最終更新日:2026/6/1

結城信用金庫

業種

  • 信用金庫・労働金庫・信用組合

基本情報

本社
茨城県

取材情報

経営者の視点

「地元とともに心はひとつ」――取り組みのすべては理念を具現化するために

PHOTO

123年にわたり地域とともに歩む信用金庫

理事長 石塚 清博氏

創業から1世紀を超える長い歴史を誇り、茨城県西から栃木小山地域に現在24の営業店を展開する結城信用金庫。地域に親しまれる優良金融機関は、どのような経営方針や理念に基づいて運営されているのでしょうか。同庫の経営方針や特色、今後の展望を石塚理事長に伺いました。

地域と信用金庫は運命共同体。地域の発展なくして成長なし

私たち結城信用金庫は、1902年(明治35年)創業の長い歴史を持ち、今年で124年を迎えます。今、全国に信用金庫は254金庫ありますが、当庫はその中で6番目に古い存在です。なぜこれほど長く続いてきたか理由を挙げると、1つは組織の成り立ちです。信用金庫は会員の出資に基づく協同組織の非営利法人で、地域の発展や会員の相互扶助を目的とすることから、法律により一定の営業地域が定められています。会員は地域住民や地場の中小企業が中心になるため、地域に利益を還元し、地域経済を活性化させることが私たちの存在意義です。

したがって地域社会の発展なくして私たちの発展もなく、地域と信用金庫はまさに運命共同体。当庫はそのことを深く認識し、「地元とともに心はひとつ」という創業以来の理念を大切に受け継いで事業を営んできました。そんな私たちの強みは、お客さまとの距離が近く、一人ひとりに適したご提案や相談対応ができることです。何よりも人と人との接点を大切にしています。

リアルな人との関わりがどんな風か、私が渉外係をしていた頃の2つのエピソードを紹介します。1人は借り換えをしてくださったお客さま。それまでの返済額や期間を確認させてもらうと決して悪い条件ではなく、むしろ当庫に切り替えると毎月の返済額が増えそうだったため、「そのまま継続したほうがよろしいのでは」と提案したのですが、お客さまの強い要望で新しく当庫と取引することに。そのお客さまは体格が良く、常に無表情で口数も少なかったので、若い頃の私にとっては「怖いおじさん」でしたが、ある日この相談をされて内心驚きました。おそらく私が訪問を繰り返す中で人として信用されたのだと思います。今は何の得にもならなくても、長い目で判断し、当庫と取引いただいたことに感激しました。

そしてもう1人、高齢の女性のお客さまからは、ある日の訪問時、「あなたに預けたい」と多額の現金を託され、先述のお客さま以上に驚愕しました。いずれも若く未熟な頃でしたが、お客さまのことを思って懸命に取り組めば、必ず気持ちは通じるんだな、と感じたことを覚えています。当庫での仕事のやりがいはそうした部分が大きく、金融機関と利用者との接点がデジタルに移行するなかにあって、ますます当庫ならではの強みや魅力になっています。

トップの横顔

「文書では根幹が伝わらない」との思いから、職員に向けて話をする機会も多い。顧客との接点で「face to face」をことのほか重視する姿勢も、折りに触れ伝えている。

「実店舗」が持つ価値はどこよりも重い。デジタルによる業務効率化を図り、顧客対応に集中

もちろん情報社会の進展に伴い、当庫でもデジタル技術を活用しています。たとえば渉外係は全員、訪問時にタブレット端末を携行していて、お客さまに必要な情報をその場で確認することにより、よりタイムリーに適切な提案ができるようになりました。また、全店に業務用のスキャナーを導入し、保管書類をPDF化してシステム上に格納しています。これにより紙の書類を探す手間や、保管スペースを用意することもなくなりました。さらにこの3月に新築移転した南支店兼城南支店では、窓口にてお客さまがタブレットに情報を入力する試みを始めています。正確かつ便利に諸手続きを進められ、事務の省力化にもつながりますので、定着したら他店にも横展開する予定です。

ただしこれは、あくまでお客さまの利便性向上や、業務効率化による職員の負担軽減を目的とした活用です。お客さまとの最大の接点が「人」であることは変わりません。ホームページやスマートフォンをアクセスポイントとするネットバンキングのニーズが高まっていますが、現状は対面を望まれるお客さまがかなりのボリュームゾーンですので、まだまだ中核にはなり得ません。働きやすい環境整備が進むことにより、さらにお客さまとの信頼関係構築に専念できるようになったとご理解ください。

そんな当庫にとって「店舗」が持つ価値は重く、古くからの営業店は業務効率化を図りやすい設計にするとともに、より地域に根ざす方針のリニューアルを行っています。新しくなった南支店兼城南支店は、1つの建物に両店が入り、今まで通りお客さまに対応する一方で、事務フロアを共有したことにより後方事務が効率よく進められるようになりました。店舗の外観は結城市に多く残る「見世蔵」をイメージし、情緒豊かな街並みに溶け込んでいます。店内も結城紬の機織り機を展示するなど、金融機関とは思えない造りです。機織り機は外からも見え、また入口にクラシカルな観光案内板を設置しましたので、観光客もよくそこで写真を撮っています。地域の人々に「ユーシンさん」と呼ばれ、親しまれている当庫ですが、今後も、気軽に訪れやすい店舗づくりに力を入れ、地域に深く根ざしていきます。

