最終更新日:2026/7/13

カミハタ養魚グループ【神畑養魚(株)、(株)キョーリン、キョーリンフード工業(株)】[グループ募集]

業種

  • 農林・水産
  • 商社(食品・農林・水産)
  • 専門店(ホビー・ペット関連)

基本情報

本社
兵庫県

取材情報

記事で読む社会科見学

苦節30年、ついに完成した留守番用フード『ルスタクス』の知られざる開発ストーリー

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開発秘話とともに、生体のプロ「神畑養魚」の魅力も紹介します

2026年2月に発売された『ルスタクス』は、長年にわたる試行錯誤の末に生まれた新商品。実に30年以上におよぶ留守番用フード『ルスタクス』の長く、熱い開発秘話に加え、生体の買い付け・養殖の魅力にも迫ります。

【開発秘話1と2】
■Sさん
2004年入社
キョーリンフード工業(株) 技術開発課

■Tさん
1992年入社
(株)キョーリン 営業部

【番外編】
■Eさん
2004年入社
神畑養魚(株) 生体部

【開発秘話1】「もう無理なのか……」諦めかけたその時、ある原料との出合いから道が拓ける

入社から30年以上、ずっと営業をしています。飼い主が旅行などで家を空ける際に魚に与える留守番用フードの市場ニーズは私が入社した当時からありました。しかし、当社には、それに類する商品がないまま30年以上が経過。なぜなら、何日も水を汚さず、なおかつ、栄養価の高いエサを作るのがとても難しかったからです。私が若手だった1994年に、有人宇宙船で産卵実験用のメダカに与えるエサを当社が開発した際、これを留守番用フードに転用できるかもという機運が高まったこともありましたが、コストなどの面から断念。その後は開発チームから「完成しました!」という声を聞くことなく10年、20年と月日が経過。観賞魚の問屋さんや専門店に営業に行った際に、留守番用フードへの高いニーズを聞き続ける中で、売る商品がないというのは、営業としてもどかしく、悔しかったことを覚えています。(Tさん)

商品開発に関わるようになったのは、今から15年以上前の話です。その時点で留守番用フードの開発にトライした先輩方の残した研究資料が膨大に残っていました。難しい開発になることを覚悟して留守番用フードの開発にチャレンジ。分かってはいましたが、栄養価のあるエサは微生物だらけの水中で腐りやすく、「腐らない」「魚が痩せない」というミッションの両立は“矛盾”に立ち向かうような困難さがありました。さらに開発の難易度を上げたのが、当社の徹底した品質へのこだわりです。私の中で「これくらいでいいだろう」と妥協しそうになっても、テスト結果や試作品に対して上司からOKが出ることはありませんでした

開発手法を変え、配合パターンを変えながら、あっという間に月日は過ぎていきました。「もう無理なのか……」、諦めかけていた頃に出合ったのが「カニガラ」です。水中で長期間腐敗せずに、かつ、魚が消化吸収できる「カニガラ」に着目したことで、開発は次のステージへと到達。「これでいける!」と確かな手応えを得たものの、魚に食べてもらうための嗜好性を分析し、“カニガラ+α”のエサの配合を確定させるまでには、さらに数年の開発期間が必要でした。(Sさん)

学生の皆さんにひと言

「とことんこだわり抜いた商品開発がしたい人にとっては最適な環境だと思います。今でも若手社員の情熱やアイデアから刺激を受けることは多いですね」とSさん。

【開発秘話2】品質に妥協せず! 飼い主が留守を託せるエサ『ルスタクス』は発売直後から反響を呼ぶ

エサの配合という壁を乗り越えた先に待ち構えていたのは、製造という壁でした。製造工程で粒を成型する際、一般的には“つなぎ”として小麦粉などが用いられます。しかし、留守番用フードでは腐敗するため使用できず、特殊な結着剤を用いることになりました。これまでのノウハウが通用せず、きれいな粒の製品を安定して製造するための調整に難航しました。過去に関わった商品開発の中で、今回の留守番用フードは実機を用いた試作回数が最も多いものです。最終的には、安定的に製造できるように品質を若干落とすか、製造の安定性が下がっても品質を維持するかの2択となりましたが、迷わず品質を維持する選択肢をとったことに、当社らしさが表れています。

数々の試練をクリアして、留守番用フード『ルスタクス』は2026年2月に発売されました。開発中には何度もくじけそうになりましたが、諦めずに前に進み続けることができたのは、開発チームの上司や当グループの共同研究施設『山崎研究所』の所長といった仲間に支えられたからです。また、過去の開発品が市場で評価された時の喜びを知っているので、苦しい時も頑張れました。『ルスタクス』は早速、海外で表彰されたと聞いて、受賞のあまりの早さに驚きつつ開発者としてこんなに嬉しいことはありません。発売はされましたが、より安定的に製造できるように、これからも品質改良を進めていきます。(Sさん)

完成した『ルスタクス』を初めて見た時は「さすがだな」と、その品質の高さに感心しました。当社の商品はどれも、営業時にアピールできる付加価値や、商品にこめた“ストーリー”があります。自社商品を100%の自信をもってお客様に提案できるというのは、営業にとって心強く、幸せなことです。まだ発売されて間もないものの、既に反響は大きく、「キョーリンさんの留守番用フードなら間違いないですね」といったお客様の声から、信頼や期待を感じています。そんな商品を開発部門から引き継ぎ、今度は営業として適切に提案していく番です。目標は、取引先のすべての店舗に置いてもらうこと。『ルスタクス』は、そんな高い目標をクリアできるだけの画期的な商品だと思っています。(Tさん)

