プロフェッショナルの仕事

がん治療に関わる化学療法を担当。
福島県南エリアの地域医療底上げにも挑む。

上釜宝志さん

2012年入社。国際医療福祉大学薬学部薬学科卒業。福島県白河市の白河厚生総合病院に勤務する薬剤師。所属する薬剤科では、化学療法担当としてがん患者を中心に対応。地域医療を支えながら、がん治療に取り組む。

がん患者の気持ちに合わせた、服薬指導を意識。

白河厚生総合病院の薬剤科で化学療法を担当。主に抗がん剤の管理に携わり、レジメンの登録・管理や抗がん剤のミキシング、患者の薬歴管理と服薬指導に取り組んでいます。
取り扱う抗がん剤は100種類以上。抗がん剤治療は「安全・確実・安楽」に行われる必要があるため、間違いは許されません。化学療法に携わってからは薬剤師としての責任感を強く意識するようになりました。
また、がん患者に服薬指導を行う際は、薬の効果や副作用を伝えるだけでなく、患者の信頼を得て不安や悩みを聞き出し理解することも大切です。そこで重要になるのがコミュニケーション能力。患者に対する接し方や言葉遣いに気を配るようになりました。
がん患者にとっては、薬の効き目よりもそのときの気持ちの方が重要なこともあります。しっかり病気と向き合ったうえで薬の内容を把握していただけるよう、これからも時間を掛けて信頼関係を築き、指導にあたっていきたいです。

処方箋に合わせて必要な薬を選び出します。
1日100〜120件の処方箋に対応。

レジメンを事前審査する、院内チームでも活動中。

2016年からは「チームレジメン」にも参加しました。化学療法を運用するにあたり、携わる医師・看護師・薬剤師は各レジメンに精通し、安全に業務を遂行しなければなりません。そのため、レジメンの厳正な審査・運用が何より大切で、標準的で統一された様式で行う必要があります。そこで医師から申請された治療法に対し、1〜2レジメンあたり約1カ月を掛けて審査します。薬剤師の主な役割としては、制吐療法やその他のプレメディケーション、溶解用の輸液メニューなどを決定しています。審査結果は上位組織である化学療法委員会に提出され、取り入れるべきか判断されます。大変な半面、やりがいも感じながら取り組んでいます。
職場は医師や他部署スタッフとのコミュニケーションも良好で、上司や先輩にはよく相談に乗っていただいています。学会への出席や勉強会への参加にも予算が付いているので、医療に関わる最新情報も取り入れやすくなっています。

どんな薬を使うか、後輩に助言。患者の状態
に配慮しながら薬の種類を決めていきます。

がん治療に関わりたくて、地域の連携拠点病院を選択。

福島県で働いている私ですが、実は鹿児島県の出身。そんな私がここに就職したのは、がん治療に関わる薬剤師を目指していたからです。白河厚生総合病院は福島県南エリアの医療を支えており、がん治療に関しては地域の連携拠点病院にも指定されています。ここでなら、がん治療に携われると考えたのです。
他の就職先も考えましたが、首都圏には優秀な医療人がたくさんいること、逆に地方では人材が不足していることを踏まえ、自分が行くことでわずかでも地域医療のレベルを上げられるなら地方にいくべきだと考えるようになりました。
今は白河で働いていますが、これから系列の病院に異動する機会があるかもしれません。その際は勉強する機会と考え、前向きに捉えたいです。
今後については化学療法に関する資格を取りたいと考えています。2017年で実務経験5年の条件もクリアできる見通しです。こちらも本腰を入れて取り組んでいきます。

カウンター越しに薬を手渡す上釜さん。使用
方法などについて丁寧に説明していきます。

Message

就職活動には、自分がどんな医療人になりたいのかを突き詰めて取り組むべきだと思います。どんな専門性を追求するのか、よく考えたうえで活動することが大切でしょう。そのうえで自分の意志をしっかり伝えられれば、希望する環境で働けるかもしれません。私の場合は面接時にがん治療への思いを伝えたことで、運よく希望の病院に配属されました。就職先が決まるだけでなく、みなさんが希望する仕事に取り組めることを祈っています!