学生のための就職情報サイト

メインビジュアルタイトル

理系就活の全体像

就職活動と一口にいっても、進め方はさまざまです。理系と文系に加え、最近は文理融合的な学部・研究科も加わる中、この「理系就活の進め方」では広い意味で「理系的」学問をする分野の学生に共通する就職活動について「理系就活」として解説します。
なぜ「理系就活」として独自に考える必要があるのでしょうか。

それは理系と文系では、採用する企業が期待するものが異なるからです。この違いを無視して、理系学生が文系学生と同じようにエントリーシートを書いたり面接で受け答えをしても、企業側の「期待に応えていない」ことになります。さて、ビジネスの世界では、目的に沿って手段を選ぶ考え方を戦略思考と呼びますが、就職活動でも企業の思考方法と同じ考え方で無駄なく就職活動を進めていきましょう。まずは理系就活の全体像を理解していただき、後に続く各コーナーで具体的な対策を把握してください。

戦略的な取り組みのために

理系学生の場合、大学での勉強時間とそれに伴う拘束時間が文系学生より圧倒的に多いのが普通です。結果として文系学生のようにサークルやアルバイトに時間をかけられることはまれで、結果的にエントリーシート(ES)でよくある「学生時代に打ち込んだこと」でも、サークルネタ、バイトネタが使いづらいのは珍しくありません。しかし、そんな大学生の鉄板ネタを封じられたらどうすれば良いのでしょう。

理系学生ならではの強みをPRすればいいのです。

エントリーシートも面接も、「正解を当てる」試験ではありません。過去に採用された学生のエントリーシートをそのままコピーしたようなものが通ったとしても、面接では確実に見抜かれ立ち行かなくなることでしょう。

この「理系就活の進め方」では、就職活動の本質を各コーナー(@就活準備編(自己分析プラスα)編 A企業研究編 Bエントリーシート編 C面接編)に分けて解説していきます。「たまたま通った」だけの成功談ではなく、多くの方が共有できる、本質的な戦略観に基づく就活の手法です。
まずは理系就活の全体像を4つの視点で説明します。

1.専門分野と専門外分野

文系にはない選択肢に「専門分野」就職があります。文系の専門分野である法学、経済、文学などを仕事にできる人はほんの一部の人だけ。法学部を出て司法試験に受かる率を考えれば、文系の専門分野就職がいかに例外的なケースか想像できるでしょう。文系学生は専門外就職が圧倒的な多数です。
逆に理系は機電情(機械/電気電子/情報)に代表されるように、専門に勉強した分野の延長上に進むのは王道ともいえるキャリア選択です。

しかし機電情の学生であっても、勉強した専門分野とは別の領域で仕事をする人は少なくありません。また一旦は配属された先が入社後に異動で変わることなどいくらでもあります。理系の専門外就職は、実は誰にも可能性のある選択肢なのです。

2.スケジュールのポイント

多忙な理系学生にとって、スケジュール管理は何よりも重要です。授業についていくだけでも大変なうえ、就職活動は学生の都合を考えてくれません。大学との両立は大変なことだろうと思いますが、それを乗り切る力こそ、企業が理系学生に期待しているものともいえます。
実際に会社に入れば、1つの仕事や自分の専門の仕事「だけ」をするという人はまずいません。1つのタスクをこなしながら、別の新たなタスクが入り、さらには専門外の業務も追加される「マルチタスク」を処理できることが求められます。 授業を受けつつ実験をし、その準備や片付けをしながらゼミ発表も行い、さらにサークルやアルバイトそして就活も行わなければならない理系学生は、日頃からマルチタスク処理能力を訓練されています。だからこそ理系学生は企業にとって欲しい人材なのです。

現時点で2019年卒の就職活動も2018年卒同様のスケジュールで進むことが確認されています。キーポイントは2つ。
3月1日の企業エントリー開始と、6月1日の選考開始という、2つのポイントの意味を理解することです。 3/1は就活のスタートではありません。3/1に「よーい、ドン!」でスタートするには、走る前からトレーニングや準備をして臨む必要があります。「ドン!」でスタートダッシュを切るために、その前からの準備は欠かせないのです。 逆に毎年のように就活で大苦戦する人が出るのは、このタイミングを間違って理解し、3月1日を過ぎてから準備を始めるからです。

ただし、早い準備が大切だからといって、日ごろの勉強そっちのけで就活だけに奔走するのは本末転倒です。実際、6月1日から選考が始まった時に、しっかり勉強しておかないとどこかで見たようなアピールや、中身のないアピールしかできなくなります。プロの面接官はこの辺りを一発で見抜きますので、理系の強みを活用するには、日頃の勉強や研究こそが絶対に欠かせない条件と言えるでしょう。

3.採用選考のプロセス

そもそも新卒学生の採用とはどのように行われるのでしょう。学生側から見ればエントリーやWebテストなどが選考で、面接で確定するという学校のテストと似ているように見えるかも知れません。大事なことは就職活動は企業からすれば採用活動という立派な事業活動であるということです。学生を試したり、説教するために採用をしているのではなく、事業活動の一環として取り組んでいるのです。人材確保という成果を会社に求められているのを忘れずに企業の人はみな仕事として接しているという大原則を忘れないでください。

