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仕事に挑戦することで人は何を得るのか?

皆さんがこれからさまざまな仕事に挑戦する中で、成功と失敗は避けて通れないといえるでしょう。物事がうまく運ぶこともあれば、必ずしもそうはならないこともあるからです。では、挑戦した仕事が成功または失敗したとき、そこから何を学び、次にどう活かすのが望ましいのでしょうか。仕事への取り組み方や向き合い方について考えてみましょう。

「自己PR」や「志望動機」のベースをつくる

就職活動をして社会人になる学生の皆さんに、一度考えてほしいことがあります。「仕事とは、人に何をもたらすのでしょうか」。あるいは、「私たちは何のために働くのでしょうか」。根本的な問いかけではありますが、これらを考えることは、エントリーシートや面接などの選考の際に必ず求められる「自己PR」や「志望動機」を用意するためのベースになるからです。自分は何のために働くのか。何を目指して働くのか。目的意識を明確にしておかなければ、どんな仕事をしたいのか、どんな企業で働きたいのかも見えてきません。

また、実際に就職してからも、仕事には「成功と失敗」がつきものです。たとえ成功しても過信してはいけません。たとえ失敗したとしても、そこから立ち上がらなければいけません。挑戦をして挫折することだってあるかもしれません。そんなときに自分を戒める、あるいは支えてくれる「軸」となる考えが必要なのです。この「軸」があるかどうかによって、あなたの人生は大きく左右されます。

では、私たちは何のために働くのでしょうか。仕事によって得られるものは、大きく分けて2つあります。1つは、「生活の安定」です。人は、まず生きていかなくてはいけません。雨風をしのげる住居で暮らしながら、食事や睡眠を取ったり、生きるために必要なものを買ったりします。このごく当たり前の生活を送るためには、お金が必要です。収入を得るため、生活を安定させるために働くのです。基本的なことですが、まずはこれが働く目的となります。

アメリカの心理学者マズローは、人間の欲求を5段階の階層で理論化しています。第1の欲求は「生理的欲求」。食べたい・寝たいなどの本能的・生理的な欲求。第2の欲求は「安全欲求」。経済的な安定、健康の維持、快適に過ごすことなど、安心・安全な暮らしへの欲求を指します。つまり、人が働いて「生活の安定」を得るというのは、この2つの欲求を満たすことを指しています。

マズローの欲求5段階説

達成感につながる「自己成長」と「社会貢献」

仕事によって得られるものとは何でしょうか。もう1つは「達成感」です。何かを成し遂げることによって、私たちは精神的な充足を得ることができます。この「達成感」を獲得することも、仕事をするうえでの、あるいは仕事を選ぶうえでの重要な目的といえるでしょう。就活生の皆さんも、想像してみてください。苦労を重ねて取り組んだ仕事に達成感を感じられなかったら、その仕事を続けていくことは難しいのではないでしょうか。

学生時代に取り組んだアルバイトや学校行事の運営においても同じことがいえるはずです。「人はパンのみに生きるにあらず」という言葉があります。人は物質的な満足だけを目的として生きるものではなく、達成感を得るという精神的なよりどころも必要なのです。

そして、この「達成感」につながるものには2つの種類があります。1つは「自己成長」です。その仕事を通じて、自分のやりたいことが実現できる。自分の夢がかなえられる。目標が達成できる。そんな自身の成長によって、人は精神的な充足感を得られるものです。自分の能力を最大限に発揮して創造的活動ができれば、第5の欲求である「自己実現欲求」が満たされます。マズローの欲求5段階説では、これが人にとって最も高次の欲求とされています。

もう1つは「社会貢献」です。仕事を通じて世の中に貢献することによって、社会の一員としての自己認識が高まります。人は、自分自身のために生きるより、他人のために生きる方が満足感は大きいといわれています。学生の皆さんにも、部活動などでチームや組織の期待に応え、自分を成長させることによって、周囲から認められ、感謝され、達成感を得られた経験を持つ人がいるでしょう。他者貢献をすることによって、第3、第4の欲求となる「社会的欲求」や「承認欲求」なども満たされるのです。

自分がどんな仕事をしたいのか分からない。何を目標にすればいいのか分からない。そういう人は、まず「社会貢献」を入口にして、業界・企業研究を進めていくのも、1つの方法です。他者に貢献する仕事を続けていくことによって、自分のやりたいことが明確になるのです。そういうケースは非常に多く、むしろ世の中で活躍しているビジネスパーソンの大半がそうかもしれません。

仕事によって得られるもの

生活の安定と達成感、どちらも選択できる人生をつくる

生活の安定と達成感、どちらを重視すべきかは、人それぞれのライフステージや環境によって異なります。例えば親の介護をする必要があり、時間を確保しながら生活を支えていかなくてはならないときは「生活の安定」に主眼を置くべきでしょう。逆に自由に動くことが可能なら、自分がやりたいことをやり、「達成感」を得るために仕事をするといいかもしれません。あるいは、まだ自分のやりたいことが明確になっていないのなら、まずは生活を安定させることから始めてみましょう。

いずれにしても、私たちの人生には波があります。企業の業績にも波があります。そして、あなたのライフステージも変化します。異動、転職、結婚、出産、育児、介護などによって、ライフサイクルを変えなければならないタイミングもあります。今は人生100年時代といわれています。長い人生、何が起こるか分かりません。人生のどんな場面にも対応していくためには、「選択できる人生」をいかにつくっていくかが大切です。

車の運転に例えると、自由に仕事ができるときは、アクセルを踏み込んでどんどん加速して成長を目指していけばいい。出産や育児など、家庭の事情があるときは、アクセルを緩めて少し安定しながら進む。病気などの何か大きなトラブルがあったときには、車を止めて休む必要もあるかもしれません。ビジネスには、成功と失敗がつきものです。「達成感」に主眼を置きたくても、できないときもあるのです。

自由に動けるときは、自分のやりたいことに一生懸命打ち込む。そうでないときは、生活の安定のために仕事を行う。このどちらでも生きていけるようなキャリアを、意識的につくっていくことが大切です。選択できる人生をつくる。この観点を持つことによって、仕事選びの基準も変わってくるのではないでしょうか。仕事をする目的も、人生の場面ごとに変化していきます。就職活動という目先の困難をどう乗り越えるかを考えることも必要ですが、人生を成功させるために、長い目で将来を考えてキャリアビジョンやライフビジョンを描くことも重要です。

まとめ

・仕事によって得られるものは「生活の安定」と「達成感」の2つのベクトルがある
・「達成感」は、「自己成長」と「社会貢献」によって満たされる
・「生活の安定」と「達成感」、どちらも選択できる人生をつくっていくことが大切

(画像素材:PIXTA)

監修者プロフィール

沢渡 あまね

1975年生まれ。あまねキャリア工房代表。業務プロセス、オフィスコミュニケーション改善士。日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社を経て2014年秋より現業。経験職種は、広報、情報システム、ネットワークソリューション事業部ほか。現役時代、残業だらけのシステム運用チームを定時帰りの職場に変えた経験がある。
現在は企業や自治体で働き方改革、社内コミュニケーション活性、業務プロセス改善の支援・講演・執筆・メディア出演を行う。著書に、『仕事ごっこ』『仕事は「徒然草」でうまくいく』『職場の問題地図』『マネージャーの問題地図』(技術評論社)、『運用☆ちゃんと学ぶシステム運用の基本』『新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!』(シーアンドアール研究所)などがある。

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