プロフェッショナルの仕事
PROFESSIONAL WORK

薬剤師の専門性を活かした情報発信で
薬局と社会の関わりを深め、広げたい
田橋(タバシ) 美佳さん
2005年入社。共立薬科大学薬学部卒。管理薬剤師兼ストアマネージャーを務めると同時にHIV感染症薬物療法認定薬剤師として幅広く活動中。
学び続けることで知る、薬剤師として求められる働き方

薬剤師がお客様のためにできること。
その可能性を広げるために学習が必要です。
入社以来、総合病院の門前であらゆる診療科目の処方せんにふれ、勉強させてもらっています。実際に見る症例は、教科書には載っていないことがあまりにも多く、入社15年目の今でも日々勉強です。
同じ一つの病気でもいろいろな症状を訴える方がいて、同じ調剤をしても痛みの起こり方が違うため、お客様の話から学ぶことがたくさんあります。病院での限られた診察時間の中で、副作用はもちろん、在宅医療にかかるサインについても、薬局で感じ取らなければなりません。一歩踏み込んで話を聞き、提案できるように、薬物治療にとどまらず、その後のケアも含めた治療全体を学ぶ必要があるのだと感じています。
在宅のお客様へ訪問服薬に伺う機会も増えています。病院の先生に報告すると新鮮に受け止められ、質問をいただくようになりました。お客様に在宅治療の選択もあることをアドバイスするなど、病院と薬局、お客様の間での地域連携の橋渡しも、薬剤師ができる可能性を感じ始めています。
HIV認定を通じて広がったネットワークを、未来へと

学びが多く恵まれた環境にいることは
スキルアップの励みになり、そして楽しい!
現在の薬局で初めてHIV患者の服薬指導にあたり、メインの医療機関の医師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーとお互いの顔を見ながら話し合いができるようになったのは大きな前進です。そこから、近隣の医療機関、薬局、ドラッグストアで活躍する薬剤師のネットワークが広がり、勉強会の開催や、学会への参加機会が増えました。その中で周囲の勧めもあり、2012年10月にHIV感染症薬物療法認定薬剤師を取得できました。
実務実習に来る学生さんにHIVの話をすると、治療について習ったことはなく、医療費や制度、お客様の生活まで踏み込んで考える機会は多くなかったと言います。HIVについては、医療人の卵である学生さんだけでなく、多くの人に正しく理解してもらいたいと思っています。
また、先進国で日本だけがHIV患者が増えている事実にショックを受け、性教育から取り組む必要があると考え、出身高校の先生に頼んで学園祭で講義をさせてもらったこともあります。学校と連携して授業ができる機会も増やしたいですね。
お客様との対話のため、成長できる風土をつくる

専門性をもって活躍する田橋さんは、後輩や
お客様の信頼も厚いムードメーカー。
2013年7月から人事制度にスペシャリストコースが新たに創設され、その一期生として会社のサポートを受けることで、認定薬剤師の活動に弾みがつきました。自ら学び、研究したことを発信していくことが目標ですが、それは私に限らず、これからの薬剤師に求められることです。
薬局では、調剤や服薬指導などの通常業務に加えて、スタッフのスキルアップ、業務遂行のサポートなど、人材の育成もしていく立場ですが、全ての仕事がお客様との対話を深めるためにやろうと決めたこと。カンファレンスや勉強会を開いて学習していく中で、後輩たちがお客様と会話が続いているのを見ると、みんなも成長しているなと感じます。
薬局のカラーをつくることも仕事ですが、在宅を専門的にやりたいとか、疼痛緩和を身につけたいとか、自分の目指すものにアンテナを張り、お互いに刺激し合って学習する風土ができているのは嬉しいことです。見守るだけでなく、私自身ももっと積極的に勉強を続けたいと思います。