学生のための就職情報サイト

  • 会員登録
  • インターンシップ・仕事体験検索

業界研究・職種研究徹底ガイド 業界研究

マスコミ(出版・広告)業界

業界の現状と展望

新しいメディアを上手に取り込むことが成長のカギ

出版市場全体は久しぶりに前年比プラス

さまざまなジャンルの書籍や雑誌を発行するのが、出版業界の主な仕事。出版社がつくった書籍や雑誌などは、「取次」といわれる書籍流通の専門会社を通じて、書店に配本される。公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の調査によれば、2020年の書籍・雑誌を合わせた紙+電子出版物推定販売額は、コロナ禍で在宅時間が増加し読書需要が高まったことや、漫画「鬼滅の刃」の大ヒットもあり、前年比4.8%増の1兆6,168億円と、2年連続でプラスとなった。内訳は、紙の書籍が同0.9%減の6,661億円、雑誌が同1.1%減の5,576億円とマイナスになったが、いずれも減少幅は前年よりも小さくなっている。電子出版市場は引き続き好調で同28.0%増の3,931憶円となった。電子コミックが同31.9%増の3,420億円、電子書籍も同14.9%増の401億円と大きく伸びた。電子コミックは「鬼滅の刃」の大ヒットに加えて、「異世界」系作品や電子書籍オリジナル作品がけん引し、電子出版市場における電子コミック比率は87.0%に達している。
ただし、電子雑誌はNTTドコモの定額制雑誌読み放題サービス「dマガジン」の会員数が減少したこともあり、同15.4%減の110億円と3年連続で大幅なマイナスとなった。

拡大が期待される電子書籍市場だが課題も

電子書籍とは、パソコン、スマートフォン、タブレット端末などにダウンロードして読むデジタルデータ書籍のことだが、専用端末も発売されて普及に拍車がかかりつつある。
近年は無料でマンガを読めるアプリやサービスの利用も拡大。これらのアプリでは、無料連載でユーザーを集めて、広告収入、有料販売、課金といったいくつかのビジネスモデルを組み合わせて設計されており、市場拡大が期待されている。

電子書籍の普及は、出版社側にとって印刷や製本、流通などにかかっていたコストを大幅に削減できるメリットがある一方で、新たな課題を抱える要因ともなっている。
一つは、著作権者の許可なくアップロードされたマンガが読める、ネット上にはびこる海賊版サイトリーチサイトの存在。各社は違法サイト撲滅に向けてさまざまな対策を行っている。そんな中、大阪地裁は海賊版に誘導するリーチサイト運営者に対して、著作権法違反として実刑判決を下した。リーチサイトに関しては違法かどうか意見が分かれていたこともあり、出版社にとっては大きな意義がある判決となった。2018年4月の海賊版サイト「漫画村」閉鎖を機に、電子コミック市場は順調に成長を続けており、業績拡大に大きく寄与、市場を牽引している。

もう一つは、電子書籍の普及でこれまでの流通システムが不要になること。書店や取次業者にとっては、これまでの取引を失う可能性のある死活問題。いずれも、解決しなければならない大きな課題だ。

新型コロナウイルス感染症の影響で総広告費は大幅減となるも、ネット広告は好調

広告業界では、放送・新聞・出版・インターネットなどに出稿する広告を取り扱っている。
2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大により、国内外で人と物の動きが大きく制限され、インバウンド消費はほぼ消滅。外出自粛もあり、日本経済は大きく減速、広告業界もその余波を受けた。
大手広告代理店の電通は2021年2月に「2020年 日本の広告費」を発表。2020年の日本の総広告費は、前年比11.2%減の6兆1,594億円と2011年以来9年ぶりの減少となり、リーマンショックの影響を受けた2009年(11.5%減)に次ぐ下げ幅となった。

内訳は、テレビ・新聞・雑誌・ラジオのマスコミ四媒体広告費が同13.6%減の2兆2,536億円と6年連続でマイナスになる一方で、インターネット広告費は前年比5.9%増の2兆2,290億円と、マスコミ四媒体広告費に匹敵する規模となった。中でも伸び率が高いのが運用型広告(詳細は業界関連用語参照)への出稿で、同9.7%増の1兆4,558億円。巣ごもり需要により、SNSやECサイト、動画配信サイトの利用が高まったことも影響した。

マスコミ四媒体広告費の媒体別では、テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)は、同11.0%減の1兆6,559億円。「東京オリンピック・パラリンピック」や「FIFAワールドカップカタール2022・アジア二次予選」の開催延期に加え、プロ野球は開幕延期。プロゴルフトーナメントは中止・無観客開催など、大きなスポーツイベントの延期・中止とスポンサーの広告費削減もあり、2桁の減少となった。スポット広告も、出稿控えや経済的影響などにより減少した。

