最終更新日:2026/6/1

平岡織染(株)

業種

  • 繊維
  • プラスチック
  • 化学
  • ガラス・セラミックス
  • 試験・分析・測定

基本情報

本社
東京都

取材情報

探そう!理想の先輩・働き方

新しい膜材料を生み出すことで、暮らしの多様なシーンを彩っていく

  • 化学系 専攻の先輩

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創業120年以上。伝統のモノづくりを継承し、未来を切り開く

平岡織染は現在、繊維と高分子材料を融合させることで、多様な膜材料の開発を手掛けている。研究開発に挑む3人の先輩たちは、いかなる新しい技術を形にしようとしているのか。それぞれの仕事に迫ってみた。

白神 亮さん
生産本部技術部技術第1課
大学院生産工学部応用分子化学科修了
2019年キャリア入社

戸澤 真実さん
生産本部技術部技術第2課
理工学部化学生物化学学科卒
2022年キャリア入社

相馬 宏樹さん
生産本部技術部技術第1課 係長
大学院理工学部物質応用化学科修了
2013年入社

【白神さん】会社横断のプロジェクトでも力を発揮。半年の育休も取得する

私が研究開発を担当してきたのは、横断幕や垂れ幕などに用いられることの多いシートである『インクジェットターポリン』です。日常生活のよく見かける場所で使われており、私がいつも使っているスーパーの入口に置いてあったときは、生活の身近な場面で用いられていることに驚きとやりがいを覚えました。

その中で新人時代から手掛けてきたのは、3種類の製品がある両面印刷品を、一つの製品にまとめていく案件です。両面印刷の場合、裏写り防止が重要な意味を持ちますが、3種類の製品それぞれで独自に工夫が施されていました。それを別の製品に置き換えるとなると加工性の悪化や、色味の違いの発生、防炎性の改善など、非常に多くの課題が持ち上がりました。難易度が高い案件でしたが、経験が浅い段階から解決策を主体的に考えて、実験を繰り返してきたおかげで、この仕事に向き合うための確かな土台が築かれました。

ほかにも高強度膜材やガラスクロスなどを活用した膜材など、総合的に技術にかかわってきたこともあり、2022年からは会社の未来にかかわるプロジェクトにも並行して参画しています。世界的に今、環境に影響があるフッ素系有機化合物を使わないモノづくりが進められており、数年後にヨーロッパでは規制される予定となっています。当社でも現状では屋外に設置するテント倉庫などに吸水防止加工を施すとき、フッ素系有機化合物を使用しているため、今後、別の素材で同様の機能を実現しなくてはならず、その対応に向けて技術を検討してきました。

最初に話を聞いたときには実現は困難だろうという印象でしたが、2年の歳月の間、試行錯誤を繰り返した結果、少しずつ想定した性能が発揮できるようになっています。新しい技術を導入するためには、当社が抱える多様な製品を改めて理解する必要があり、知見を広げるという意味でも絶好の機会となりました。まずはこのプロジェクトを完遂させるのが当面の目標。将来的にはラボに留まるのではなく、工場の加工技術の改善などにもチャレンジすることで、より広範な視野を身に付けたいと思っています。

ちなみに2024年1月には半年にわたって育児休業を取得しました。最初はもっと短期間を考えていたのですが、上司たちが「遠慮するな」と言ってくれたので、しっかりと子供と向き合うことができました。ワークライフバランスの良さも当社の自慢の一つです。

先輩の横顔

白神さんは1年目から難易度の高いテーマに挑み、会社全体にかかわるプロジェクトにも参画している。「自分で考えて、アイディアが出せる人に続いてほしい」と語る。

【戸澤さん】開発から製造まで。モノづくりのすべてに関与できるのがやりがいに

入社以来、私が担当してきたのは『養生ターポリン』と呼ばれる製品です。大まかに言えば、塩ビフィルムと塩ビフィルムの間に基布を挟み込んでつくり上げられており、耐久性や防水性などに優れた素材として、建築現場の養生シートなどに用いられています。営業からはお客さまのさまざまな要望が寄せられており、研究開発を担当する私たちは色味の調整から、防炎性や耐寒性といった機能付加まで、さまざまなテーマで実験を繰り返していきます。

機能を高めるために資材量を多くするのは簡単ですが、ロールで巻いたときにボロボロになってしまう危険性もあります。また、可塑剤を使い過ぎると、ロールからはがれずに使い物にならなくなることも。だからこそ、原料の配合や、製造時の温度・時間管理にも気を配りながら、新製品づくりに臨んできました。

これまで多様な案件に取り組んできましたが、一番印象に残っているのは養生ターポリンの防炎性向上に向けて、定められている厳しい規定に対応するべく、塩ビフィルムの改良に挑戦したことです。一筋縄にはいかなかったものの、なんとか認定が取れるまでにこぎつけられたときは、試行錯誤を繰り返しながら一つの成果に向かって走り続ける研究開発の楽しさを体感しました。

防炎性を高めようとするとどうしてもターポリンの色合いが白色にシフトしてしまいがちで、カタログやサンプルと色が違うという事態も発生しかねません。顔料を組み合わせ、カタログやサンプルと変わらない色に近づけるのには、今も試行錯誤させられています。

お客さまの要望を叶えるべく、研究に研究を重ねた結果、ようやく確かな製法に辿り付いたときの達成感は格別です。当社の場合、工場でモノづくりに関与したり、技術営業的な立ち位置で取引先に出かけることも多く、モノづくりの最初から最後までをすべて見ることができるのも面白みの一つとなっています。

