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クレジット・信販・リース・その他金融業界

業界の現状と展望

加盟店からの手数料やキャッシングが主な収入源

加盟店からの手数料やキャッシングが主な収入源

クレジット・信販・リース業界は、消費者が商品やサービスを購入するときの代金を消費者に代わってさまざまな方法で立て替え払いする分野。手持ちのお金がないときにも、クレジットカードがあればモノを購入することができる。
その際、クレジット会社は、一時的に立て替えた金額の数%を加盟店から手数料として徴収する。一方で、カード利用者からは年会費、リボルビング払い手数料キャッシング旅行代理店業などの付帯サービスの売上から利益を得ている。

カード利用は拡大基調だが総量規制の影響も

日本クレジット協会によれば、2020年3月末時点のクレジットカード発行枚数は、2億9,296万枚で、前年比3.2%の増加となった。計算上では、成人1人当たり2.8枚所有していることになる。 デパートやホテルはもちろん、スーパーマーケットやコンビニなどでの少額の買い物でも気軽に利用できるほか、ネット通販では購入手続きと同時に支払手続きが完了する利便性からクレジットカード決済が多い。

近年では、各社が独自のサービスを提供したり、還元したポイントを共通化して他社でも使えたりとさまざまな工夫をしている。また、クレジットカードだけでなく、デビットカード電子マネーへの対応に加えて、QRコード決済モバイル決済など、キャッシュレス化を推進する店舗が増えた。また、マイナポイントによるキャッシュレス化の支援策も期待できる。

一方で改正貸金業法の施行で総量規制が導入された。多重債務者救済のために、個人が借り入れできる総額を制限するもので、借り入れ(キャッシング)は年収の3分の1と定められている。日本貸金業協会の統計資料によれば消費者向け無担保貸付のうち約半分がクレジット業態(キャッシング付きクレジットカードやローンカード)となっており、クレジットカード業界でも対応を迫られた。

新型コロナウイルス感染症の影響については、訪日外国人観光客による消費が消滅。経済活動の停滞はカード決算を行う企業にとっては懸念材料だが、巣ごもり需要拡大によるECの増加はプラス要因だ。

カード会社は大手だけでも20社以上が乱立しており、それぞれの会社が自前のシステムを構築するなど高コスト体質が指摘されている。今後は、提携や再編でシステムの共有などの効率化が進む可能性を指摘する声もある。

企業のあらゆる動産を取り扱うリース業界

企業が設備を調達する際などに、購入を代行して、長期間にわたって貸し出すのがリース業界。コピー機をはじめとするOA機器、備品、店舗設備など、償却資産である動産ならどんなものでもリースしており、航空機や鉄道もリース対象物件だ。
企業にとっては「多額の資金を準備せずに設備投資ができる」、「メンテナンスなど一切をリース会社に代行してもらえる」などのメリットがあり、設備投資額に占めるリースの割合は年々、上昇している。

ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大で、国際線を中心に航空機需要が激減。ホテルや自動車、不動産などの、多角化したレンタル収益の下振れ懸念もある。リース業界はこれまでも再編を繰り返しており、今後も生き残りをかけて、資本提携や合併といった動きが加速する可能性がある。事実、三菱UFJリースと日立キャピタルは合併を発表、2021年4月に発足する新会社の総資産は、オリックスに次ぐ業界2位に踊り出る。また、東京センチュリーとNTTが資本業務提携に合意。NTTは東京センチュリーが発行する株式を取得し、2020年2月にNTT・TCリースを設立している。

引き続き縮小が見込まれる消費者金融

引き続き縮小が見込まれる消費者金融

「その他金融」には、一般個人に無担保で融資を行う消費者金融や、特定の商品を将来の一定の日時に一定の価格で売買することを現時点で約束する商品先物取引などがある。
消費者金融業界では、1993年に業界初の株式上場企業が誕生して以来、業界の知名度は著しく向上、利用者も増加した。しかし2006年12月に改正貸金業法が成立(完全施行は2010年)すると、多くの業者が新規貸し付けの審査を厳格化。徐々に市場規模は縮小してきた。しかし、2016年3月末を底に貸付残高は持ち直しつつある。銀行やカード会社の残高は減少傾向にあるものの、消費者金融会社の残高は増加傾向にある。

金融庁「貸金業関係資料集」によると、1986年のピーク時には4万7,504社あった貸金業者は、2020年3月末には1,647社にまで減少。また、1999年3月末に54兆5,309億円あった貸付残高(消費者向けは約16兆億円、事業者向けは約38兆億円)は、2020月3月末には26兆8,053億円に減少している。

