最終更新日:2026/6/11

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教育DX分野の最前線で、デジタル教材を制作するやりがいを胸に

  • 理系学科系統 専攻の先輩

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教育課題をデジタルの力で解決。子どもたちを笑顔に。

教科書出版の老舗として名高い東京書籍は、近年、教育DXとしてデジタル教科書やデジタル教材の開発に力を入れている。今回は、デジタル教材制作の最前線で活躍している中堅社員にお話を伺った。

日野 綾香さん(DX開発本部 教育システム開発部 第二チーム/2016年入社)
総合理工学研究科 知能システム科学専攻修了

応用数学、CGの研究から教育業界へ。モノづくりを希望して東京書籍に入社

私は大学で数値解析を学んだ後、「もっと社会で実際に使われている技術を研究したい」と思い、大学院進学を決めました。当時はちょうどARやVRを使ったサービスが世に出始めた頃で、ゲームや映画などに使われるCGの動きは数学的、物理的にどうなっているのか、興味を持っていました。

私が研究対象とした手法は、CG技術の1つとして使われていました。しかし、幾何学的なアルゴリズムに基づくものなので、現実世界の物理法則に合う振る舞いになっているかは不明でした。この手法について、物理的なアプローチで研究をしました。新しい分野の最先端の研究には、とてもやりがいがありました。

大学院修了後は一般企業への就職を希望していたので、当初はSler職を視野にソフトウェアの会社などを見ていました。ところが、説明会に行ってもどこかピンと来るものがなく、やりたいと思える仕事に出会えずにいました。そんななかで私は、「すでに企画がある前提でものをつくる仕事ではなく、自分でゼロから何かをつくる仕事がしたいのだ」ということに気付いたのです。そこで、IT系という枠を超えて、企画職、編集職などの職種を中心に、いろいろな分野の企業から自分に合うものを探してみようと方針を変更。そうして出会ったのが当社です。東京書籍といえば教科書の出版社というイメージがありましたが、調べていくと『デジタル教科書』やARを使った商品など、デジタル商品の開発を積極的に行っていると知りました。また、自社で企画をしてモノづくりをしていることもわかり、入社のきっかけとなりました。自分がゼロからつくり上げたものが、日本中の子どもたちに使ってもらえるのは、非常にやりがいのある仕事であると思いましたね。

入社後は、社会人の基礎などを勉強する約10日間の新人研修の後、営業研修も経験しました。営業研修では、教科書など自社の商品をいろいろな高校へ行ってPRしました。『デジタル教科書』やARを使った商品をつくりたいと希望して入社しましたが、他部署の仕事も知ることができたのは良い経験でしたね。その後、7月ごろに正式配属が決まり、希望通りARを使った商品『マチアルキ』をつくる部署からキャリアをスタートさせました。

デジタル教科書・教材の開発について

「社会人になると、学生時代とは異なり、責任と裁量を与えられて仕事に臨むことになります。最初は先輩方に教えてもらいながら学んでいきました」

入社6年目で大規模プロジェクトのディレクターに。やりがいの大きな仕事に全力投球

入社1~2年目は、当時すでに販売されていた『マチアルキ』のリニューアルを担当。まだ右も左もわからない状態で、先輩がメインで担当している企画をともに制作しました。企画を実現するために必要な仕様書やデザイン案を制作したり、先輩の指示のもとで動画を制作したりといった仕事です。制作のスケジュールが非常にタイトで、この時は、学生と社会人の違いをひしひしと感じながら忙しい日々を送っていました。誰が使ってもわかりやすいものであること、商品として正確性が保たれていること、教育的観点から価値を持たせることなど、さまざまな視点から判断をする必要があり、学生の頃との違いに驚いたことを覚えています。『マチアルキ』を担当していた2年間は、商品づくりの進め方だけでなく、仕事の進め方や、配慮の仕方など社会人としての基礎を学ぶことができたと思います。その後、デジタル教科書・教材をつくる部署へ異動となり、家庭科や保健体育のデジタル教科書の制作をしました。

入社6年目の頃より、小・中学生向けのオンラインドリル『タブドリLive!』のディレクターを務めています。前身の『タブレットドリル』は2017年にリリースされましたが、コロナ禍以降、ユーザーが一気に増え、ネットワーク負荷の問題や対応すべき機能がふくらみ、これを解決するために大幅なリニューアルを行いました。既存のものを修正するというレベルではなく、当社の営業が集めた学校の先生方やユーザーの声を反映し、より使いやすいように内容も機能も改善することが必要でした。企画から練り直し、社内の意見を集約して社外の制作会社とともに2024年4月のリリースをめざすという一大プロジェクトになりました。現在は商品を無事リリースでき、導入した学校で子どもや先生が楽しく活用しているという声も聞こえており、仕事のやりがいに繋がっていますね。また「日本e-Learing大賞(最優秀賞)」を受賞することができ、安堵するとともに率直にうれしく感じました。

デジタル教科書・教材の開発について

学校現場で使われているタブドリLive!は、2024年に日本e-Learning大賞(最優秀賞)を受賞しました。

社内外と協働でアイデアを形に。子どもたちが楽しみながら学べる教材を!

