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業界研究

食品業界

業界の現状と展望

変化の兆しがうかがえる食品産業

調味料・油・小麦粉などの食品原料や、パン・菓子・冷凍食品などの加工食品、ビール・清涼飲料水・コーヒーなどの飲料を開発・製造し、消費者に提供する食品業界。消費者のニーズに応じた、安心・安全でおいしい食品を提供することで、豊かな国民生活の実現に貢献している。
農林水産省の「農業・食料関連産業の経済計算」によれば、2017年における農業・食料関連産業(食品製造業・関連流通業・外食産業など)の国内生産額は前年比0.3%増の116兆8,454億円となっており、これは、全経済活動の11.4%を占める大きな規模だ。

「食」は人間にとって欠くことができないだけに不況に強い産業とされているが、少子高齢化が進む国内食品市場については決して楽観できる状況とは言い切れない。電子レンジを使わないなどの節電・エコを意識した食品市場、健康食品市場、高齢者向けの介護食市場、食事の宅配といった成長が見込まれる分野の発展が期待されている。
また、大手メーカーを中心に海外市場での展開も加速しており、伸びしろのあるアジア諸国新興国において、現地法人の設立や現地食品メーカーの買収などを進めている。

2019年12月には、中国が、これまで禁止していた日本産牛肉の輸入を一部解禁すると発表。同国では、食の多様化に伴い牛肉の消費量が増加しており、巨大市場中国への輸出は大きなビジネスチャンスとして期待されている。

求められる「食の安全」への高レベルでの意識と対応

徹底した衛生管理が求められる食品業界。「食の安全」については高い意識が必要不可欠だ。近年、食品に金属片やプラスチック片、虫、カビなどの異物が混入していたとして、メーカーが自主回収するケースが増えている。

数千万個単位の個数で自主回収するケースもあり、異物混入による自主回収は、企業経営においても大きな影響を与えることになりかねない。SNSなどを通じて異物が混入している写真やメーカーとのやりとりを録音した会話などの情報が拡散する可能性もあり、対応を誤ると、これまで築き上げたブランドイメージや信頼を一瞬にして失ってしまうことになる。食品メーカーには、製造の質だけでなく、その後の対応も高いレベルが求められている。

業界関連用語

●植物肉
大豆などの植物性の材料を使って作られた人工肉で、ハンバーグやハム、ソーセージなどがある。世界各国で研究・開発がすすんでおり、見た目や味わい、食感は、肉とあまり変わらない商品も登場している。健康志向動物保護の高まりもあって、植物肉への関心は高まっており、世界的にも需要が急増している。2034年に植物肉の市場規模が1000億ドル(約11兆円)を超えると試算している大手金融機関もあり、肉不使用のバーガーの試験販売を始めたり、メニューを検討したりする大手飲食店チェーンもある。

●特定保健用食品(トクホ)と機能性表示食品
双方とも、健康への働きを表示できる保健機能食品だが、2つの食品の大きな違いは国(消費者庁)の審査の有無。特定保健用食品は、事業者が最終製品によるヒトでの試験を実施、科学的に根拠を示した上で申請し、食品ごとに許可を取得する。一方で、機能性表示食品は、最終製品による試験は必要なく、文献や論文の引用によって科学的根拠を示せる。製品開発にコストと時間がかかる特定保健用食品に対し、機能性表示食品は既存の文献や論文を引用でき、消費者庁への届出が受理されれば商品を販売できる。

●賞味期限と消費期限
農林水産省の定義によれば、お弁当や洋生菓子など、長く保存が利かない食品に表示されているのが消費期限。開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、食べても安全な期限を示している。
一方、スナック菓子・缶詰・ソーセージなど、主に常温や冷凍で、比較的長期間保存が利く食品に表示されているのが賞味期限。開封していない状態で、表示されている保存方法に従って保存したときに、おいしく食べられる期限を示したもので、賞味期限を過ぎると食べられなくなるわけではない。

●昆虫食
将来的な食糧不足に対する有益な対策の1つとして考えられているのが昆虫食だ。国内でもイナゴやハチの子が食べられていることは知られているが、アジアや南北アメリカ、アフリカなどの国々でも古くから昆虫が食されており歴史は意外と古い。たんぱく質ミネラルなどの栄養価が高く、牛や豚などの家畜と比べて小規模な土地で養殖できるなどメリットも大きいため、グローバル規模の大手食品企業も昆虫食に注目している。

どんな仕事があるの?

【食品業界の主な仕事】
マーケティング
市場をリサーチ・分析し、新商品の開発や既存商品のリニューアルを考案する。商品の魅力を消費者に伝え、購買意欲をかき立てるようキャンペーンの企画・立案なども行う。

商品開発
原料の選定から、調合、賞味期限の設定など、工場での生産システムの検討を行い、商品を作る。

営業
スーパーやコンビニエンスストアなどの小売店に自社商品を売り込む。売上をアップさせるため、キャンペーンなどの企画も行う。

広報
マスコミや消費者からの問い合わせに対応する。消費者との接点が多く、近年の食の安全に対する関心の高さから、誠実かつ迅速な対応が求められる重要なポジションといえる。

※原稿作成期間は2019年12月28日から2020年2月28日です。

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