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不動産業界

業界の現状と展望

住みたい人と売りたい人、貸したい人をつなぐ

住みたい人と売りたい人、貸したい人をつなぐ

不動産業界では、商業施設、オフィス、個人住宅など、さまざまな建物や土地を取り扱い、開発、販売、賃貸、仲介、管理といった業務を行っている。
開発では、マンションや商業施設の企画から土地の取得、資金の確保などを、販売、賃貸、仲介では、建物に住みたい人(または利用したい人)と売りたい人(または貸したい人)をつなぐ仕事が中心となる。また、管理では建物の設備管理やテナントの誘致、賃料の回収やトラブル対応といった業務を行っている。

新築マンションの販売不振に長期化の恐れ

マンションに関しては、事業用地は高止まりし、建築作業員も不足ぎみ。そのため、新築で販売されるマンション価格は値上がりを続けている。特に大都市圏ではこうした傾向が顕著で、中古価格との乖離も進んでいる。個人所得がそれほど増えていない中で、高額の新築物件を購入する意欲は乏しい。かつてのような相続税対策のためのタワーマンション購入や、外国人による爆買いもなりを潜めており、新築マンション販売に関しては好調といえないのが実情だ。

現在は新築マンションの価格が高く、買い時だと考えている人が少ないので、これまでのマンション取得層は中古マンションや賃貸住宅、建売住宅に流れている。販売価格と需要が見合うまでは、まだ時間がかかりそうな気配だ。

中古住宅・リフォーム住宅の補助制度

新築住宅は、資材価格や人件費の上昇、用地取得競争の激化などもあり、価格上昇が避けられない状況。対する中古住宅の魅力は、その差が縮小傾向にあるものの新築住宅と比べて価格が安いこと。ただし、耐震性断熱性能などの性能や機能面での見劣り、見た目の古さで敬遠している人がいるのも事実だ。

しかし、近年は中古住宅や住宅のリフォームにかかわる補助金・減税・優遇制度が充実している。こうした制度を有効活用して中古物件の購入を検討する人も増えている。

影響が懸念される新型コロナウイルス感染症拡大と2022年問題

新型コロナウイルス感染症拡大は不動産業界にも大きなインパクトを与えた。中でも外出自粛の影響は、ホテルや商業施設を直撃した。東京五輪開催や旺盛な訪日外国人需要に向けた施設が大量に供給されていたこともあり、その影響は甚大だ。また、テレワークの浸透で、中には都心のオフィスから郊外のオフィスへ移転を検討する企業もある。また、電通やエイベックスと言った有名企業が都心の本社ビルを売却するというニュースも流れた。
ただし、大手企業の場合、こうした売却は、経営の効率化と資金繰りの確保が主目的。「セールアンドリースバック」という手法を利用し、自社物件を売却した後に賃貸契約を締結し、オフィスを借り戻すというケースが一般的。
そのため、本社売却のニュースをうけて、こうした企業が都心から郊外への移転に一気に舵をきったと考えるのは早計だ。先行きへの不透明感は残るが、都市部はオフィスの供給自体が減少していることや、金融緩和による投資マネーが集まっていることもあり、大きく値下がりしていないのが実情。また、都市部のマンションも大きく値下がりする気配は見えないという声が多い。
他方、テレワークと巣ごもり需要でインターネット経由のECが急拡大。大規模な物流施設の開発が加速しており、こうした傾向は2021年も継続しそうだ。

不動産業界のもう1つの懸念事項が2022年問題。日本の都市部には生産緑地法によって定められた、住宅地にありながら農地として取り扱われる「生産緑地」といわれる土地があり、土地の所有者は30年間農業を営むことが義務付けられる一方で、固定資産税や相続税などでかなりの優遇を受けている。1992年に制定されたこの制度によって生まれた「生産緑地」は、30年後の2022年に期限を迎える。農業をやめてこうした土地が売却され始めると、供給過多による土地の需給バランスが崩れ地価が大幅に低下する可能性が指摘されている。

不安視される一方で、大量に出回る可能性がある住宅用地を虎視眈々と狙い、商機をうかがっている企業もある。

業界関連⽤語

デベロッパー

大型マンションやオフィスビル、商業施設などを含めた大規模な都市開発や、宅地開発リゾート開発などを、事業者として手がける不動産会社を指す。実際の建設作業はゼネコンなどの大手建設会社に発注するが、大規模開発事業では、デベロッパーとゼネコンが共同事業者として企画や開発を進めることも多い。

プロパティーマネジメント(Property Management)

土地や建物などの不動産に関する管理や最適化を行う業務のことをいう。具体的には建物の物理的な管理・維持、テナントや賃借人の誘致・交渉、賃料の請求・回収、トラブル時の対応などがある。 十分なメンテナンスを怠ると、経年変化で設備の陳腐化や資産価値の下落をもたらすことになる。そのため資産価値の向上には、最新のIT化への対応や、さらなる防災対策などを加えた、適切なプロパティーマネジメントが求められている。

空中権

土地の上空にある空間を利用する権利または未使用の容積率(敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合)を移転する権利のこと。東京駅の復元工事に要した資金500億円は、この空中権を周囲に移転・売却することで得たとして話題になった。
さらに、第45代アメリカ大統領になったドナルド・トランプ氏は、ニューヨーク5番街にあるティファニー本店の空中権を購入することで、隣接する58階建てのトランプタワーからの眺望を確保したというのは有名な話。

J-REIT(ジェイ・リート)

J-Real Estate Investment Trustの略語で、「日本版不動産投資信託」のこと。2001年スタート。投資家から集めたお金を、投資会社が分散して複数の不動産に投資し、その運用から得られる賃料収入などの収益が投資家に還元される仕組み。当初はオフィスビル主体だったが、次第に商業施設や店舗、住宅などへと多様化している。
2001年スタート時のJ-REITの時価総額は2,216億円(12月末時点)、その後順調に増加し、2020年12月末時点での銘柄数は62、時価総額は14兆4億円となっている。

どんな仕事があるの︖

不動産業界の主な仕事

・分譲営業
不動産を買いたい人に向けて、商品の魅力を紹介するほか、契約のための調整・交渉を行う。
モデルルームやチラシなどからの反響型営業が中心。

・仲介営業
不動産を借りたい人に向けて、ニーズに合う物件を紹介したり、貸したい人との条件交渉を代行したりする。

・土地の仕入
商業ビルや分譲マンションなどを建設するための土地を調査・分析し、土地所有者から土地を仕入れる。

・プロパティーマネジメント
ビルや住宅を1つの財産と考え、テナントの募集から設備メンテナンスまで、資産価値を高めるためのプランを練って、運営を管理する。

・マンション管理
賃貸・分譲マンションが快適、安全であるように見守り、管理をする。管理組合の運営補助や管理費などの調整・交渉なども担当する。

・管理技術
マンションなどの建物設備点検や修繕計画立案など、技術面での管理を担当する。

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※原稿作成期間は2020年12⽉25⽇〜2021年2⽉28⽇です。

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