最終更新日:2026/8/17

京都奉製(株)

業種

  • 繊維
  • アパレル(メーカー)
  • 商社(アパレル・ファッション関連)

基本情報

本社
京都府

取材情報

記事で読む社会科見学

お客様は今後もずっと在り続けていく神社・寺院。安定した環境のもと、挑戦を忘れない

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知られざる御守づくりの世界とは?

京都から日本文化の未来を紡ぎ、想いを形にするものづくり企業「京都奉製」。伝統と革新を融合させ、安定した事業基盤を築く同社で活躍する理系出身の2名に、仕事内容や企業の魅力についてお話を伺いました。

■中村 宏平さん/写真左
デザイン・企画課
生物学部大型海洋生物専攻卒

■谷水 駿斗さん/写真右
生産技術担当
理工学部機械システム工学科卒

今の時代に生きる「御守のデザイナー」が見ている社会

皆さんは神社や寺院に行ったことがありますか?その際、おみくじや御守を授けていただきましたか?当社が手掛ける授与品は、御守袋、その台紙、御朱印帳、御朱印用紙、絵馬など多岐にわたります。変わったところでは、切り絵の御朱印、陶器おみくじ、アクリル製御守などもありますね。こうした多種多様なバリエーションを支えているのが“織物”です。伝統的な京都・西陣織をハイクオリティな技術で表現している点や、紋図の設計からパッケージの設計まで一貫して行うことができる点に、各都道府県を代表する神社を始め、全国5300か所以上のお客様(神社・仏閣)から非常に高く評価をいただいております。

私の仕事は授与品(御守など様々)のデザインで、仕事の基本はご利益(ごりやく)を表現すること。「参拝者様に祈りや願いを込めて大切にしていただけるようなデザインが描けた」と思えたとき、お客様(神社・仏閣)から「前回の仕事ぶりが良かったから、今回も同じ人に頼みたい」と言われたとき、それぞれにやりがいを感じます。また社内の加工場から「作りやすい」と言われることも製造業ではとても大事なことです。デザイナー=スケッチやパソコンの画面に向き合っているイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、一貫生産を行っている当社の場合、デザイナーといえども加工段階までしっかりと考え抜く必要があります。

社会全体の動きに敏感であることも、デザイナーに必要とされる資質です。例えば、近年であれば「コロナ禍」と「インバウンド」という2つのキーワードがあげられます。「コロナ禍」においては「病気平癒」や「疫病避け」のニーズが大きな高まりを見せました。それは「私の仕事の延長線上に参拝者様の安心がある」「不安な気持ちに寄り添い、支えることができている」といった達成感を味わえた時間でもありました。

コロナ禍以降は、神社・仏閣を訪れる外国人観光客を対象とした「インバウンド向けの授与品」が注目を集めています。伝統に培われた様式美は多くの人が認めるところですが、伝統だけにこだわって社会から目をそむけ、歩みを止めてしまえば成長はありません。これからの御守のデザインに求められているのは「伝統を守りつつ、進化を忘れない」ということです。私たちはこれからも「参拝者様の願意や、ご利益」を大切に、新しい工夫も凝らしながら授与品の魅力をより一層高めてまいります。

当社のココが魅力

「当社はこだわりが強いです。魚を例にすると、鱗の細かいところまで表現し光の入り方も追及します。奥行きの出し方も含めて様々な織り方があり、独自性を発揮できます。」

「御守の機械エンジニア」は心のこもった機械の夢を見る

当社を知ったきっかけはマイナビからの紹介でした。「御守をつくっている会社で機械や技術関連の募集がある」と知り、大変興味を持ったことを覚えています。御守や奉製(製造)に関する知識はゼロだったものの、ここでなら大学時代に学んだことを生かして十分に発揮できると思い、入社を決めました。

現在は機械エンジニアとして、現場の機械をどのように直せば作業者さんが取り組みやすいか、新しく導入する機械をどのように生かしていけるかに工夫を凝らしています。また、「生産技術」は生産現場と機械メーカーの“架け橋”にあたる部署。私自身も積極的に現場の声を拾うよう心掛けているところですが、新しく加工しやすい機械を導入したことで現場から喜びの声があがるとやりがいを感じます。機械化を進めることで、製品の品質が向上・均一となり、お客様である神社・仏閣に良質な授与品をお届けし、喜んでいただけることもこの仕事の醍醐味ですね。

その一方で、課題と感じているのは織りの歪みです。俗に「織物は生き物」と表現されますが、糸そのものの状態、空気中に含まれる湿気、そして反物に織られる柄行。これらが複雑にからみあって張力に影響を及ぼし、歪みが生じてしまいます。機械の観点から大事なのは「誰がやっても同じようにできる」ということ。機械的な工夫を凝らして不揃いな歪みを解消することで、参拝者様に「美しい」「幸せ」と感じていただけるような授与品づくりに貢献していきたいと思っています。

私にとって、夢の技術は“完全機械化”。こちらに反物をセットすると、あちらから御守が出てくる。そんな異次元ポケットのような機械が完成すれば、私たちは人の手でしかできない挑戦に今よりもっと向き合うことができます。「機械化はご利益に反するのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「心を込めるために」という想いは変わりません。

昔、両親が私の大学合格を祈り、その想いを込めた御守を授かったときの嬉しかった気持ちを今でもはっきりと覚えています。授かる人のことを想いながら奉製する日々に、誇りを持って取り組めていますし、以前は考えなかった、例えば休みの日に自分の足で神社へ出かけ、出産予定の友人のために安産の御守を授与してもらって渡しに行くことも。仕事を通して身につけた“心を込める”という素敵な習慣を、これからも体現していきたいです。

