先輩たちのキャリアプラン

社会福祉士・精神保健福祉士

渡邊 武さん
職歴:7年

「その人らしい幸せな生活」のために、
より良い支援を実践していきたい。

現在の仕事内容

社会福祉士には、地域で働くコミュニティソーシャルワーカー(CSW)や学校で働くスクールソーシャルワーカー(SSW)などがありますが、その中でも私は、回復期リハビリテーション病棟で医療ソーシャルワーカー(MSW)をしています。脳血管疾患や整形外科疾患などの患者さんが在宅復帰を目指してリハビリに励んでいて、そんな方々に対する退院支援が私の仕事。ご本人とご家族の希望を聞きながら、退院後に家で安心して暮らせるようサポートします。

訪問介護をはじめとする介護事業所などとの連絡調整業務が多く、退院前に患者さんのご自宅に伺う場合もあります。理学療法士や外部のケアマネージャー、福祉用具事業者なども同行し、室内の段差や浴室の状態などを確認しながら、その方に必要な介護サービスの調整をします。退院後に介護老人保健施設といった施設に移る患者さんもいて、施設との調整もMSWの仕事です。

また、医療相談室の副主任として、後輩の指導にも当たっています。

その道に進もうと思った理由

高校2年生のときに自らの進路に悩み、本などを調べた際に「その人らしい幸せな生活を支援するという社会的役割のある仕事」と紹介されており心引かれ、社会福祉士になろうと決意しました。

社会的意義のある素晴らしい仕事だと両親も賛成してくれたので、大学の社会福祉学科へ進学しました。

キャリアパスのポイント

  • 大学時代
    大学では社会福祉士に加え、先生の勧めで精神保健福祉士課程も履修。広い視野を持ったソーシャルワーカーを志しました。両課程をこなすため、計3カ所で実習。
    精神保健福祉士過程の実習先だったのが江田記念病院(イムスグループ)で、症状が重くて特別なケアが必要な患者さんがいる閉鎖病棟を体験した。ところが患者さんとの関わり方がうまくいかず、落ち込んでいた自分の悩みを聞いてくれたのが、この道20年のベテランソーシャルワーカー。患者さんに教えてもらっているという姿勢を持つこと、自分自身の傾向や他職種の見立ても踏まえて患者と関わっていくことの重要性を教わった。
  • 大学卒業後、PSWとして入職
    大学四年生で社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験を受験し、後者に合格。実習で有益な体験をできたことから、江田記念病院に入職。精神保健福祉士(PSW)として、精神科急性期治療病棟に勤務。入職1年目の終わりに社会福祉士国家試験を再度受験し、合格。
  • PSWとして経験を積む
    3年目にイムスグループの埼玉セントラル病院に異動し、精神科療養病棟と認知症治療病棟を担当。1年後に江田記念病院に戻り、医療相談室の副主任に。
    ここまで、入職から4年間でPSWとして多様な業務を経験。患者さんが退院後に暮らすグループホームとの連絡調整や、就労支援といったサポートのほか、「医療保護入院」など精神科特有の入院形態の知識や人権を守るための法的手続きなど、幅広いスキルが身についた。
  • 急性期の病院へ異動し、MSWに
    5年目、横浜新都市脳神経外科病院へ異動し、MSWに。 救急病院で、救急車で搬送されてくるのは生活困窮者、身寄りのない人、外国籍の人などさまざま。
    そんな多様な患者さんを受け入れるために、MSWには経済的負担を軽減する福祉制度の知識はもちろん、さまざまな知識が必要だった。例えば生活困窮者には医療費助成制度を使えるよう関係機関とやりとりし、生活保護の申請手続きの支援を行うなどである。
    救急病院ならではのスピード感に戸惑いと不安の連続であったが、先輩から多くのことを教えてもらった。
現在
2019年3月にMSWとして再び江田記念病院へ。
担当する回復期リハビリテーション病棟は、救急病院で入院・治療を受け、転院してきた患者さんばかり。救急医療の現場を経験したことが、患者さんがどのような経緯で今に至るのかを考える上で役立っている。
救急医療を経てリハビリに励む患者さんの思いを聴きながら、長期的に安心して生活していけるような退院支援を日々模索している。
また地域の医療福祉への貢献に向けて、神奈川県精神保健福祉士協会組織委員、横浜市青葉区MSW連絡会事務局の役割も担っている。

これからのキャリアプラン

グループには現在、約350名のソーシャルワーカーがいて、イムススクールという経験年数に応じた教育体制や、グループ全体での学会などがあります。そのため、他の地域で活躍する先輩方・同期の仲間とも交流を深めることができます。

新人の頃は不安も多くありましたが、そんな彼らに支えてもらったから、今の自分があると思っています。また同期と勉強会を企画し、研さんを積み合えたことも今では大きな財産になっています。

今後は自らも同世代の仲間や後輩を支える側になるべく、今まで経験したこと、学んだことをグループ内の研修や企画、そして神奈川県精神保健福祉士協会などの地域福祉の活動に生かしていきたいと考えています。

後輩へのメッセージ
私がこのグループを選んだのは、身体科と精神科があり、その中で急性期・回復期・慢性期など多様な形態の病院や施設がそろっているため、病院で働くソーシャルワーカーとして幅広い学びを得られると考えたからです。

実際に、タイミング次第では私のように異動希望もかないますし、施設間の交換研修も始まっています。そのため入職して6年経ちましたが、さまざまな機能の病棟を経験し、多くの患者層への支援、またMSW・PSWとしての業務を幅広く学ぶことができました。

また現場で出会う患者さんは内科などの疾患であっても、精神の病を併発していることがあります。私が救急病院でMSWとして働いていたときも精神の病を併発しているケースがあり、PSWの経験も生かして対応していました。就職活動ではあまり絞り込みすぎず、幅を広げて経験を積む、という観点から考えてみるのもいいと思います。

この仕事は支援において困難な場面に直面することも多々ありますが、そこには大きなやりがいがあります。仲間と相談し合いながら、患者さんの人生に寄り添い、共に成長していきましょう。

プロフィール

社会福祉士・精神保健福祉士職歴:7年

渡邊 武さん

イムスグループ 医療法人社団 明芳会
江田記念病院 医療相談室 主任