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最終更新日:2026/8/7
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取材情報
世界中へ製品を供給する電子部品メーカー「アルプス電気」と、カーナビを製造・販売する「アルパイン」が、2019年に経営統合し誕生した「アルプスアルパイン(株)」。最先端電子部品を手がけるグローバル企業です。
主任技師やグループマネージャーとして活躍するベテラン社員2名にインタビュー。入社からこれまでのキャリアアップ、成長を支えたもの、仕事のやりがい、職場の雰囲気など、たっぷり語っていただきました。●河野 俊雄さん(コンポーネント開発部第1グループ 主任技師/2005年入社/工学研究科 機能システム創成工学専攻出身)●橋本 真琴さん(精密加工技術部 金型製造2G 2011年入社/工学研究科材料システム工学専攻修了)
経営統合する前の「アルプス電気」に入社し、約10年間ノートパソコン用入力デバイスであるグライドポイントのソフトウェア開発に携わりました。ノートパソコン用入力デバイスの使い勝手などさまざまな課題に対して、解決するためのアプリケーションを提案し、製品化しました。その後もノートパソコンをより快適に操作するための直感的なジェスチャー操作を可能にするなど、時代の変化をいち早く捉え、一歩先の価値を提供し続けてきました。当時は、新たな提案を生み出し続けることに苦労もしましたが、アイデアが採用され、その後製品化されて社会に貢献するという業務の楽しさに夢中になりました。経営統合をして当社が誕生した2019年以降は、AIを使用したアルゴリズム開発にも挑戦。当社としても初めての試みで、「モノ」売りから「コト」売りへと事業領域を拡大していきました。ここで開発した「作業者見守りシステム」は、工場・建設現場における環境情報や作業者の体調変化などのデータを収集して、熱中症を防ぐシステム。ここでも改めて社会貢献性の高い仕事に大きなやりがいを実感しました。ほかにも、広い用途に使用される押しボタンスイッチ「タクトスイッチ」の感性要求に対応。お客さまからの「高級感がほしい」や「クリック感を高めたい」などの要求に対して、AIを用いて最適な感触を持つ製品の提案を行っていました。2025年4月からは、コンポーネント開発部第1グループで主任技師を務めています。スイッチや可変抵抗器、ハプティックリアクターなど、当社のコンポーネント製品の基盤技術に携わっています。チームリーダーかつ主任技師であるため、プロジェクトメンバーを取りまとめることも重要な役割の一つです。技術者として入社した私が着実にキャリアパスを歩み、主任技師という責任あるポジションを任せていただけるようになったのも、たくさんの経験のおかげ。特に入社3年目に経験した「グライドポイントのアプリケーション」の製品化は、今でもモチベーションの源泉となっています。今後はこの成功体験を後輩たちに伝えることで、成長をサポートしたいと思っています。(河野 俊雄)
私は新潟県出身で、大学は宮城県。どちらにも当社の拠点があります。なじみのある土地で働けることとグローバル展開している点に魅力を感じ、入社を決めました。職場は宮城県の古川第2工場。精密加工技術部では私たち技術者と工場作業員が、総勢200人近くも働いています。部署というよりは一つの町工場のような感じですね。金型製造グループはその中の一部門で、私は製品づくりの要になる金型の設計を担当。配属職種でいえば生産技術にあたります。当社が手掛けている製品は、センサー、ボリューム、スイッチ、カメラのアクチュエーターなど、小さく精密な電子製品が中心。どの製品も金型からプラスチック部品や金属部品を成形して作ります。金型を外部に依頼している会社も多いのですが、当社は収益基盤といわれる製品の多くの金型が自社設計・自社製作。そのため、妥協のない精密な金型を生み出すことができるのです。私が担当しているのは、プラスチック材料に熱を加えて溶かし、加圧注入する「射出成形」用の金型。CADを使った設計では精度や品質はもちろん、生産スピード、量産時の耐久性、コストなど、いくつもの条件を満たさなければなりません。設計部門や製造部門と話し合いながら落としどころを決め、お客さまの要求仕様を満たしていきます。プラスチックは収縮しますから、設計時は変形を前提に寸法を考えなくてはなりません。予測した数値がぴったり合ったときは大きな達成感が得られます。とはいえ、設計がうまくできても製作までスムーズにいくとは限りません。金型を組み上げ、磨き、射出条件に適合させるのは金型製作のチーム。職人の勘どころが決め手になるのです。難易度の高い金型が仕上がったときの達成感は大きいです。さらに、設計は職人とのチーム仕事なので、この達成感を共有できることもうれしいですね。当社には企業文化、社風を表すものとして、「人に賭ける」という言葉があります。今の職場はそれを体現しているような環境。難題にも失敗を恐れずに挑戦し、個人でもチームでも成長できます。風通しは本当にいいですよ。この良さを発展させ、今後は部門を超えて専門知識を共有できるようにすることが目標です。そのため、今は他部署を見学して知見を深めているところ。より良い金型を作るためにも、技術や知識の見える化を推進していくつもりです。
当社には、技術者の成長をバックアップする研修制度が充実しています。入社3年目までは、当社の研修センターにて集合研修を実施。同期メンバーが集まって、悩みや課題を共有しながら振り返りを行い、改めて目標を設定する機会があります。入社10年未満の技術者を対象とする技術者教育では、気になるテーマを選び自由に参加。1年間のカリキュラムに沿って、経験豊富な先輩講師による丁寧な指導を受けることができます。授業の最後に出される課題への挑戦を通して、着実に成長できる点が魅力です。私はこの制度を活用して、静電技術やC言語のスキルを習得しました。ほかにも海外拠点とのやりとりに欠かせない語学研修などもあり、社員の成長をきめ細やかにサポートしています。主任技師である現在は、研修制度を生かしながら若手の育成にも注力。プロジェクトメンバーの成長を間近で感じながら、協力して成果を出すことが大きな喜びにつながっています。(河野 俊雄)
技術者と一口に言っても、メーカー、サプライヤー、部品メーカーなど企業によって大きく役割が異なります。将来どのような技術を習得したいのか、どのような技術者として活躍したいのか、まずはじっくり考えてください。企業研究の際は知名度や規模に目が行きがちですが、そこで技術者がどのような役割を担っているか深掘りをすることが重要です。当社では、モノづくりの会社として、幅広い分野で多くの社員が社会貢献を果たしています。(河野 俊雄)
世界23カ国と186の地域に拠点を展開する「アルプスアルパイン(株)」。売上の約80%を海外市場が占めるグローバル企業だ。同社の製品やサービスは、自動車・家電製品・情報通信機器・ゲーム・スマートフォン・PC・モバイル機器など、幅広い分野に提供されていることが特徴である。企業理念に「人と地球に喜ばれる新たな価値を創造」を掲げ、近年は次世代自動車のコンセプトとして「デジタルキャビン」の開発に挑戦中。車内に電子ミラー、インプット&アウトプットデバイスを統合したドアトリム、大型の天井ディスプレイを搭載するなど、自動運転を見据えた移動のエンタメ化に対応するもの。まさに「未来の自動車」の姿そのものだ。今回インタビューに答えてくれた先輩は、どちらも技術者として入社。現在は主任技師、グループマネージャー、それぞれの立場で活躍している。インタビューを通して、自身が携わる仕事や若手の育成に、楽しみながら向き合っていることがひしひしと伝わってきた。社員の意思を尊重し、理想のキャリアを後押しする制度が充実する同社だからこそ、将来の選択肢が無限に広がっているのだろう。