なお新型コロナウイルス感染症の拡大で、借入が増加傾向だが、貸付先の所得の減少や事業休止により返済余力が低下するといったリスクは懸念材料だ。

資本主義経済に不可欠な商品先物取引業界

商品先物取引とは、穀物、繊維、原材料、エネルギー資源など国民生活や企業経営において欠かすことのできない物質を、将来の一定期日に買ったり売ったりすることを約束して行う取引のこと。価格は取引を行う時点で決め、この価格が実際の取引における価格指標として活用される。
価格変動から生じるリスクを回避する手段として、資本主義経済に不可欠な存在とされている。取扱商品品目の拡大などを背景に、近年、市場は拡大を続けている。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、株式市場同様に、商品先物相場も混乱に陥れた。値動きが激しくなるほど、リスクを回避しようとするいわゆるヘッジ需要が膨らむため、取引自体は活性化した。一つのニュースが、相場をこれまで以上に大きく上下に動かす可能性は常にあり、注視が必要だ。

業界関連⽤語

リースとレンタルの違い

リースもレンタルも、いずれも貸主が物品を購入し借主に貸し出す賃貸借契約だが、契約期間や契約内容においてさまざまな違いがある。大きな違いは、リースの場合は借主のニーズに応じて物品を購入するため新品が提供されるが、レンタルの場合はレンタル会社が所有している物品を貸し出すため、中古品の場合がほとんどということ。また、一般的に、中長期に利用する場合はリース契約を、1日や1週間といった短期利用の場合はレンタル契約を行う場合が多く、同じ物品なら、利用料はリース契約の方が割安に設定されている。

ただし、一日から長期まで、社員の増減に応じて臨機応変の対応ができることや、資産管理の手間が省けるなどの理由もあって(リースの場合は資産管理台帳を作成し全てのリース物件を個別に管理しなければならない)、これまではリース契約が多かったパソコンを中長期のレンタルで貸し出すケースも増えている。また、カーシェアリングや自転車シェアリングもレンタルに含まれる。

フィンテック

金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、スマートフォンなどを使った決済や資産運用、ビッグデータ人工知能(AI)などの最新技術を駆使した金融サービスのこと。

フィンテック企業の老舗としては、PayPalがよく知られていたが、いまでは、Apple PayやGoogle Pay、中国アリババグループの決済手段であるAlipay、中国テンセントのWeChat Payなどが台頭。スマートフォンユーザーを中心に利用者は急拡大している。国内でもLINE PayやPay Payなど、各社が進出、百花繚乱状態だ。各社がフィンテックに注力するのは、利便性向上もさることながら、ビッグデータとしてユーザーの消費動向が把握できることがある。さらに、取引を補足することで脱税を防ぐといった意味もある。

外国証拠金取引

担保となる資金(証拠金保証金)を取扱会社に差し入れることで、24時間リアルタイムで通貨の売買を行う取引。「FX(Foreign eXchange)」といわれることも多い。取扱会社によって異なるが、5〜10万円程度の保証金で売買が可能となる。

実際の売買では、保証金の数倍から数十倍の取引ができるので、少額の資金で大きな利益を得ることもできるが、大きな損失を出すこともあり、リスクの高い取引である。かつては、証拠金に対して100倍を超える取引ができる会社もあったが、現在は一律で25倍に規制されている。金融庁では、相場変動に対する健全性を評価し、今後は事業者ごとに25倍の上限を引き下げていく方針だ。

銀行カードローン問題

総量規制が盛り込まれ、借入残高が年収の3分の1を超えた人は貸金業者から新規の借り入れができなくなった。しかし銀行カードローンは貸金業法の適用範囲外のためこうした規制を受けず、銀行が決めた上限の範囲内でお金を借り入れることができる。
全国銀行協会によれば、銀行カードを使った貸し出しは、前年同期比3,796億円減の3兆8,636億円(2020年9月末現在)。減少傾向にあるがその存在感は依然として大きい。

どんな仕事があるの︖

クレジット・信販・リース業界の主な仕事

・加盟店営業
飲食店や衣料品店などに自社カードの提携を勧めたり、加盟店に対してカード利用が増えたりするような施策・提案を行う。

・与信管理
クレジットビジネスにつきもののリスクを最小限に食い止めるための仕事。カード申込者に対して自社および信用情報機関に蓄積されたデータを利用して、返済能力があるか審査を行う。

・システム開発
経営支援システムをはじめとした社内業務システムの運営や、セキュリティー対策の考案・実施などを行う。

・債権管理
支払期日を過ぎても支払われなかった債権に対して、その債務者に支払いを促す。支払いが困難な債務者には、現実的に支払える返済計画を提示するなどのアドバイスも行う。

その他金融業界の主な仕事

・営業
顧客の資産運用の提案が主な業務。先物相場は政治、経済、さらに農作物は天候にも左右されるので、幅広い分野での情報収集が求められる。

・営業支援
消費者金融業界では、窓口で融資の受付や相談を行う一方で、ネットやFAX、コールセンター受付分の申込などを整理する。また、必要に応じて信用情報機関への問合せも行う。

・債権回収
貸し付けたお金の回収を行う業務。支払期日を過ぎても支払われなかった場合に、ルールにのっとって電話で返済を催促したり、催促状を作成して郵送したりする。

クレジット・信販・リース・その他金融業界の企業情報

※原稿作成期間は2020年12⽉25⽇〜2021年2⽉28⽇です。

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