OB・OG訪問などすることもあるでしょうが、そこにいるのは単に同じ大学の卒業生である以上に、その企業の社員の方です。仕事上マイナスになるようなことは絶対に避けたいのが社員である以上当然なのです。

つまり先輩だからというだけでろくに企業研究もせずに話をしたり、礼儀をわきまえない態度だったりすれば、「ダメな学生」という報告が社内に届けられる恐れもあります。ダメな後輩を自分が招き入れたように会社に思われたら損するのはその先輩です。会社員として評価をされるべく行動するのが会社員の当然の行動規範。どれだけ親しく接してもらえても、社員の方は全員面接官だと思って接しましょう。

STEP1

活動準備期(6月〜翌年2月)

この時期には、学部3年や修士1年になり、まだ就活は本格的には始まらないものの、インターンシップやOB・OGの方が大学に来て交流会なども開かれるでしょう。 一方的に企業の人が説明するだけでなく、座談会やお茶を飲みながら歓談することもあります。こうした直接的なコミュニケーションの機会も「企業の人は誰でも面接官」という心づもりで臨んでください。アポをドタキャンしたり無礼な態度を取れば、ひっそりとその記録は残る可能性があります。
STEP2

活動前期(3月〜5月)

3月1日は就職活動が始まる日ではなく、具体的な行動開始の日です。
企業は広報活動として直接学生と接して説明会を開くことができますので、面接ではなくとも好感触を感じる学生には目星をつけておき、面接への招き入れをするかも知れません。3月1日から行動できなければ、そうした流れにも乗り遅れます。
STEP3

活動後期(6月〜9月)

6月1日は選考開始の日です。活動前期からコミュニケーションをしていた学生の中には、ぜひ入社してほしいとのメッセージを受け取ることになるでしょう。あくまで非公式な説得ですから、会社の一方的意思だけで決まるものではありません。
逆に入りたい会社とこうした関係性が活動前期に築けていれば、就活の成功はもう見えています。ここでも早め早めの行動が有利です。6月1日から選考活動が始まると、残る枠はどんどん減っていきます。
STEP4

確定期(10月以後)

10月1日に内定式を行う企業は多いのですが、ほとんどの学生は既に「内々定」を得ているので、これはほぼセレモニーであることが多いのが実情です。
しかし、まだこの時点でも内定を持たない学生もいます。一方、企業側も予定していた採用枠が充足していないとこともあります。こうした学生と企業間で就職活動はまだ続くのです。一部の企業は留学生や海外大生を対象とした秋採用という枠を設けている場合があります。
しかし、今や引っ張りだこのグローバル人材である外国人、海外大生に対抗して採用されるだけの自信がないなら、この時期に懸けるのは無謀です。順当に3月1日スタートダッシュできるよう、しっかり準備をするのが結局一番の早道であり、有利な道と言えるでしょう。

4.科学的思考、論理的思考で取り組もう

科学を勉強する皆さんですから、就職活動にも科学的に取り組むのがオススメです。就職活動に関しては、ウワサや都市伝説含めいろいろな情報が飛び交います。しかし個人の経験や伝聞で構成されるそうした情報はほとんど信頼に足りません。仮に理系の先輩のブログや情報であっても、その人の環境と全く同じ人はいません。

何より就活は正解を当てるテストではありません。数値化の難しい生きた人間という存在と、日々環境変化の中で生きている企業の職務というこれまた非線形な存在のマッチングです。内定者の話を参考にするのは良いですが、そのエントリーシートをまねたところで採用されるものではありません。
内定をたくさん取った人の話も本当かどうかなど確かめようがなく、仮に真実だったとしても、その情報はその時のその学生だけにあてはまる条件で、大学も学部も(学部と院も違う)、何より別人格の人と同じ行動を取るなど、正に非科学的だと言えます。

マイナビ2019や業界研究本など、内容が精査された信頼できる情報源は、こうした噂や都市伝説とは全く違います。企業の自社サイト、特に上場企業のサイトであれば法律的にも虚偽を書けない、信頼できる情報源です。

実験結果についての分析力や情報ソースの読み取り能力は理系学生に企業が期待するものの1つです。噂や情報を聞いても鵜呑みにせず必ずその元を確かめ、それが信頼に足らない程度のものであれば、無意味な情報だと考えて無視できるよう、科学的就活を心がけましょう。
しっかり情報を吟味する、「科学の眼」を忘れないでください。
攻略すべきポイントは「企業に採用したい」と思われるため、説得力ある志望動機と自己アピールを準備すること。そのために理系の勉強を通じて身に付けている専門性は大きな武器です。科学的思考、論理的思考は理系の優位点なのです。

監修 増沢 隆太(ますざわ りゅうた)

戦略人事コンサルタント。東工大で約10年特任教授としてキャリア指導。現在は全国でキャリアやコミュニケーションの講座を行う。著書は日本初の理系向就活ガイド「理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術」他多数

理系学生のための就活ノウハウ

01理系の就活準備

02理系の業界研究

ページTOPへ