当社のココが魅力

「京都奉製というチームで取り組めるところが魅力ですね。一人では成し遂げられないことも、職種に関わらず支え合うことでより良いものづくりにつながります。」

2名の意外な素顔に迫る、Q&Aコーナー

Q「生物学出身の中村さん、分野違いでも活躍できているのはなぜですか?」

A
「幼い頃から私の前には常に兄の存在がありました。兄も私も絵が好きでしたが大学の選択で兄は美大を選び、卒業後はトランプのメーカーにデザインとは関係ない職種で就職。その後ろ姿を見ながら、私は『兄とは別の道へ行こう』と、絵と同じくらい好きだった生物を研究するために生物学を学べる大学へ進学しました。しかし結局、生物の研究を極める方ではなく、興味はクリエイティブ寄りに。御守のデザインから製造まで、すべてを手掛けている会社があると知ったときは『これだ!』と心が決まりました。『絵だけなら、私よりうまい人はいくらでもいるかもしれない。けれど、絵以外の、例えば御守の構造を理解するには理系の頭脳が役に立つかもしれない』と考え、その結果は大正解。『絵も描けます』とアピールしたのが功を奏し、当社のデザイン課に配属となりました。元をたどれば文系志向だった私が、兄とは異なる道へ進んだことで、文系と理系両方の考え方を身につけ、今では理系的な思考力で会社に貢献できています。」<中村さん>

Q「谷水さんがプライベートで取り組んでいる、楽器演奏の練習や演奏会と仕事の両立方法は?」

A
「さきほど、機械とご利益は相反しないというお話をしましたが、私にとって仕事と趣味もけっして相反するものではありません。自分の楽器はオーボエといって、『世界でもトップクラスに難しい木管楽器』と言われています。中学生のときに始めて、現在もアマチュアで続けているので10年以上のキャリアがありますが、繊細な楽器だけに、いまだに頭を抱えるほどの難しさや『きちんとしないといけない』と背筋を伸ばしたくなるような厳しさを覚えます。こうした感覚は仕事においてもほとんど同じですね。とはいえ、仕事と音楽の都合が合わないことももちろんあります。そのような場合は直属の上司に相談。なぜそれが必要なのかをきちんと説明できれば、繁忙期でない限り有休の取得もスムーズです。社員のプライベートの充実に、理解のある職場環境だと実感しています。」<谷水さん>

当社のココが魅力

「織りの前段階でゆがみをなくそうとするのがデザインチーム。機械エンジニアチームは織りの後工程=裁断などにAIや画像認識の技術を応用できないか検討しています。」

企業研究のポイント

企業研究において大切なことの一つは、“想像力を身につける”ことです。私事ですが、昔から和装が好きで古い刺しゅうを愛でていると、まるで数十年前にタイムスリップしたかのような気分になることも。時代を超えて今ここにある幸せを、しみじみと感じます。

日本刺しゅうに限らず、どんなサービス・製品にも私のように受けとり手がいます。今、学生の皆さんはお金(学費)を払って勉強している立場ですが、社会人になるとお給料をいただいてサービスや製品を提供する側に変わります。そして、仕事をする上でサービス・製品の受けとり手の笑顔をリアルに想像できるかを考えることは重要です。

また、世の中にはいろいろな業界・職種がありますが、企業選びに悩む方は“自分のやりたいこと”から選択肢を広げていくことも方法の一つ。さらに、「どの会社なら、自分のやりたいことへ携われるか」「人を大切にしてくれるかどうか」を考え、“あなたの成長を見守って、一人の人間として尊重し、厳しくも温かく接してくれるか?”を見極めていただきたいと願っています。そのためには、積極的に会社見学やインターンシップなどに参加して、会社や人の雰囲気を自分の肌で感じることを意識してみてください。
<人事責任者 疋田さん>

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「社内の雰囲気は穏やかで自由」と中村さん(写真右)。一方、谷水さん(写真左)は「皆さん責任感が強く、人柄の良さを感じる」と同社の社風を教えてくれた。

マイナビ編集部から

昭和49年に京都奉製を創業した疋田修造さんが跡継ぎに言い残したのは、「優しい会社にしてほしい」という言葉だったという。そんな同社の企業理念は「私たちは授与品づくりを通じて世の中の人々の幸せに寄与する」。

今回、取材を通して感じたのは2代目社長の疋田聡さんが掲げた企業理念が、社内に隈なく行きわたっていることだった。授与品デザイナーの中村さんは「流行や儲けに囚われて御守が『物』にならないように」と警鐘を鳴らし、「そうではなくて、あくまで大切にしているのはお客様のご利益や参拝者様の願意(がんい=ねがいごと)」と語った。機械エンジニアの谷水さんは「完全機械化を目指す」としながらも、「そこには心がなければいけない。御守を授かるときも渡すときも、心が込められていてこそ気持ちが伝わる」と意味をかみしめる。このように出会った人すべてが「授与品」を「想いが形になったもの」と大切に考え、それを受け取った参拝者がどんな気持ちになるのかに思いを巡らせている。

また、神社・仏閣の授与品と聞くと、どうしても「堅さ」を連想しがちかもしれないが、変化や柔らかさが大切という点も発見だった。「歩みを止めれば成長はない」という中村さんの覚悟に「京都奉製は前進している」と応えた谷水さんの気概が同社の未来を明るく照らす。会社一丸となって品質は厳しく人には優しく、授与品の世界に新しい風を吹き込み続けている。

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取引先の中には西暦3桁から今に続く神社も。脈々と受け継がれてきた歴史と同じだけ遥かな未来に向けて、京都奉製は人材育成・設備投資・事業所拡大を続けていく。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2027に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2028年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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