しながら答えを見つけていくことが仕事です。今も課題にぶつかることは多いですが、自分で考えながら、ときには先輩からもアドバイスをもらって研究を進めて、答えに近づいていく毎日です。自分の持ち味を発揮して結果につなげるという、大きな裁量を与えてもらえている点が仕事のやりがいにつながっていますね。同じ刃物でも用途によって求められる性能が異なるので、いかに幅広いニーズに適した、世界で通用するような刃物を生み出すかも醍醐味です。

今後の目標は、自分で開発した新しい製品を早く世の中に出すこと。そして、ゆくゆくは多くのお客様に使っていただけるような製品を開発することが大きな夢です。兼房のコア技術に携わっているので、いち早く会社の発展に貢献できる技術者になりたいと思っています。

兼房のココが好き!

工業用機械刃物の総合メーカーだからこそ、個性豊かで多様な製品に携わることができます。仕事内容にも個性が溢れます(松田さん)。

営業や製造との連携プレーで、お客様の満足度を高めています/川手さん

当社は大きく分けると、ナイフやスライサーなどの平刃、刃先に超硬合金やダイヤモンドを使用する丸ノコ、カッターやルーターなどの精密刃具という3種類の刃物を製造しており、私が所属する精密技術課では精密刃具の設計と開発を中心に手がけています。
私自身はドリルやルーターと呼ばれる木工用の刃物を担当。営業がヒアリングしてきたお客様のご要望に基づき、製品の仕様を考え、それが製造可能かどうかを刃物の製作担当者と打ち合わせし、設計~見積り~受注~製造への手配といった流れを一貫して行っていきます。中には現在使用されている製品から、「加工の品質をさらに良くしたい」「刃物の耐久性をさらに向上させたい」などのご相談をいただくケースもあります。必要とあれば私たちも営業と一緒にお客様の現場へ出向き、現状の確認をします。

私たちの仕事は技術力だけではなく、課題解決能力やチームワークも重要です。技術・営業・製造が三位一体となってお客様に刃物を提供しているため、認識の共有を怠るとお客様とのトラブルに発展しかねません。そういったことを未然に防ぐために、常に意思疎通を取るように心がけています。入社後、研修として1年間実際の製造業務を経験し、多くの人と関わりをもてたことが今の仕事に役立っていると実感しています。

研修期間中に印象に残っているのは、自身で考案した加工方法で刃物の製造時間の短縮が可能となり、作業効率向上に役立ったことです。刃物の製造に使用する治具を自身で設計し、同時に加工方法を変更しました。結果を出した時の達成感は格別でした。当時、私のチャレンジを手助けしてくれた現場の人たちには、今でもよく相談にのってもらっています。
今の技術課の仕事では、仕様の変更などをしてお客様に満足していただくことがやりがいです。工業用機械刃物は一般の人が目にする機会は少ないものの、“ここでも使われているんだ”と社会貢献度の高さを認識することも少なくありません。

今、私が手がけている刃物は、他社製品に比べても「欠けが少ない」という評価を得ています。今年度はその横展開に力を入れ、精密刃具のスタンダードにしていくことが目標です。今後も社内連携を大切にして、お客様へ高品質な製品を届けていきます!

兼房のココが好き!

仲間内の紹介のような形で、社内の人脈がどんどん広がっていく会社です。仕事もしやすくなりますし、休日には一緒にゴルフやツーリングなどを楽しんでいます(川手さん)。

企業研究のポイント

学生の皆さんはそれぞれの方法で企業研究をされていると思いますが、私は実際に企業へ足を運んでいただくことをおすすめします。インターネットの情報だけでは限りがありますので、一緒に働くことになるかもしれない人や職場の雰囲気を知るためにも、インターンシップや1day仕事体験の機会を積極的に活用しましょう。

当社でも6月に文理共通のWebでの1day仕事体験を実施。業界や会社について、刃物が進化するとモノづくりにどんな影響を及ぼすかなど、業界研究を中心にご紹介します。
また8月には理系学生向けの2日間のインターンシップとして、ワークショップの他、2つの職場で先輩社員と一緒に業務体験をしていただきます。文系学生向けにも半日の仕事体験を用意しており、ワークショップ、国内・海外営業、管理部門の働き方紹介などを予定しています。

もし今の時点で何がしたいのか、自分には何が向いているのか自信が持てないのであれば、家族や友人たちからはあなたのことがどう見えているのかを尋ねてみると、新しい発見があるかもしれません。

多くの会社・職場を肌で感じられるのは、この時期の学生のみなさんだけに与えられた特権です。ぜひ、そのチャンスを逃さないようにしましょう。それとともに夏休みや春休みには旅行に行くなど、自由に使える時間も大切にしてほしいですね。
(人事 北村俊平)

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「学生時代に刃物を専門に学んだ人は、まずいません。大切なのは主体性を持って行動し、周囲と協力していく姿勢です。それが連携プレーにつながります」と北村さん。

マイナビ編集部から

先輩たちの話にもあったように、工業用機械刃物といっても何をつくるか、どんな工程で用いられるかによって平刃、丸ノコ、精密刃具の大きく3種類に分類される。そのいずれかの専門メーカーが多い中、兼房は総合メーカーとしてすべての種類を手がけている。
だからこそ多彩な業界のお客様に提案ができ、製品を通じて、お客様のお手伝いができる点が醍醐味だ。さらに、特定のグループに属さない独立系の会社のため、高い自由度のもとで仕事を進めていくことができる。

スキルや知識面に関しても、入社時の研修やOJTはもちろん、外部講習やセミナー、社内でも勉強会が行われるなど、学びの機会は豊富。職種によっては、出張や赴任で海外に行くチャンスも入社3~5年目頃から得られるそうだ。

モノづくりの分野において、切る・削るという工程がなくなることはない。加えて時代とともに産業界は変化していく。同社ではそうした動きに対応すべく、近年では半導体やEV用バッテリー、CLT(直交集成板)の加工用製品の売り上げを伸ばしている。世界的な博覧会の建造物で使用されたCLTも、兼房の製品で加工されたそうだ。
同社のようなBtoBの業界は、普段は目につきにくいものの、企業研究の中で発見すれば、とても興味深く感じる点が多々見つかるに違いない。そんな印象を受けた。

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「コーティング」「刃先部の微小化」「振動抑制」「刃金接合」という4つのコア技術をもとに、製品ラインナップは300種類3万点以上。その定評は海外にまで及んでいる。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2026に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2027年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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