薬学生のための業界・仕事研究 製薬業界の開発職として働く

製薬業界って、どんな業界? 開発職って、どんな仕事?

これまでになかった新しい薬剤を世に送り出す

製薬会社にとって、新薬開発は企業の存続に直結するほどの最重要事項です。そこの部分に直接的にかかわるのが研究・開発職であり、きわめて大きな責務を負っています。企業によって研究職と開発職の位置付けは微妙に異なりますが、研究職は新薬候補となる物質(シーズ)を見つけることに注力するのに対して、開発職はそれを世に送り出すまでのすべてをコーディネートする仕事だと言えるでしょう。
多くの患者が待ち望む新薬を、有効性や安全性を証明してスピーディーに市場に送り出すことが開発職の使命です。臨床開発(治験)の全体のプロセスを把握しながら、どのようにプロジェクトを進めていくかというプランを立案し、進行を管理していきます。最近では、ドラッグラグを解消するため、海外の製薬会社と共同で治験を進める機会も増えています。
責任やプレッシャーの大きな仕事ですが、「自分の手で新薬を世に送り出した」という達成感は、何物にも代えがたいやりがいとなるでしょう。

製薬業界の開発職を
志望している先輩

6.2%

2019年卒マイナビ薬学生アンケート
(2018年3月/回答数354)

先輩たちはどれくらい製薬業界の開発職として就職している?

全体の3.3%の先輩が製薬業界の開発職として就職

製薬業界の開発職として就職した先輩方は、全体のわずか3.3%です。高いレベルの資質を求められ、採用枠自体も多くないため、製薬会社の研究職と並んで狭き門ということができます。ただ、「新薬開発に携わりたい」との希望を実現したいのであれば製薬会社にこだわらず、治験をサポートするCRO/SMOへの就職を検討することも1つの道でしょう。

実際に製薬業界の
開発職として就職した先輩

3.3%

薬学教育協議会:「就職動向調査結果報告書」平成29年3月
6年制学科卒業生就職状況

現場社員はどんな働き方をしている?

新薬承認申請へ至るまでのプロセスを管理

治験の実施にあたっては、被験者を守るため、新薬候補物質の有効性や副作用を正確に調べるため、厚生労働省が定めたGCP(医薬品の臨床試験の実施基準)という厳格なルールがあります。製薬会社の開発職は、こうしたルールや関連法を遵守しながらプロジェクトを進めていく必要があるため、高い規範意識や倫理観が求められます。
近年では、治験のプロセスの一部をCROへアウトソーシングすることも多くなっており、その場合の開発職はCROとの連携窓口としても機能することになります。また、実際に治験を依頼する医師ともミーティングを重ね、患者の様子や症例報告などの情報を収集していきます。このように、関係する各方面をコーディネートしながらプロジェクトを前に進めていくためには、膨大なエネルギーが必要です。
海外の製薬会社と共同治験を進めたり海外の論文を読んだりするため高度な語学力が求められることも多く、そのレベルの高さがキャリアアップにつながる可能性も高いでしょう。

POINT

求められる
適性は?

  • 多種の専門家の間に立ってコーディネーターとしての
    調整能力を発揮できる
  • ルールや法律を遵守する規範意識や倫理観を備えている
  • 専門分野を含めて、突っ込んだ議論ができる語学力があれば
    キャリアアップに有利