理学療法士
- 波多野 陽子さん
- 職歴:15年
「自分でいいのか」と不安になっても
志を同じくする仲間が支えてくれる。
現在の仕事内容
河北医療財団内で回復期、急性期、外来を経て、2018年から臨床教育をメインに担当。現在私のいるセラピー部のスタッフは基本的に部内のチームに所属しますが、私は部全体の教育担当として活動しているためチームには属さず、全病棟の患者さんと接する立ち位置で仕事をしています。
現在の主な使命は、各チームの指導者の方針でそれぞれ独自に行われがちなスタッフの教育について、セラピー部の方針に沿いつつも、時代に即した内容でスタンダード化すること。例えば新人教育のカリキュラムやスケジュール、チームの役割を提示し、その案に沿って、他のスタッフに動いてもらいます。
その道に進もうと思った理由
子どもの頃に長期入院したのと、テレビ番組の特集を見たことをきっかけに、医療関係に進みたいと思うようになりました。高校の進学指導で理学療法士という仕事を知り、専門学校へ。
特に入院したての頃はベッドの上でしか生活できず、トイレにすら自分で行けずに歯がゆい思いをしました。そのときの経験が、「患者さんにも、少しでも自分の力で動けるようになってほしい」と、日々試行錯誤する今に繋がっているのだと思います。
当財団は、学校のキャリアセンターでファイルを開いたときにパッと目に入り、受けてみたら合格したので「ご縁かな」と入職を決めたんです。
入職してからは、ずっと良い出会いに恵まれました。「もう辞めたい」と思うことも時にはありましたが、その度に話を聞いてくれる先輩や同期に応援してくれる後輩、患者さんの感謝の声などに支えられ、気がついたら14年が過ぎていたという感じです。
キャリアパスのポイント
- 現在の病院へ入職、回復期へ配属
- 入職後は回復期に配属。学生時代は回復期のイメージが湧かず急性期志望だったが、仕事が始まると、じっくり一人の患者さんと向き合える回復期が自分に合っていたことに気づく。退院後の就労や毎日の活動を支援するところまで責任を持つなどやりがいがあり、リハビリの奥深さを感じて興味がさらに広がっていった。
- 急性期、外来へ
- 研修で急性期に半年間勤務。その後は外来へ転属する。外来では限られた通院期間で、患者さんと接する時間が週に1〜2度と短い。その中でいかに患者さんとご家族の想いを汲み取れるかが重要になる。
また、病院外では自分でリハビリをしてもらわなければならず、上手く指導する必要がある。外来での勤務中は、「入院だったらどうだっただろう」と改めて振り返ることも多く、別々の現場で得た知識が一つに集約されていくことを実感する。
- 現在
- 再び回復期へ。部長から打診され、以前から興味のあった教育担当に。
これからのキャリアプラン
4年目から実習生の指導を多く経験する中で、教育に興味を持つようになりました。今は自分の興味のある分野を任せていただいているので、突き詰めていきたいと思っています。
昔に比べ今は養成校が増え、学位は取っても国家試験は受けない、理学療法士にはならないというケースもあるでしょう。私のように幼い時から理学療法士を目指していた人だけではなく、「選択肢の一つ」として理学療法士を選ぶ学生も少なくありません。そもそものモチベーションにバラつきがあるからこそ、この仕事を選んで良かったとやりがいを感じられるよう、多様性を取り入れた職場作りに貢献したいと思っています。
プロフィール
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理学療法士職歴:15年
波多野 陽子さん
社会医療法人 河北医療財団
河北リハビリテーション病院 セラピー部 主任