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芸能・映画・音楽業界

業界の現状と展望

新しいメディアを上手に取り込むことが成長のカギ

新しいメディアを上手に取り込むことが成長のカギ

古くからテレビ・ラジオ・出版などのマスコミ業界との関係が強い芸能・映画・音楽業界だが、これらの業界でもインターネットやSNS、パソコンやスマートフォン、タブレット端末といった新しいメディアやツールとの連携による、さまざまな変化がもたらされている。こうした新しいメディアをいかに上手に取り込んでいくかが、生き残りと成長のカギとなっている。

大ヒット作に恵まれるも、新型コロナウイルス感染症の影響で減収に

新作映画の企画立案から脚本作成、出演者への交渉などを行うのが「映画制作会社」。
完成した作品の権利を買い取って映画館に提供したり宣伝したりするのが「映画配給会社」。そして観客に向けて上映するのが「映画館運営会社」だ。1本の映画が観客の元に届くまでには、数え切れないほどたくさんの人たちが関わっている。

日本映画製作者連盟の「日本映画産業統計」によると、2019年の全国映画興行収入は、洋画・邦画ともにヒット作に恵まれ、2,611億8,000万円と過去最高を記録した。そうしたさなかに起こった、新型コロナウイルス感染症の拡大。3密の回避が叫ばれ、映画館は一時的に休館を余儀なくされた。
2020年の国内興行収入は前年比45.1%減の1,432億8,500万円、入場者数も同45.5%減の1億614万人と大きく落ち込んだ。邦画・洋画別に傾向を見ると、邦画の公開本数は506本(2019年は689本)、洋画は511本(同589本)と、いずれも減少。興行収入は、邦画は前年比23.7%増、洋画は76.3%減と、洋画の落ち込みが激しい。

邦画では、毎年安定した興行収入を記録する『名探偵コナン』(2019年の作品は93億7,000万円)など公開延期となる作品が多かった。10月に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が365億5,000万円と、かつてない記録的な大ヒットとなったほか、『今日から俺は!! 劇場版』の53億7,000万円など、ヒット作もあったが、落ち込みを完全にカバーすることはできなかった。
洋画では、いわゆる大作や話題作の公開はなかった。10億円以上の興業収入があったのは、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の73億2,000万と、『パラサイト 半地下の家族』の47億4,000万円など4作品のみ。前者は2019年12月、後者も2020年1月とコロナ禍以前に公開された作品だ。
なお、映画館スクリーン数は2019年の3,583から2020年は3,616に増加している。人気作品の上映とともに興行収入は回復すると思われるが、引き続きソーシャルディスタンスの確保は求められる。映画制作も含め、映画業界には工夫が求められそうだ。

音楽ソフトは減少傾向だが有料音楽配信は順調

音楽業界には、CDやDVDの制作・宣伝を行う「レコード会社」を中心に、新曲のジャケットやプロモーションビデオなどの制作を手掛ける「制作会社」や、アーティストのマネジメントを行う「マネジメント会社」、ライブツアーやコンサートを企画する「イベント会社」などがある。
一般社団法人日本レコード協会の「日本のレコード産業2020」によれば、2019年の音楽ソフト(オーディオレコード+音楽ビデオ)の総生産数量は前年比7%減の1億8,067万枚/巻、金額は同5%減の2,291億円となった。オーディオレコードでは、CDアルバムが数量は前年と同じで金額では同1%減の1,133億円、CDシングルは数量が同11%減の4,336万枚、金額も同8%減の362億円となった。近年注目を浴びているアナログディスクの数量が同9%増の122万枚、金額では同3%増の21億円と6年連続の増加となった。
音楽配信の売上は、前年比10%増の706億円と2年連続の2桁増。ダウンロード数量が前年比12%減の9,429万ダウンロード、売上は同12%減の225億円と、ともに2桁の減収となったが、ストリーミングが引き続き好調。ストリーミングの売上は、前年比33%増の465億円と伸長し、音楽配信売上金額のシェアでは、ダウンロードが32%、ストリーミングが66%と、ストリーミングダウンロードを大きく上回った。

