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AI開発のプロセス

AI開発のプロセス

さまざまな技術が
AIの進化を支える

AIの進化の背景に、機械学習とディープラーニングという技術があったこと、また、AIには膨大な学習データが不可欠であることはすでにご紹介しました。しかし、AIが2000年代に飛躍的に発展した背景には、ディープラーニングの他にもある条件が必要でした。皆さんは、「ビッグデータ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ビッグデータとは、一般的なデータ管理・処理ソフトウエアで扱うことが困難なほど巨大で複雑なデータの集合のことです。AIの学習には、このビッグデータが不可欠だったのです。それでは、どれほど巨大なのか? 皆さんが使っているスマートフォンの記憶容量はいくらくらいでしょうか? 最新式だと64GB(ギガバイト)~256GBくらいでしょう。パソコンはどうでしょう。ノートPCだと512GBくらい、デスクトップPCだと1TB(テラバイト=GBの約1,000倍)~2TBくらいでしょう。しかし、ここでいうビッグデータとは、少なくてもTB単位のデータが最低限必要で、一般的にはペタバイト単位(TBの約1,000倍)のデータが求められるといわれています。

さまざまな技術がAIの進化を支える

しかし、これほど巨大なデータを収集し処理するためには、やはり技術的な条件が整っている必要がありました。1つはインターネットというインフラです。インターネットが普及したからこそ、効率的にさまざまなデータを集めることができるようになったのです。また、ハードウェアの進化も不可欠でした。集めたデータを保存するためのコンピュータの記憶容量が急激に増えたこと、データを処理する速度が大幅にアップしたこともプラスの材料となりました。これらの条件が2000年代に整ってきたからこそ、AIは飛躍的に進化することができたのです。

機能・目的に応じた多彩なAI

飛躍的に進化したAIによって、これまで人間がやっていた仕事がどんどんAIにとって代わられようとしています。では、AI技術を活用した製品はどのように開発されるのか。ここでは具体的なプロセスを見ていきます。

皆さんは、AIと聞くと、人間と同じように何でもできるロボットのようなイメージを持つかも知れませんが、実はAIは、1つひとつ個別の機能を持ったシステムです。たとえば、AI炊飯器。天候によって保温を調整するAI機能が搭載された製品の場合、天候を判断しているのはAIですが、保温機能やお米を炊くといった本来の炊飯器の機能はAIではありません。一方、いくつものAIが複合しているものもあります。たとえば「Pepper」くんのようなロボットであれば、人の会話を聞き取るAI、音声をテキスト情報に変換するAI、返答を導き出すAIなどが合わさってできているのです。一口にAIといっても、音声認識技術、自然言語処理技術、画像処理技術、音声合成技術、情報検索技術、文字認識技術など、さまざまな技術があり、機能や目的に応じてAIを活用しているわけです。

これらの技術を使ってAI製品はどのように開発されるのか。AI炊飯器では、「天候と湿度を測定する」→「その結果を後段の処理で扱える形式に変換する」→「変換されたデータを判断して最適な保温の温度を推定する」→「それを炊飯器に伝えて、目標の温度に保つ」という4つのタスクがあるわけですが、このうちのどのタスクをAIで置き換えるのかを考えながら製品は開発されるわけです。もちろん、人間がやっている仕事をAIに置き換えようとする場合も同じです。すべての仕事は複数のタスクで成り立っているので、まず人間がやる仕事を細かくタスクに分類し、どの部分をAIにやらせるのかを考えながら開発が進められます。

AI開発の舞台裏

少子高齢化が進む日本では、人材不足を解消するために、さまざまな仕事をAIに置き換えようとする動きが加速しています。具体的な例をご紹介しましょう。たとえば、コールセンターの業務です。皆さんもスマートフォンやパソコンなどのトラブルで利用されたこともあるでしょう。なかなか電話がつながらずにイライラしたという経験もあるのではないでしょうか。このコールセンターの業務をAIに置き換えることができたら、問い合わせや質問ももっと気軽にできるに違いありませんね。

では、コールセンターの業務をタスクで分類するとどうなるのか。コールセンターの担当者は、「電話を受ける」→「お客様の要望が何かを知る」→「その分野のオペレーターにつなぐ」→「解決方法を示唆する」というフローで一連の業務を行っています。しかし、このすべてをそのままAIに置き換えることはできません。AIは万能ではないからです。では、この4つのタスクのどこをAIに置き換えたら人間が楽になるか、効率化できるかを考えてみましょう。たとえば、お客様の要望を聞いて専門のオペレーターにつなぐタスクは、分類が得意なAIに任せてはどうでしょうか。もちろん、この業務をAI化するためには、お客様の話を聞いて音声をテキスト情報にするAI、そのデータを基に何番のオペレーターにつないだらいいかを判断するAIなども必要になってきます。

つまり、人間の仕事をAIに置き換えていくには、人間がやっている一連の仕事がいくつのタスクに分けられるか、その中のどれがAIにできそうかを判断する必要があります。そのためには、業務内容だけでなく、AIの能力の可能性と限界についても十分に理解しておく必要があります。

コールセンターのタスク分解 コールセンター

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