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特別インタビュー

理系就活生が陥りやすいミスは? 理系就活生は何をアピールすればいいの? 研究と就活を両立させるためのポイントは?――多くの理系就活生の相談に応じてきた人事・経営コンサルタントの増沢隆太さんに、理系就活生の傾向と就活成功のポイントについてお聞きしました。

論理的思考に慣れている理系学生も、就活ではオカルト志向に!?〜理系就活生の現状

学生の皆さんにとって、就職活動は人生で初めての経験です。未知の世界に挑むのですから、文系学生も理系学生も自分で調べ、対策を考え、試行錯誤しながら取り組んでいくことに変わりありません。大学のOB・OGや両親など、就活を経験している先輩もいますが、筆記試験や面接などの選考対策において、昔の情報には、現在の就活準備には当てはまらないこともあります。そもそも、技術は日々進化しているのですから、特に技術職や開発職を目指す理系就活生は最新の情報を入手して、対策を練ることが大切です。

しかし、情報の収集・分析に慣れているはずの理系就活生も、就活ではその強みをまったく発揮できていないケースが少なくありません。口コミを信じ、内定を得た友人のやり方を鵜呑みにする学生もいます。それは、あくまで友人の成功例に過ぎません。科学的に証明されていないことを理系の世界では“オカルト”と呼ぶこともありますが、理系就活生はこの“オカルト情報”を信じてしまう人もいます。

就活は、学科試験の点数で合否が決まる大学受験とは違います。そもそも、企業が必要とする人材を採用することが新卒採用のミッションですから、大学受験のように白黒はっきりつけられるような基準ではないのです。その企業にとって「良い人材」だと判断すれば採用するし、そうでなければ不採用になる。つまり、白や黒ではないグレーゾーンが出てくるわけです。就活を大学受験と同じように捉える理系就活生の中には、このグレーゾーンを理解できずに就活がうまくいかないケースも少なくありません。

客観的に企業を比較・分析し、スケジュール管理を徹底せよ!〜理系の就活戦略

それでは、理系就活生はどのような戦略をもって就活に挑むべきなのでしょうか。第1にスケジュール管理。研究活動で忙しい理系就活生にとって、就活と研究の両立は大命題です。「就活が解禁される3月1日に始めればいい」とあぐらをかいている学生もいるようですが、スタートが遅いととても不利になります。逆に、就活解禁日までに業界研究や企業研究を済ませておけば、3月1日からスムーズに動けます。研究を軸に置きながらも、上手にスケジュール管理をして就活の準備をしておくべきです。

また、志望企業の組み立て方にも戦略が必要です。誰もが知っている人気企業ばかりにエントリーしていたら、選考過程に進む率も低くなってくるでしょう。場合によっては全滅もありえる。大学受験で本命校や実力相応校、安全校を組み合わせてスケジュールを組んだように、企業選びも戦略的に行いましょう。一部の人気企業に学生が集中するのは、企業知識が圧倒的に不足しているからです。特にBtoB企業を知らない学生が非常に多い。BtoB(Business to Business)企業の中にも優良企業はたくさんあります。知名度にとらわれず、客観的なデータを比較・分析して志望企業を絞り込んでいきましょう。

また、専攻分野を活かせる仕事に就きたいと志望する理系就活生もいると思いますが、大学での研究内容がそのまま仕事になることはごくまれです。大切なのは、大学生活で培ったスキルを、社会に出てどのように応用していけるか。理系の場合は、日々の研究で取り組んでいる“情報を収集・分析し、成果・結果を導く”というプロセスを、志望する企業でどのように生かせるか。この点を十分に考えた上で、企業にアピールしていきましょう。

面接はスピーチ大会ではない。ありのままの自分を評価してもらおう

理系就活生は、情報を収集・分析して成果や結果を導く力を日々の研究で磨いています。これはまさに、社会が求めるスキルそのもの。応用・転用する力さえあれば、理系就活生の力を社会で活かすことができます。しかし、就活は決して甘くはありません。最近は早期に内定を得て就活を終えるケースと、いつまでも内定を得られずに長期化するケースに分かれる傾向があります。まじめに大学生活に取り組み、論理的思考力を鍛えたとしても、早期に選ばれない可能性もあり得ます。だからといって絶望することはありません。選ばれなかったら、次は選ばれるよう努力すればいいのです。優秀な人から採用されていくのは、社会の厳しい現実。そこを冷静に受け止めましょう。

選考には落ち着いて臨みましょう。緊張を恐れる必要はありません。口ごもったり、うわずってしまっても、企業はマイナス評価をしません。もし、頭が真っ白になってしまったら、「申し訳ありません。最初から説明させてください」と堂々と話を戻せばいいのです。面接はスピーチ大会ではないのですから、キレイな言葉を話す必要はありません。あなたの言葉で、あなたが取り組んできたことを正直に話せばよいのです。

最後に、院生の就活についても触れておきましょう。文系学生に比べれば、修士課程に進む理系学部生は少なくありません。特に企業の研究職を目指すのであれば、修士課程修了以上は一般的には欠かせない条件です。さらにそこから博士課程に進み、研究を究める学生もいます。ビジネスにおける研究開発の世界では、博士(Ph.D)がグローバルスタンダードだといわれる中、こうした流れは国内においても、博士課程を修了した人材を求める企業が増加傾向にある点で裏付けられています。「博士課程は就職に不利」といわれるのは、博士だから不利なのではなく、個人としてマッチングが成立しなかっただけです。学部や修士の学生で不採用になるのと理由は同じです。一般論に惑わされることなく、理系学生は必ず自分で情報を確認して下さい。

採用活動がスタートする前の段階で、できるだけ早めに信頼できるソースにあたり、正確な情報を収集・分析して就活の戦略を練っておくこと。理系就活生の武器でもある論理的思考力をアピールすること。この2つを抑えておけば、就活が成功する確率が高まります。理系学生であることに自信と誇りをもって、戦略的に就活を行って下さい。

プロフィール

増沢隆太
戦略人事コンサルタント

増沢隆太
戦略人事コンサルタント
ロンドン大学大学院修士課程で戦略と戦争を研究。
外資系企業数社を経て、人事コンサルタント会社起業。
全国の大学や企業で戦略的キャリアとコミュニケーションの講演やセミナーを行う。マイナビTVにも出演。
約10年、東工大でキャリア担当の特任教授を務めた。日本初の理系専用就活ガイド「理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術」他、著書多数。
コミュニケーションの専門家としてテレビ、ラジオでコメンテーターも務める。
理系のための 戦略的就活術 http://rikei.rm-london.com/

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