最終更新日:2026/7/15

(株)丸島アクアシステム

業種

  • プラント・エンジニアリング
  • 機械
  • 環境・リサイクル
  • 金属製品
  • 建設

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大阪府

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人命と国土を守る──津波の流れで起立する「流起式可動防波堤」の開発秘話に迫る!

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押し波も引き波も、無動力で作動という難題に果敢に挑む!

東日本大震災以降高まる都市防災ニーズ。同社は津波対策の新技術・本邦初「流起式可動防波堤」を京都大学他7者と共同開発。誕生秘話や開発の裏側、今後の展望などをプロジェクトの中心メンバー・半田さんに伺った。

■半田 英明さん
技術本部 技術開発室
1972年入社

入社後は数多くの水門等の設計に携わり、20年前から技術本部で新技術・新製品の開発に注力。近年では、押し寄せる津波の力で起立する「流起式可動防波堤」を京都大学他7者と共同で開発。実証実験をクリアし、実用化に向けて全力で取り組んでいる半田さん。小さい頃からプラモデルを単に組み立てるのではなく、パーツをイチから手作りしていたという。仕事で模型や実験装置を製作することが多く、そのスキルは大いに役立っているそうだ。

東日本大震災以降、防災ニーズが急増。津波対策の画期的新技術「流起式可動防波堤」を開発

東日本大震災において、東北地方から関東地方にかけての太平洋沿岸を巨大な津波が襲い、甚大な被害を受けました。以降、都市防災ニーズが急増し、津波対策の新技術の開発が急務となったのです。そこで水門などの分野で国内トップクラスのシェアを誇る当社の技術力を生かして開発したのが「流起式可動防波堤」です。

この設備の大きな特長は、巨大地震などで電力等のインフラが遮断されても、津波により生じる水流の力だけで起立することです。通常時は扉体が海底に倒伏していますが、津波が発生した場合、人の操作なく津波の流れのみで自動的に扉体が立ち上がり、防波堤としての効果を発揮します。また、流れの方向に依存しないので、津波発生時の押し波、引き波のいずれの場合でも起立でき、人や物が外洋に流されるのを防止します。津波がおさまると元通り海底に沈み、船の往来が可能になるほか、構造および機構がシンプルなので、初期費用・維持費用ともに低コスト化が図れるというメリットもあり、津波対策の画期的新技術として各方面から注目を集めています。

私のワークスタイル

「この世にないモノをつくりあげていく上で心がけているのは、常に考え続け、決してあきらめないこと。継続するうちに必ず何かヒントが見つかります」と半田さん。

おもちゃの「ぱたぱた」がヒントになり、“完全無動力”という超難題をクリア。画期的新技術を創出

湾口部に設置される防波堤には、船の航路を確保するために開口部が必ず設けられています。押し寄せる津波は開口部から簡単に湾内へと流れこむため、この開口部対策は長年の大きな課題。当社も長きにわたって、その対策に向けて新技術開発に取り組んできました。
私が「流起式可動防波堤」の開発をスタートしたのは今から13年前の2009年。当時、先行していた他社の構造が複雑で空気圧も利用していたため、もっと簡単なものはできないかと考えを巡らせていました。「無動力」「地震の影響を受けにくい構造」「押し波、引き波の両方に対応可能」など、クリアすべき超難題は山積み。何か良い解決方法はないかと考えていたときにふと頭に浮かんだのが、小さな頃に作ったおもちゃの「ぱたぱた」。この構造が大きなヒントになり、超難題をクリアし、画期的新技術を生み出すことができました。

しかし、最初から上手くいったわけではありません。苦労したのは形状です。何個も作ってはデータ取りを繰り返す毎日。最初の実験では大きな流れがないと立ち上がらず、試行錯誤の連続でした。4年の歳月をかけていろいろ改良を重ねていくうちに、ようやく小さな流れでも立ち上がるしくみをつくりあげることができたのです。その後、港湾空港技術研究所や京都大学に模型を持参して新技術の説明を行ったところ、高く評価していただき、今から9年前の2013年に京都大学他7者との共同研究会が発足しました。

私のワークスタイル

小さい頃からモノづくりが大好きで模型製作は大得意。良いアイデアが浮かんだらすぐに模型を製作します。柔軟な発想力と機動力でこれまで40件以上の特許を取得しました。

一刻も早い新製品の実用化によって、南海トラフなどの巨大地震による津波被害を阻止したい!