トップの横顔

「集金を続けるなどのお客さま対応には手間暇がかかるが、そうした関係性の中でしか深い信頼関係は生まれません」と石塚理事長。トップ自らも長年実践してきた。

活躍するための環境整備や投資は惜しまない。信用金庫間の交流も促進

当庫は茨城県西部を中心に栃木県小山市まで、現在24の営業店を展開しています。営業地域の基本的なエリアはほぼカバーしていますので、引き続き今の店舗をしっかりと活用しながら、お客さまとのリアルな接点を大事にしていきます。営業地域は信用金庫としては比較的広域で、県西部といっても広いため法人のお客さまの事業は多岐にわたりますが、多いのは製造業のお客さまです。また地域柄、法人・個人を含めて農業を営むお客さまも多数です。製造業・農業を中心に、幅広いお客さまと接して経験値を積むことができるのが働く上での魅力でしょう。平均して数年に一度くらいの割合で異動がありますが、結城市を起点に、どの営業店も車でほぼ1時間の距離にあり、転居を伴う異動はまずないと考えて差し支えないでしょう。近年では県外からこのエリアの大学に来た方が、地域の魅力に惹かれてそのまま当庫で働くケースも見られるようになりました。

キャリア形成はその人の能力や実績に基づいて適切に評価、配置しています。管理職を目指す渉外係にも女性が増える一方、その方々が長く働けるよう、子育て中の時短制度をはじめ、様々な制度や環境を早くから整備してきました。現在、渉外係のうち3割強が女性で、これは全国の信用金庫の中でも高い比率だと思います。ほとんどが産育休を経て復職し、支店長や管理職に就く方も目立ってきました。優秀な人にどんどん活躍してほしい、そのための教育や支援は惜しまないというのが当庫のスタンスです。

信用金庫は横のつながりが強く、新しい制度や仕組みづくりにも全国254のネットワークをうまく活用して情報を収集、共有するなど連携しています。中でも奄美大島信用金庫とは、5年前に業務提携を締結し、先頃、女性職員の合同研修会を開くなど、女性活躍をテーマにした取り組みに力を入れています。「地域に1つ」の信用金庫の職員は、他庫の職員の話を聞く機会がなかなか無いため、ディスカッション形式の研修会は貴重な経験になったと思います。今後も業務のDX化や他庫との交流促進など、新しいことにチャレンジしながら、「地元とともに」という原点を決しておろそかにすることなく、地域に貢献してまいります。

トップの横顔

趣味は読書とスポーツ観戦。結城市では声をかけられることも多いため、お気に入りのカフェで他の客に混じり、「群衆の中の孤独」を楽しみながら読書に没頭する時間が癒し。

企業研究のポイント

学生の皆さんからは、よく「入庫までに準備しておいたほうが良いことは何ですか」という質問をいただきます。そんな時、私は「何もありません」と答えています。長い歴史の中で改善を繰り返し、時代に応じて進化してきた当庫の新人教育カリキュラムはかなり充実していますので、ゼロからのスタートでも遅れを取ることなく、十分に間に合うからです。社会人として、果たして自分が通用するのかと不安に感じる人は、企業研究において教育制度の内容にぜひ注目してみてください。詳しく調べるほどに不安が解消されることもあるでしょう。

むしろ残り少ない学生時代を、勉強なり部活なり、学生として今やるべきことにしっかりと取り組んでほしい。そんな経験から育まれるヒューマンスキルこそ、当庫では重視しています。当庫で活躍するのは、仕事への意欲の高さは当然として、人の話にじっくり耳を傾けられる人、そしてそれを「自分事」として真剣に考えられる人、また自分の考えを明確に伝えられる人です。どの業務に就いても基本となる力を、学生生活を楽しみながら磨いてください。
(石塚理事長)

PHOTO
様々な研修や親睦会、メンター制度などを通して配属店以外の職員と交流する機会も多い。地元に根ざす信用金庫の一員として強固な絆で結ばれている。

マイナビ編集部から

2025年で123年の歴史を数える結城信用金庫。これだけ存続してきた金融機関は数少ない。法のもと営業地域を限定する信用金庫独特のあり方も長く続いてきた理由だが、決してそれだけではなく、むしろ大きいのは同庫が時代の波に翻弄されることなく、徹底した地域密着主義を貫いてきたからだろう。近年では集金行為はもちろん、実店舗そのものを縮小させる金融機関も目立つが、同庫はその真逆を行く。古くからの店舗のリニューアルも、より地域に歓迎される方向で行っている。

「人対人」を重視するため、人材育成には早くから力を入れ、新人のマンツーマン教育やメンターによるサポート、通信教育、資格取得支援などの各種制度を構築し、時代とともに洗練させてきた。最近では業務効率化を目的とするDXも推進し、現場の職員がますます顧客対応に集中できる環境を整えている。インタビューでは石塚理事長が、渉外係時代のエピソードを実に楽しそうに語ってくれたのが印象的だった。ライフプランや経済活動に偏らない金融を通して、地域のために働きたい人に最適な環境と言えるだろう。

PHOTO
2025年春に新築移転し、再出発した南支店兼城南支店。結城市の街並みに溶け込むその佇まいは、「地元とともに」という同庫の理念の具現化である。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2027に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2028年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

トップへ

  1. トップ
  2. 結城信用金庫の取材情報