当社で企画するデジタル教材は、社内だけで開発するのではなく、外部の制作会社と一緒に行います。まず、営業担当者が先生からヒアリングした意見や、社内で感じているあいまいな課題を洗い出し、社内のプロジェクトチームで対応を検討し、機能や要件に落とし込んでいきます。要求書をもとに、作るシステムの骨組みを制作会社とつくっていきます。この基本の設計が最も重要な作業で、システムや機能、デザインの方向性がぶれないように、皆で認識をすり合わせながら、進めていきます。制作会社から面白い機能や仕組みの提案もあるので、教育的な視点も考慮しながら社内で検討を重ねることもあります。このようにプロジェクト全体を進めていくのが、ディレクターやプロジェクトを進めるメンバーの役割です。

商品を開発するには、仕様に落とし込む力や、ロジックをつくる力、楽しいものをつくろうとする企画力、さまざまな立場の人をまとめるコミュニケーション力など、一定の経験が求められることもあります。また、「このプロジェクトに関わる全ての人が、一つのものを共につくり上げる仲間である」ということを忘れてはいけません。一緒に働く人たちが楽しく仕事に向き合えるように努めるのも、私たちの大事な役割です。一方で、良いアイディアや意見があれば、それをそのまま反映することができるので、年齢や社歴に縛られることなく、やりがいを持ちながら仕事ができる環境です。自分の考えたものがプロの力によって形となったときは、本当に感動します。企画職の魅力の中の1つですね。

開発期間は長く大変なことも多いですが、自分たちが企画したものが多くの人の手を経て完成し、子どもたちや先生方にダイレクトに使ってもらえる。これは教科書もデジタル商品も同じだと思うのですが、東京書籍という会社のいちばんの魅力だと思います。

デジタル教科書・教材の開発について

「ユーザーは子どもたちなので、『楽しい』『面白い』と思ってもらえるための仕掛けも必要。子どもの視点を忘れないようにしています」

企業研究のポイント

社会の急速なDX化に伴って、デジタル技術やデータ活用に興味を持っている方には、さまざまな選択肢が開かれていることと思います。

教育分野でもGIGAスクール構想(全国の小中学生1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組み)を皮切りにDX化が急速に進められています。デジタル教科書や教材の企画・開発への期待がこれまで以上に大きくなっています。そのため、デジタルといっても技術面だけではなく、「日本の教育課題をデジタルで解決したい」という強い思いも、当社で活躍するための鍵となっています。

当社のデジタル系部門のプロジェクトでは、関連する外部企業と一緒にモノづくりを進めていくため、デジタルに関する知識や専門性だけでなく、主体性や企画力、ディレクターとして全体をまとめる力なども身に付けられる環境です。チームワークと幅広いビジネススキルが養われる仕事なので、そうしたことも踏まえて、ぜひ企業研究を進めてみてください。仕事内容や社風が自分に合っているかなど、入社後の姿を想像しながら、多角的に調べてみるとよいと思います。社会人になると1日の3分の1以上の時間を仕事に費やすことになります。同じ時間を使うのであれば、自分にとって面白いことや興味があることを仕事にできると良いですね。ぜひ皆さんも自分の思いを諦めずにチャレンジしてみてください!

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「当社は自発的に動ける人、自分から何かを発信できる人が活躍できる環境が整っています!」

マイナビ編集部から

東京書籍といえば、教科書出版で名を知られた大手企業であり、子どもの頃から同社の教科書にお世話になった人は多いだろう。「出版社」「教科書」というワードからは、どうしても文系のイメージがつきまとう。しかし、同社が今、切実に求めているのはDXに対応できる人材だという。日野さんの話に出てきたように、文科省が打ち出した「GIGAスクール構想」は、コロナ禍で一気に進んだ。そのため、教材のデジタル化は教育出版界の急務となっている。もちろんDXとはいっても、プログラムを組むことは業務の一部でしかないし、全員に必須の能力という訳でもない。制作会社と協力し、求められる内容や機能を開発し、なおかつリリース後の運営まで担当することになる。そうなれば、DXに詳しい人材が必要になるのは自然の流れだ。企画力だけでもなく、DXに詳しいだけでもない。教育業界への関心と情熱、モノづくりへのこだわりなど、あらゆる能力が求められる。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」。理系だからIT業界というイメージに凝り固まることなく、本当にDXを必要としている企業を広く見渡し、そこで存在感を示すという生き方もある。そんな「本当にDX人材を求める企業」の選択肢の一つとして、東京書籍はおもしろいと言えるだろう。

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東京都北区にある本社ビル内風景。ゆったりとしたスペースで、子どもたちのための教材づくりに専念できる環境が整えられている。

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