新聞広告費は、販売部数とページ数が減少傾向にあったことに加えて、各種イベントの中止や広告予算の削減が影響し、18.9%減の3,688億円。巣ごもり需要の影響もあり、電子出版市場が伸長したものの、雑誌の広告費がコロナ禍に加えデジタルシフトの影響もあって厳しい状況となり、雑誌広告費は、同27.0%減の1,223億円。ラジオ広告は、同15.4%減の1,066億円と、四媒体すべてが前年割れとなった。
ただし、マスコミ四媒体由来のデジタル広告費(マスコミ四媒体事業者が提供するインターネットサービスにおける広告費)は、同12.3%増の803億円と伸長。高い成長率となり、四媒体各社のデジタルトランスフォーメーションが進んでいることがうかがえる。
また、屋外や交通、折込、イベントといったプロモーションメディア広告費は同24.6%減の1兆6,768億円となった。

業界関連⽤語

運用型広告

広告主が広告枠を買い取って広告を掲載する純広告に対して、運用型広告は、1回の広告表示に0.1円、あるいは1回のクリックに1円といった具合に入札を行う。入札によって広告枠の金額が変動することが特徴で、いつでもリアルタイムに入札額、予算、広告出稿内容、配信量、配信地域、配信期間、ターゲティングなどを変更できる。なお商品を記事コンテンツとして掲載するタイアップ広告や、サイト内で広告主の商品を紹介し一定の成果があった場合に報酬を受け取れるアフィリエイト広告運用型広告には含まれない。

また、掲載金額、期間、出稿内容(掲載面、配信料、掲載内容など)が、あらかじめ定められている広告を予約型広告リザベーション広告という。

ZINE

「Magazine」の「zine」に由来していると言われ、日本語では「ジン」や「ザイン」と言われる。自由なテーマで体裁も自由、手作りの小部数雑誌や紙媒体のことで、ある意味マスメディアとは対極にある。同人誌ミニコミ誌なども同様の系譜にあるが、同人誌ミニコミ誌は、漫画やイラスト、小説が中心の自主制作の本が多い。一方で、ZINEのテーマや体裁は全くの自由。ポートフォリオ代わりに使う場合もあれば、写真やイラストなど、ポップで自由で開放的という特徴がある。

3Bの法則

広告などの注目率や閲読率を高めるのに効果的とされる有名な手法。広告などに、Beauty(美女)・Baby(赤ちゃん)・Beast(動物)を使うと目を引きやすく、好感を持たれやすいという法則。

カリギュラ効果

同じく広告などに用いられる手法。情報の閲覧や接触を禁止されると、かえって見たくなるという心理を利用した広告手法。
ローマ皇帝カリギュラをテーマにした映画の内容があまりにも過激なため、各地で上映禁止になり、かえって話題になったことにちなんでいる。

ティザーサイト

tease(閲覧者を焦らす)という言葉の通り、情報を小出しにして詳細を知らせず、見た人に好奇心や興味を抱かせる広告の手法を取り入れたサイト。一定期間が過ぎると種明かしされる。主として雑誌や書籍、映画やTV番組、ゲームソフトやデジタル製品、パソコン関連製品などに開設されることが多い。

ステルスマーケティング(ステマ)

消費者に広告や宣伝であることを気付かれないように行うマーケティングのこと。その手法や規模はさまざまで、中には組織立って大量の人員を動員して行われたことや、架空の評論家を仕立てて自社の商品を絶賛させるということもあった。近年はブログやインターネット上の口コミサイトに書き込まれた情報が、実は広告宣伝だったという例もある。

どんな仕事があるの︖

出版業界の主な仕事

・書籍編集
企画を立て、著者に依頼し、必要に応じてフォトグラファー、デザイナーなどと連携を取り、仕上がった原稿の校正を行う。大抵の場合、編集者一人で1冊を担当する。

・雑誌編集
ライター、フォトグラファー、デザイナーなどと連携を取り、雑誌のページをつくる。自ら取材・執筆することもある。

・進行管理
印刷会社とのスケジュールの交渉や調整、出版物が出来上がるまでの制作スケジュールを管理する。

 ・広告営業
雑誌に掲載する広告を集めるため、スポンサー企業へのセールスを行う。最近はタイアップ記事も多い。

広告業界の主な仕事

・営業
クライアント(広告主)との連絡を担当。仕事の受注、スタッフ編成、制作全体の管理を行う、プロジェクトリーダー的存在。

・プランナー
広告の企画から関わり、その制作全体を統括する。営業と協力して指揮を執るが、こちらはよりクリエーティブ(制作現場)に密着した部分を受け持つ。

・メディア
テレビ、新聞、雑誌のメディアや交通広告、屋外看板などの広告枠を買い付ける。メディアごとの広告効果なども調査・分析する。

・マーケティング
クライアント企業やその商品に関する調査を行い、広告戦略を立てる。

・コピーライター
その広告の内容を最もよく伝え、最も人々にアピールするコピーを考案する。

・グラフィックデザイナー
ポスターや雑誌掲載の広告など、グラフィック広告に関するデザインを担当する。アートディレクターになると広告の立案、フォトグラファーやモデルの選定まで任される。

業界地図でもっと詳しく知る

マスコミ(出版・広告)業界の企業情報

※原稿作成期間は2020年12⽉25⽇〜2021年2⽉28⽇です。

業界研究・職種研究 徹底ガイド

毎週更新!人気急上昇記事ランキング

ページTOPへ