有料音楽配信で規模を大きく拡大しているのは、定額で音楽が聴き放題になる「サブスクリプションサービス」。従来は、1曲もしくはアルバム1枚単位で音楽を購入していたが、サブスクリプションサービスでは1枚のアルバムを買うよりも安く、数千万という楽曲を聴くことができる。さらにダウンロードした曲はクラウドに保存できるサービスを提供しているところもある。

「Apple Music」や「Google Play Music」、「LINE MUSIC」など、日本でもお馴染みの企業に加えて、世界で1億人以上のユーザーを抱える世界最大手の「Spotify(スポティファイ)」が日本でのサービスを開始したことも、プラスに作用している。

また新型コロナウイルス感染症拡大の影響は音楽業界にも多大な影響を与えた。多くのライブイベントが中止や延期、またはオンラインでの開催となった。
一方で、外出自粛による巣ごもり消費需要の増加や、国内でも人気の高い著名アーティストがストリーミング配信を解禁したこともあり、サブスクリプションサービスにはプラスに作用した。また、中国発の動画共有サービスであるTikTokで“バズった”ことによりTikTokユーザー以外にも話題となった瑛人の「香水」のように、これまでとは違う形でのヒット曲も生まれた。今後もこうしたデジタル音楽市場から、新たなヒット曲やミュージシャンが生まれる可能性もあり、音楽ビジネスのあり方や構造が大きく変わっていくかもしれない。

業界関連⽤語

レコード

CDの登場で、過去の遺物として姿を消したかのように見えたレコードが、近年人気になっている。有名アーティストの協力や、名盤といわれた録音が再発売、さらには新録音のレコードも登場している。
アナログならではの音質もあり、懐かしさで購入するオールドファンだけでなく、レコードになじみのなかった若い音楽ファンも注目し、売上を伸ばしている。レコードを再生するには、専用のレコードプレーヤーやアンプが必要だが、アンプやスピーカーを内蔵したプレーヤーなども販売され、レコード人気を支えている。

音楽出版社

作曲家や作詞家などから音楽作品の著作権管理などの業務を委託された音楽著作権管理会社で、著作印税の一部を管理料として受け取る。楽譜出版社がこうした業務を行っていたことから音楽出版社と呼ばれるが、いまでは、放送局、レコード会社、芸能プロダクションなどさまざまな系列の会社がある。

多くの場合、JASRACなどと契約を締結し所有作品を預け、JASRACが作品の著作権管理を行う。JASRACは利用者に許諾を出し使用料を受領、それを音楽出版社に支払い、さらにそのお金が作曲家や作詞家に分配される。

コンテンツビジネス

コンテンツとは、映画や音楽、マンガ、アニメなどの制作物のこと。
例えば映画作品が映画配給会社を通じて上映された後、DVD化されたりテレビ放映されたりする(二次使用)ことで、新たな利益が生まれる。他にもアニメのキャラクターグッズの販売やキャラクターを使った広告宣伝などもコンテンツビジネスだ。
コンテンツビジネスは、ほかのさまざまな産業や文化とのかかわりが深いため、経済波及効果が高い。

シネマコンプレックス

入口は1つだが、施設内に100席から300席くらいの座席を備えた上映設備が、7〜10室(スクリーン)ほど並んでおり、観客が好みに合わせて作品を選択できる複合型映画館。
映画館側としては入場者数によって、上映するスクリーンを入れ替えたり、同じスクリーンで時間帯を変えて複数のタイトルを上映したりできるなどのメリットがある。

どんな仕事があるの︖

芸能・音楽業界の主な仕事

・宣伝
生み出された作品をユーザーに宣伝するために、マスメディアへのプロモーション、販売促進物の製作、ライブや公開録音など効果的な宣伝手法の立案・実行を担当する。

・制作
市場動向などの情報を収集し、新譜のコンセプト作成やプランニング、新人の開拓やアーティストの育成、さらに実際の音源制作、プロモーション業務の支援などを行う。

映画業界の主な仕事

・宣伝
洋画作品の邦題やキャッチコピーの作成、宣伝方法のプランニング、イベントの企画立案、パンフレット製作、メディアの広告展開などを行う。

・製作
企画から脚本、撮影、編集まで映画制作の全工程に携わる。最近では映画会社が自社で製作するより、製作プロダクションが手掛けることが多い。

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※原稿作成期間は2020年12⽉25⽇〜2021年2⽉28⽇です。

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