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通信業界

業界の現状と展望

新しいメディアを上手に取り込むことが成長のカギ

「固定通信」・「移動体通信」・「IPS」などで構成される通信業界

通信業界には、従来の固定電話やPCにおける通信サービスを行う「固定通信」、携帯電話やスマートフォン、PHSなどのモバイルにおける通信サービスを行う「移動体通信」、インターネット接続サービスを提供する「ISP(インターネットサービスプロバイダー)」などがある。通信を行うための回線や設備を全国に整備し通信サービスを提供、重要な通信インフラを支えている。

スマートフォンの普及率は約8割超。インターネット利用者も拡大傾向

一般用の情報通信端末には様々なものがある中で、スマートフォン保有者が急速に増加している。「令和元年通信利用動向調査」によれば、2019年9月末時点のスマートフォンの世帯普及率は83.4%。また、インターネット利用率(個人)は89.8%と9割に迫っている。端末別の利用率では、「スマートフォン」(63.3%)が最も高く、「パソコン」(50.4%)の利用率を上回る結果となった。
加えて、企業によるクラウドサービスの利用率も増加傾向にあり、同調査では64.7%と初めて6割を超えた。利用の効果についても、「非常に効果があった」(33.6%)または「ある程度効果があった」(51.9%)と肯定的な回答をした企業が8割を超えている。

減少傾向にある固定電話加入者。移動通信ではMVNOが健闘

一方で固定電話(有線式加入電話)の加入者数は減少傾向にある。
総務省の「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (令和2年度第2四半期(9月末))」によると、2020年9月末時点での固定電話の契約数は前年同期比1.5%減の5,325万となった。NTT東西加入電話は同7.3%減の1,633万と大きく減少した一方で、IP電話の利用番号数は同1.7%増の3,543万となり、固定電話におけるIP電話の比率が年々高まっている。

移動系通信(携帯電話・PHS・BWA)の普及率は、1993年にはわずか1%台だったが、2000年には携帯電話の加入者数が固定電話の加入者数を上回り、2020年9月末時点の契約数は前年同期比3.9%増の1億9,049万。携帯電話の契約数は同4.5%増の1億8,917万と、いまでは単純計算で1人が1台以上の携帯電話を所有していることになる。

移動系通信契約数における事業者別シェア(グループ別)は、NTTドコモが36.9%(前年同期比0.7ポイント減、MVNOへの提供にかかるものを含めると42.5%)、KDDIグループが27.6%(同0.1ポイント減、同31.4%)、ソフトバンクが21.5%(同0.6ポイント減、同25.5%)となっている。一方で、MVNOが13.4%(同0.9ポイント増)とシェアを拡大しており、サービスを提供する事業者数も増加傾向にある。
他方、既存のインターネット通販やクレジットカード事業との相乗効果を狙って楽天が移動体通信事業に参入。第4の携帯キャリア会社として注目を浴びている。

5Gの登場やNTTグループ再編、通信料金値下げなど話題豊富な通信業界

通信各社の収益源は、通話料データ通信料。従来とは異なる課金モデルの検討を含めて、既存ユーザーの囲い込みと新たな収益源の開拓が課題となっている。国内においては、オリジナルコンテンツの配信や通信販売の拡大などさまざまな施策を打ち出している。成熟期に入りつつある国内市場だけでなく、高い伸び率が見込まれる北米やアジア・太平洋地域を中心に海外展開も進めている。また、大容量の通信が可能になる5Gもスタート。5G対応の端末機も各社から発売され、通信業界は新たなステージに突入。個人向けはもちろん、IoTサービスなど法人向けへの展開もあり、通信業界はもとより関連業界からの期待も大きい。

こうした環境下で新型コロナウイルス感染症が拡大、多くの業種に影響を及ぼした。通信業界では、新規投資の抑制で、法人向けビジネス案件の中止や延期、規模の縮小といった影響を想定。一方で、外出自粛によるテレワークWEB会議オンライン学習、また定額動画配信サービス(サブスクリプション)といったホームエンターテインメントなどによるデータ通信需要は増大している。さらに、各企業によるデジタル技術の導入も見込まれるなど、プラス材料も多い。