上司も私に裁量権を持たせてくれるので、主体性を持って案件を進めることもできています。ただ、今なお上司に質問しないと乗り越えられない問題も多いですし、コミュニケーション力も伸ばしていかねばと痛感させられています。これからも積極的に仕事を通して学び続け、自分を高めていくつもりです。

先輩の横顔

業種が似ている他社から転職してきた戸澤さん。馴染めるようにやさしく接してくれる上司や先輩がそろっているだけに、新しい環境でも楽しく働き始められたと振り返る。

【相馬さん】防虫性や耐久性を高めることで、膜材の価値をさらに高める

新卒で入社してからの数年間、私は機能性を持たせた膜材の開発に携わってきました。消臭や吸音機能などさまざまなテーマに挑みましたが、1年目から5年目まで主に担当したのが防虫機能を持たせた製品づくりでした。用途としてはテント倉庫を想定していたのですが、防虫機能を持たせるとなるとどうしてもコストが高くなるもの。だからこそ、通常品と比べて差別化できるポイントをつくるのが至上命題となりました。

最終的には防虫機能を長期間にわたって維持していくという方向性が決まり、経験が浅い状態ではありましたが、私が先頭に立って防虫技術を持つ外部メーカーとの打ち合わせを繰り返し、実に4年の歳月をかけて合計3年間の防虫機能を発揮し続けられるスペックを達成しました。苦労が多かっただけに、上市してカタログに掲載されたときの嬉しさは格別でした。

そこからはテント倉庫用の膜材をはじめ、さまざまな素材を用いたモノづくりに挑んできました。この2~3年はテント倉庫の耐久年数を、それまでの10~15年から20~25年程度に上げる研究を精力的に進めています。120年もの歴史がある当社には豊富なノウハウが蓄積されていますし、そこに新しい材料を組み合わせていけば、技術的には問題なく実現できると自信を持っています。しかし、上市する上では国土交通省などの認可が必要で、直近では性能評価機関などとやり取りをする機会が増えています。

こうした開発業務に臨んでいる中では、技術担当者には知識面の獲得に加えて、コミュニケーション力の醸成が欠かせないと思い知らされています。実際、外部機関はもとより、営業、工場などさまざまな立場の人間との対話が、仕事を進めていくためには欠かせません。全員が技術に精通しているわけではない以上、今現在扱っている新技術について、わかりやすく解説する仲介役としての立ち居振る舞いも不可欠です。ちょうど最近、後輩の指導を任せられる立場にもなり、コミュニケーションの重要性を伝える指導を意識しています。

個人商店のように、基本的には技術担当者それぞれに仕事を任せてくれるのが当社のスタイル。しかも、私が1年目で大きな仕事にチャレンジしたように、声を出せばチャンスがつかめる会社です。マネジメント方向に進むのもいいですが、私自身、実務の最前線に立ち続けたいので、これからも声を出してモノづくりに挑むつもりです。

先輩の横顔

相馬さんは部署内のコミュニケーションの場づくりに注力してきた。人とのつながりを大切にする部署づくりを目指している。

企業研究のポイント

■何をやりたいか、軸を決めて企業研究をすることが大事です。ただ、仮に製造業というベースを決めたとしたら、狭い範囲の製造業だけを見てしまうのではなく、全体的な視点で情報を集めるようにしましょう。仕事内容は当然のこと、働きやすさなども含めて総合的に考えて、入りたい企業に出会ってください。大学や大学院で“考える”というプロセスに磨きをかけておけば、異ジャンルの企業でも生かせるものが多いはずです。
<白神さん>

■自分の研究に直結した業界は入り込みやすいでしょうが、全く関連のなさそうな企業を調べていくと、実は専攻の延長線上にあるという発見が得られるかもしれません。視野を広げて企業研究を行って、自分の可能性を開拓してほしいと思います。
<戸澤さん>

■私は生物学出身で、大学院では微生物学を専攻していました。当社の得意とする高分子領域とは無縁の学問でしたが、入社直後から大きな仕事を任せてもらうことができています。専門外だからといって諦めてしまうのではなく、少しでも可能性があるのであれば異分野にも視野を広げて企業選びをしてみるように心がけてください。
<相馬さん>

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何でも意見が言えるフラットな職場環境。コンパクトな組織だけに技術担当者が製造の最前線に関与することも多く、モノづくりの醍醐味をたっぷりと味わうことができる。

マイナビ編集部から

明治末期の1902年に創業された平岡織染は現在、帆布、ターポリン、メッシュといったテント・シート材料を専門とするメーカーとして、国内外にネットワークを張り巡らせている。ニッチな技術ではあるが、同社の手掛ける膜材料は暮らしの身近な場面で用いられており、実際、スポーツ競技場の屋外テント、建築現場の架設用の防風ネット、応援のメッセージを記した横断幕などで同社の技術が垣間見える。

3人の社員たちの話からも窺い知ることができたが、230名程度のコンパクトな組織だけに、社員たちは一つの仕事に特化することなく、幅広くチャレンジしている。よりアクティブに、活き活きと働けるようにと職場環境の整備には特に注力しており、入社当日から有給休暇が10日間付与されたり、本社・大阪支店ではビジネスカジュアルを導入するなど、ユニークな試みを展開している。

とりわけ面白いのは草加と滋賀の両工場に併設されている食堂で、1食216円で昼食を食べることができる。先々代社長が“社員は家族だからこそ、温かいご飯を食べてもらいたい”と話していたことがきっかけとなってスタートしたのだという。温かみあふれる同社の企業文化がひしひしと伝わってくる試みだ。

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工場に併設されたラボには最先端の設備がそろっている。技術系の社員には3カ月間の新人研修を施しており、こうした設備を使いこなせるまでに導いていく。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2027に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2028年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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