学生の皆さんにひと言

「生体とフードを扱うグループ会社が三位一体となって、市場のニーズやトレンドを敏感にキャッチしています。わきあいあいとしたチームワークが自慢です」とTさん。

【番外編】グループの中核!観賞魚の輸入・ブリードでも知られる神畑養魚の仕事とは……

神畑養魚は世界中から各種観賞魚、爬虫類、鳥、小動物など数千種にも及ぶ生体を輸入している会社です。また、会社設立時から続く錦鯉の生産に加え、2005年からは熱帯魚のブリーディングも開始。アニメで人気者になった「カクレクマノミ」は生産が難しいとされていますが、当社はそのブリード(養殖)にも成功しています。ここではそんな当社が手掛ける〈海外での生体買い付け〉〈ブリード〉についてお話したいと思います。

まず〈海外での生体買い付け〉ですが、私は多い時は年に8回ほど海外出張に出掛けていました。主な目的は海外取引先(ファーム)の生産状況の確認・選別・商談です。これまで東南アジアのインドネシアやマレーシアを中心に、ドイツ、チェコ、ブラジル、ペルーなどにも行きました。私が初めて海外出張に行ったのは入社4年目でしたが、現在は入社2~3年目の若手にも教育を兼ねて、先輩同行で海外出張に行く機会を設けています

私が特に印象に残っているのはアジアアロワナの選別です。毎年数回は必ずマレーシアを訪問し、現地で選別をしていました。なぜ現地まで行くのかというと、同じ種類でも個体によって体型や模様が大きく異なるから。幼魚から成長した姿を想像し、「これは大きくなるぞ」「きっと美しくなる」と一尾ずつ目利きをして選別していきます。アジアアロワナはCITES(サイテス)種に指定されているため希少な野生動植物の保護対象となっており、輸入手続きも煩雑。当社では法令に従ってすべての手続きを行った後、ペットショップへの電話営業のほか、自社システムのカミハタビジネスオンライン【KBO】を通じて販売しています。

さて、次に〈ブリード〉についてです。当社は2021年にレンテンヤッコの繁殖に成功し、さらに2024年には国内初(※1)となるブラックバンディットエンゼルの繁殖にも成功しました。ブラックバンディットエンゼルはハワイ諸島周辺の海域にのみ生息する希少種で、その美しさから国内外で非常に高い人気を誇ります。しかし近年は乱獲の影響により個体数が大幅に減少し、現在では採捕が禁止されています。これまで産卵には成功していたものの、なかなか孵化には至りませんでした。そこで試行錯誤を重ねた結果、2024年5月に約100匹の孵化に成功しました。今後は安定供給の実現を目指すとともに、さらなる新種の人工繁殖にも挑戦していきたいと考えています。
(Eさん)

学生の皆さんにひと言

「現地での仕入から小売店への販売、情報発信まで幅広く携われるのが神畑養魚の魅力。ペットショップや水族館にも多くの生体を供給する縁の下の力持ちです」とEさん。

企業研究のポイント

カミハタ養魚グループは、観賞魚の養殖・輸出入を行う「神畑養魚」、飼料の開発・製造を手掛ける「キョーリンフード工業」、観賞魚や爬虫類などの飼料の国内外への販売に携わる「キョーリン」の3社によって構成されるグループです。

観賞魚に興味のある学生さんにとっては、カミハタ養魚グループ=生体というイメージが強いかと思いますが、前述したようにグループ内には飼料の製造を行う会社(キョーリンフード工業)もあり、海洋学部や農学部などだけでなく工業系・機械系の人材も活躍しています。また、当グループは各社共通の「大切な生き物を扱うからにはその食生活はもちろん生活環境のすべてにベストな提案をしたい」という基本理念を掲げているのが特徴です。

企業研究では気になる企業の事業内容に一歩踏み込み、入社後にどんな仕事ができるのか、どんな環境があるのかを調べるとともに、企業の人事担当の姿勢にも注目することで学生への思いや人材への熱量もわかると思いますよ。
(カミハタ養魚グループ/人事部 Sさん)

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各社の新入社員が集い、本社にて研修を実施。グループ内での同期入社の絆を深め、カミハタ養魚グループが大切にする「3本の矢」の意識の醸成、継続を目指しています。

マイナビ編集部から

実に30年以上におよぶ『ルスタクス』の開発秘話について、開発・営業それぞれの立場から語ってもらった。開発のSさんが「営業からの期待や商品完成後の喜びの声が、励みになっています」と言えば、営業のTさんは「絶対に良い商品を作ってくれると全幅の信頼を置いています」と返す。2人の言葉から、部署の垣根を超えた絆や商品クオリティへの強いこだわりが伝わってきた。

観賞魚の生体卸と観賞魚フードにおいて国内トップシェア(※2)を誇るカミハタ養魚グループが満を持して発売した留守番用フード『ルスタクス』は、発売するや大きな反響を呼んでいるが、その反響は日本国内だけにとどまらない。同グループの観賞魚用フードは海外約70の国と地域に展開されており、犬猫用フードを含むペットフード業界全体で見ても輸出国の数は国内トップクラス。海外での販売が始まる前から『ルスタクス』は、ペット産業における創造性や品質、革新性を称える海外の賞を受賞し、早くも海外で話題となっている。

品質に妥協を許さず高い壁に挑み、グローバルなステージで評価される達成感が味わえる、そんなやり応え満点の企業だと感じられた取材になった。

(※1)「南日本新聞」2024年9月6日発行
(※2)国内の観賞魚フードシェア53.8% 富士経済「2026年ペット関連市場マーケティング総覧」 観賞魚フードトータルメーカーシェア2025実績

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魚の体重を増やし、かつ、水を汚さないエサへのニーズは万国共通。世界の観賞魚フード市場においても革新的商品だったことが受賞へつながった。

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