ただし、通信会社の大きな懸念材料として、携帯電話料金値下げによる影響がある。菅首相は、就任早々に携帯電話料金値下げを看板政策の1つとして掲げており、5Gの早期の普及という大きな課題も抱える通信各社にとって、値下げの影響は大きい。
そうした中、NTTはTOB(株式公開買い付け)でNTTドコモを完全子会社化。固定電話と移動系通信の融合で合理化と競争力の確保を促し、同業他社との競争に打ち勝つ体制作りを進めた。市場環境は一変し、2020年末には、20GBのデータ通信と1回あたり5分以内の国内通話無料で月額2,980円(税抜)という新料金プランを発表、業界に衝撃を与えた。その後、ソフトバンクやKDDIも新たな料金プランを発表。楽天は、2980円を上限に実際のデータ使用量に応じて料金が安くなるプランを発表するなど、各社が新プランで再び鎬を削ることとなった。

さらに、総務省はスマートフォンに内蔵された本体一体型のeSIMの普及を進めている。eSIMであれば、店舗に行ってSIMカードを差替えたり、新しいSIMカードの到着を待つことなく、通信会社の変更がオンラインで可能になる。現状では、通信会社によってeSIMへの対応はまちまちだが、先の新料金プラン共々、販売店のあり方自体を見直すきっかけになりかねないため、こちらも注目される。

業界関連⽤語

ローカル5G

通信事業者が提供する全国的に広範囲な5G通信サービスに対し、地域の企業、自治体などが個別に利用できる5Gネットワークのこと。例えば企業の社屋・工場内や自治体の施設といった限られたエリアで自営の5Gネットワークを構築、利用できる。ただし、国で指定された無線局免許の取得が必要となる。

MVNO

Mobile Virtual Network Operatorの略で、自社では通信網を持たず、他の事業者から借り受けて通信サービスを提供する事業者。仮想移動体通信事業者ともいわれる。
1年定額のSIMフリーカードや低価格のデータ通信サービスなど、大手通信事業者にはないオリジナルサービスの提供が特徴で、多くの企業が参入している。データ通信量や通信速度に制限がある場合もあるが、ユーザーニーズに即したサービスを提供している事業者が多い。

5G(第5世代移動通信システム)

NTTドコモでは、あらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)化が急速に進むと、2020年代の情報社会では、移動通信のトラフィック量は2010年と比較して1,000倍以上に増大すると予測している。そのため、世界中の通信会社が5Gの研究開発に取り組んでいる。実効スピードは現行の100倍、10Gbpsを超える超高速通信を実現。超高解像度動画のストリーミングも快適に楽しめ、自動運転にも寄与するとされる。
世界経済だけでなく国家安全保障に与えるインパクトも大きいといわれ、米中貿易摩擦の焦点の1つと目されている。

BYOD(ビーワイオーディー)

Bring your own deviceの略で、「自分の機器を持ち込む」こと。個人所有のパソコンやスマートフォンを職場に持ち込むだけでなく、アクセス制限された企業の機密情報にアクセスし業務を行うことも想定している。業務に必要なファイルやデータをクラウドに保管し、職場だけでなく出張先や自宅などでも情報にアクセスして仕事ができる。

企業側でコンピューターなどを用意する必要がない、情報をクラウドで一元管理できるというメリットがあるが、情報流出ウイルス感染のリスクや、セキュリティ管理が複雑になるなどの課題もある。

どんな仕事があるの︖

通信業界の主な仕事

・セールスエンジニア
営業担当と協力してクライアントのニーズを正確に酌み取り、ソリューションの提案から、開発、納品に至るまでを管理する。

・商品企画
自社の技術をどのようにサービスに生かすのかということを念頭に、新しい商品を企画し、実現させる。

・ネットワークエンジニア
ネットワークシステム構築の全般(機器開発、システムの提案、設計、保守、運用・サーバ管理など)を担う。

 ・カスタマーサービス
ユーザーからの製品やサービスに関する問い合わせに直接対応する。ユーザーにとってはその企業の顔ともなる。

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※原稿作成期間は2020年12⽉25⽇〜2021年2⽉28⽇です。

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