先輩たちのキャリアプラン

言語聴覚士

川口 静さん
職歴:19年

NSTの活動を進めるほか
在宅医療にもかかわりたい。

現在の仕事内容

総合病院のリハビリテーション科の主任を務めています。主な仕事は言葉のリハビリと嚥下(えんげ)のリハビリ。

当病院には65歳以上の高齢の患者さんが多く入院されています。誤嚥(ごえん)による肺炎や窒息を防止するため、院内ではNST(栄養サポートチーム)を設立して対策を立てているのですが、その一員として、外科医、看護師、言語聴覚士、薬剤師、管理栄養士らとともに活動しています。

その道に進もうと思った理由

高校卒業時に父から「喋ること、食べることが大好きだからこそ、それができない人たちを助ける仕事に就いたらどうか」と勧められたのがきっかけです。

当時はまだ言語聴覚士は国家資格ではなく、在学中にようやく認められました。卒業後に就職せずテレビ局でイベントアルバイトをしたり、入職後も産休を機に辞めようと思ったり、紆余曲折はありつつも、結局ずっと続いています。特に意識したことはないんですが、この仕事が好きだということなんでしょうね。

キャリアパスのポイント

  • 専門学校
    父から勧められて進学。当初は国家資格ではなかったので、病院事務を学ぶ授業があったりペン字などの資格を取らせたり、学校も卒業後に困らないよう、いろいろなカリキュラムを組んでいた。
  • 卒業、アルバイト生活へ
    前年の国試合格率が80%だったので甘く見ていたら、私の年は42%に。私もまさかの不合格組で、内定していた国立病院も辞退せざるを得なかった。2年間はテレビ局のイベントアルバイトという、全く違う世界で過ごす。
  • 入職
    このままではいけないと、アルバイトをリハビリ助手に切り替え、国試再挑戦。無事に合格し、2002年、アルバイト先の板橋総合病院に入職した。当時はまだ言語聴覚士が私1人だったが、嚥下リハビリに熱心な耳鼻科のドクターやリハビリドクターに鍛えられる。
現在
明理会中央総合病院にて勤務したが2008年に出産を機に仕事を辞める。子育てに専念したい、専業主婦になろうとしていたはずなのだが、なぜか翌年には復帰していた。現在は板橋中央総合病院へ。結局、言語聴覚士という仕事が楽しいのだろうと思う。

これからのキャリアプラン

これまで急性期にばかりかかわって来ましたが、今は在宅医療にも興味があります。高齢化が進む社会で、自宅で最期を迎える人も増えますから、需要が高まるでしょう。
また、病院ががんのリハビリテーションに力を入れていく方針なので、がん治療に関連して言語聴覚士に何ができるのか、模索していきたいと思います。言語聴覚士って、まだ地味な仕事なんです。
だから、どんな仕事で、なぜ必要なのか、発信していかないといけない。この病院では、積極的に学会に発表する機会を与えてもらいましたが、私の後に続く人材を指導していきたいですね。

後輩へのメッセージ
新人によく言うのですが、しゃべりたくないときは、健常者でもしゃべりませんよね。言語聴覚士は、「この人と話したい!」と思ってもらうのも仕事です。

私が言語聴覚士になっていちばん最初に買った本は、日本地図。各地の名物とか、お祭りとか、川の名前なんかも載っています。患者さんには、イントネーションを確認するため必ず出身地を聞くんですが、その本のおかげで「患者さんが知っている町の話」ができます。こういうフリートークが、実はとても重要。話のネタは多いほどよく、コミュニケーションが好きな人に向いています。

プロフィール

言語聴覚士職歴:19年

川口 静さん

医療法人社団 明芳会
板橋中央総合病院 リハビリテーション科 係長