共同研究会では、2013年から9年計画で「流起式可動防波堤」の実用化に向けて取り組んできました。自動的に起立するかどうか、起立するのはどうしてなのか、どんな流速で起立するのかなどの機能・性能確認を実施。津波再現水槽で1/200、1/50模型実験、さらにより実物に近い1/10模型による最終実験を2015年に無事完了しました。実験結果からも、「流起式可動防波堤」の性能・機能の確かさを立証でき、その成果は港湾空港技術研究所資料(含:技術・設計マニュアル)の発刊や沿岸技術研究センター論文として公的に発表されました。現在、全国自治体等において実際の物件に適用する検討が具体的に進められており、一刻も早い実用化によって、南海トラフなどの巨大地震による津波被害を阻止できればと考えています。

小さい頃に遊んだおもちゃの「ぱたぱた」から発想した自分のアイデアが新技術として確立されただけでもうれしかったのですが、ここまで大規模な長期プロジェクトに発展し、まるで夢のようです。技術者として大きなやりがいを感じています。今後は「流起式可動防波堤」を津波だけでなく、高潮にも対応できるように技術検討を行っていきたいと思っています。

関西万博の京都ブースに「流起式可動防波堤」を出展しました!
9月8日から1週間、関西万博の京都ブースにて「流起式可動防波堤」の模型を展示しました。
“いのち”をテーマにした京都ブースの一角として、津波から人や暮らしを守るための新しい防災技術を紹介させていただきました。
展示期間中は京都ブースだけで約8万人の来場があり、想像以上の反響にスタッフ一同驚きつつ、たくさんの方に技術の仕組みや役割をお伝えできました。
「早く実用化してほしい」「身近に設置される日が楽しみ」など前向きなご意見も多くいただき、技術開発を続ける励みになりました。

私のワークスタイル

一番上の板を回転すると板がパタパタとひっくり返っていく不思議なカラクリおもちゃ「ぱたぱた」。半田さんはこれをヒントに難題をクリア。画期的新製品を生み出しました。

企業研究のポイント

「ナンバーワンよりオンリーワン」──これから企業研究に取り組む皆さんには、著名な企業でなくとも、その企業にしかない技術があり、そういうところにぜひ目を向けてほしいと思います。モノづくり企業にとって、独自技術・製品があることは大きなアドバンテージになるからです。

当社は90年以上の歴史と実績を誇る水門や水処理プラントなどの専門メーカーです。私もこれまで水門の設計や防波堤など数多くの新製品開発に携わり、まだこの世にない独自技術や製品をたくさん生み出してきました。取得した特許は40件以上。会社全体だと270件以上にも及びます。当社の開発環境の自由度は高く、何かアイデアを思いついたらすぐに模型を製作して具現化できるのも技術者にとってはおもしろいところ。私も模型づくりが趣味だったので、好きなことを仕事にできて毎日がとても充実していますね。技術開発室では若手からベテランまで幅広い年齢層の社員が活躍していますが、モノづくりが大好きで好奇心旺盛なメンバーばかり。独自技術・製品を開発するために日々不断の努力を続けています。

企業を探すとなると、つい知名度の高い企業に目が行きがちですが、素晴らしい独自技術をもつ優良企業も多数あります。ぜひそういった企業にも注目してほしいですね。幅広い視野を持って企業研究するなかで、当社に興味を持っていただけたらうれしいです。

【技術本部 技術開発室 半田 英明】

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各分野のスペシャリストたちが揃う技術本部。抜群のチームワークで独自の新技術・新製品を創出。国土強靭化に向け、超ビッグプロジェクトに次々と挑んでいます。

マイナビ編集部から

1928年の創業以来、水門や水処理プラントなど水インフラの専門メーカーとして、数々のビッグプロジェクトを手がけてきた丸島アクアシステム。「水を活かし、水に生きる」という創業者の言葉の通り、人々の生活に不可欠な「水」に関わる企業として、水にこだわる姿勢を貫き続けている。「水」に特化したメーカーならではの高度な技術力を生かし、多くのダムや河川、上下水処理場などに設置される水門、水処理・水環境事業などを展開。特に水門事業分野の歴史は長く、国内トップクラスの実績を誇っている。

近年では、津波対策に貢献できる完全無動力の「流起式可動防波堤」を京都大学他7者と共同で開発するなど、新技術・新製品の開発にも意欲的。今後もあらゆる変化に対応しながら「新事業・新分野・新システム」へ挑戦し続け、まずは「100年企業」、そしてさらなる飛躍をめざすという。

そんな同社で技術者として働く魅力は、若いうちからスケールの大きな仕事に携われることだ。全国のダムや河川の水門、水処理プラントなどビッグプロジェクトばかり。各分野のスペシャリストたちがチームワークを発揮し、より良い製品をつくり出している。その最前線では若手技術者も多数活躍中だ。今回の取材を通して、常に好奇心を持って前向きに知識と経験を積み重ねていけば、今回取材にご協力くださった半田さんのように画期的な新技術・新製品を生み出すことも夢ではないと感じた。

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押し寄せる津波の流れの力だけで起立する「流起式可動防波堤」を京都大学と共同開発。実証実験をクリアし、現在は実用化に向け、各自治体などで検討段階に入っています。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2027に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2028年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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