最終更新日:2026/6/1

ラサ工業(株)【東証プライム市場上場】

  • 上場企業

業種

  • 化学
  • 機械
  • 環境・リサイクル
  • 機械設計

基本情報

本社
東京都

取材情報

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飲料から半導体やロケットにまで関わっているラサ工業って、一体どんな会社なの?

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化成品、機械、電子材料、3つの事業について解説!

ラサ工業という名前はあまり知られていないかもしれませんが、実はさまざまな産業で同社の製品・サービスが利用されています。ここではそんなラサ工業の事業内容についてわかりやすく解説していきます。

Tさん(左)
機械事業部 営業部 EBW営業課 課長/1998年入社

Sさん(中)
化成品事業部 営業部 東京営業所/2019年入社

Hさん(右)
電子材料事業部 営業課 主査/2004年入社

【化成品事業】飲料から半導体まで、さまざまな産業を支えるリン酸の幅広い用途

化成品事業では主にリン酸の製造・販売を行っています。リン酸とはリンと水素と酸素からなる化合物(複数の元素を合成した物質)であり、金属の腐食を防いだり、逆に腐食させたり、化学反応を促したりする性質があります。金属の防錆剤や化学触媒、食品添加物などの幅広い用途があり、身近なところでは飲料のpH調整剤や歯石予防歯磨きにもリン酸が使われています。

当社で主要な製品の一つとなっているのが、半導体の製造工程で使用されるリン酸です。半導体の製造では、シリコンの基板の上に薄膜の層を作り、その薄膜の一部を削ることで回路を形成します。削る工程はエッチングと呼ばれ、酸やアルカリなどの腐食作用を利用して行われます。リン酸の持つ金属を腐食させる性質も、このエッチングの工程で活用されています。

半導体はひとつの塵の混入でうまく作用しなくなるため、その製造工程では高い清浄度が求められます。当社の半導体用リン酸は精密濾過によって精製されたハイグレードな製品として最先端の技術に貢献しています。半導体はPCやスマホ、カメラ、家電など、さまざまなものに使用されている「産業のコメ」です。その製造に欠かせないリン酸は今後も必要とされていくでしょう。

一方、日本はリン酸の原料となる黄リンについて海外からの輸入に頼っています。産出国が限られており、それらの国の状況や政策によっては、価格が跳ね上がったり輸入できなくなったりする可能性もゼロではありません。このままの状態では、安定供給が困難になることも起こりうるでしょう。また、すぐに枯渇するような資源ではないにしても、将来的に入手困難になっていくことも予想されます。

そこで私たちが取り組んでいるのが半導体用リン酸のリサイクルです。エッチング処理後の廃リン酸を回収し、そこから再度半導体製造に使用可能な品質に再生する仕組みを作ろうとしています。技術はすでに確立しており、現在は実証試験を行っているところです。お客様からの評価で問題がなければ27年頃から量産化したいと考えています。実現すれば、リン酸の安定供給にも繋がり、使用エネルギーの低減・CO2排出量の削減による環境保護への寄与が期待されます。

各事業のここが魅力!

注目されているグローバル企業と一緒に、研究開発段階から仕事をしていけるのが化成品事業の面白いところ。最先端の技術に触れていけます。(化成品事業部)

【機械事業】半導体製造装置やロケットの溶接に利用される電子ビーム溶接(EBW)とは

機械事業では石など砕く破砕機や砂利などを大きさに応じて選別する選別機、トンネルを掘るシールドマシンの製造・販売を行っています。破砕機・選別機は採石場やゴミ処理プラントで、シールドマシンは上下水道や電線地中化、工場の排水トンネルなどの工事で使用されています。また、機械を提供するだけではなく、電子ビーム溶接による金属の溶接加工も請け負っています。

一般的な溶接ではトーチと呼ばれる棒状の器具から火花を出し、その熱で金属を溶かして接合します。一方、電子ビーム溶接は電子の衝突によって発生するエネルギーを利用して接合します。電子を対象物に照射する電子ビーム溶接では、空気中の原子の影響を排除する必要があります。そのため、対象物を真空の部屋(真空チャンバー)のなかに入れた状態で溶接が行われます。

電子ビーム溶接は、クリーンな真空状態かつ電子によって溶接するため、非常に精密な接合が可能です。溶接の際に接合部分が歪になったり内部に微細な空気や異物が入り込んだりすると、強度低下や破損につながります。電子ビーム溶接ではそのような欠陥を防げるため、高度な精密性が求められる半導体製造装置の部品や発電設備の蒸気タービンなどの溶接に活用されています。

当社が手がけている電子ビーム溶接のプロジェクトの一つにロケットの開発があり、現在は燃料タンクの溶接に挑戦しているところです。燃料タンクの接合部に微細な割れ目があれば不具合につながる恐れがあり、大きな圧力にも耐えうるだけの品質が求められる難しい溶接です。お客様先のロケット技術者と協議やテストを行い、一緒に試行錯誤しながら完成に向けて取り組んでいます。

このロケットは人工衛星の打ち上げに使われるものです。先端に積んだ複数の小さな人工衛星を宇宙空間で展開し、一つの大きなアンテナとして機能させます。実現すれば5GやGPSの通信性能の向上に貢献します。うれしいのは、お客様から「一緒に宇宙に行きましょう」といってもらっていること。近い将来完成予定のため、打ち上げの際には「皆で見に行こう」と話しています。

各事業のここが魅力!

お客様の要望を聞きながら技術的検討を繰り返し、一緒にものづくりできるのが電子ビーム溶接の面白さ。当社では国内有数の大型機を完備しています。(機械事業部)

【電子材料事業】生成AIでも活躍、次世代の半導体として注目を集める化合物半導体とは

電子材料事業では、レアメタルであるインジウムやガリウムを高純度に精製し、化合物半導体用の原料として販売しています。化合物半導体とは、シリコンの単一元素で作られた一般的な半導体とは異なり、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどの化合物で作られた半導体のことです。主に携帯電話の通信機やデータセンターと生成AIとをつなぐ光通信デバイスなどに使用されています。

化合物半導体は70年代からLED、LD(レーザーダイオード)、通信用途に実用化されています。LEDは、照明やディスプレイのバックライトなどに使われています。ちなみに日本人研究者によって開発された青色LEDにより白色の光が実現可能となり実用化が進みました。青色LEDには、窒化ガリウムが使われています。LED以外のさまざまな分野でも化合物半導体が使用されており、特に通信用途にはなくてはならない材料となっています。

技術的な難しさや原料価格の高さから、化合物半導体はシリコンの半導体ほど一般化していません。しかし、化合物半導体には電子の移動スピードが速いなどの特徴があります。電子移動の速さは半導体の信号処理の高速化に役立ちます。近年は5Gや生成AIといった高速な信号処理を必要とする技術の登場で化合物半導体に注目が集まっており、今後の市場拡大が予想されます。

また、化合物半導体の原料とは別に、AgXという放射性ヨウ素吸着剤も取り扱っています。福島原発の事故では施設外に放射性物質が放出される事態が発生しました。これをきっかけに規制が見直され、現在では重大事故の発生時にフィルターでできる限り放射性物質を除去してからガスを放出するように定められています。そこで使用されるフィルターの材料がAgXです。

ほとんどの放射性物質は除去する方法があるのですが、なかには難しいものもあります。その一つがヨウ素です。放射性物質の吸着剤でよく使用されるのはゼオライトですが、AgXではゼオライトに銀を組み合わせて吸着力を強化し、高熱・高圧の条件下でもしっかりヨウ素を吸着できるようにしました。実際に一部の原発で採用されており、原子力発電の安全に貢献しています。

各事業のここが魅力!

半導体メーカーも当社製品を採用しています。最先端の技術に触れ、第一線で活躍する技術者たちと一緒に仕事を進めるのは刺激になります。(電子材料事業部)

企業研究のポイント

企業研究では客観的に他社と比較検討できる数値を見ることをおすすめします。できれば今年度だけでなく数年間を見比べることで会社の社風や注力している取り組みが分かります。例えば平均残業時間や有休平均取得日数から働きやすい環境かどうかを判断できます。会社平均勤続年数や3年後離職率を見れば、長く働ける会社かどうかも分かります。有価証券報告書を見比べれば会社が注力している事業が分かりますので、ご自身の専攻を活かし、希望する事業に将来的に携われる可能性が上がると思います。当社の場合は文理問わず全学部の方にご活躍いただいています。無機化学や機械専攻ではない方も多いです。最初は分からないことだらけでも、上司や先輩に丁寧に教えてもらったり、他部署とのやりとりのなかで学んだり、必要な知識は仕事を通じて身につけていける環境です。

また、もう一つ企業研究のポイントとして株価を見ることもおすすめします。これは企業の成長性や安定性を判断する指標になります。当社はこの10年で売上高が倍増し、株価も上昇傾向にあります。ちなみに弊社の福利厚生の一つに持株会があるのですが、持株会で株を購入すると奨励金が支給されます。当社の持株奨励金は現在20%と非常に手厚く、社員の資産形成に役立っています。ラサ工業の事業に少しでも興味を感じたなら、企業研究をすすめていただけるとうれしいです。

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当社の月平均残業時間は7~8時間程度です。プライベートも大切にしながら、ワークライフバランスの取れた働き方が可能です。(人事担当)

マイナビ編集部から

ラサ工業は1911年に創立され、リン鉱石の採掘から事業をスタートさせた。その後、機械事業のもととなる採掘のための機械工作、化成品事業のもととなるリンを使った肥料製造にも取り組むように。1968年には電子材料事業のもととなる高純度無機素材の研究も開始された。化成品、機械、電子材料の3つの事業は時代に応じて取り扱い製品を変えながら現在まで引き継がれている。上記インタビューでは、これらの3つの事業について聞いた。半導体をはじめとしたさまざまな分野で世界的な企業に製品を提供しており、身近なところでも同社の製品が使われていることがわかったのではないだろうか。

ラサ工業では創立120周年となる2033年に向け、「RasaVision2033」を定めた。そこでは新規事業の創出や気候変動への対応、循環型社会の構築などが掲げられている。化成品事業ではリン酸のリサイクルを実用化しようとしているが、電子材料事業においても希少なインジウムやガリウムのリサイクルに古くから取り組んでいるという。天然資源を扱うからこそ、SDGsやESGには積極的だ。同社が顧客とするグローバルカンパニーはサプライチェーンの企業を選ぶ基準としてこうした点も評価する。SDGsやESGへの取り組みは同社の成長性を示す指標ともなるだろう。

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社風の特徴はずばり「風通しの良さ」とのこと。年次や役職にかかわらずコミュニケーションが取りやすく、助け合いや協調を大切にする文化が根付いているという。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2027に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2028年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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