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先輩たちのキャリアプラン

視能訓練士

丸山 光さん
職歴:19年

「医師と同じくらい重要な役割」という
責任感を持って仕事に励んでいます。

現在の仕事内容

総合病院で働く視能訓練士として、主に3つの仕事を担っています。

1つ目は眼科外来での検査。視力、視野、眼圧、色覚、斜視・弱視、眼鏡の処方検査や、白内障や斜視の手術を正確に行うための手術前検査を行います。こうした検査結果は、医師が診断や治療をする上で、必要不可欠なデータとなります。

2つ目は斜視・弱視の視機能回復訓練。この症状の患者さんのほとんどは、何らかの原因で視力が発達せず、斜視・弱視になった子どもたち。治すには早期に発見し、訓練を開始することが重要ですが、中学生になってから訓練を始めて、1年ほどで視力が上がったケースもあります。

そして、3つ目はロービジョンのケア。眼の疾患や事故などで視機能が低下した患者さんを対象に、ルーペや拡大読書器など、視覚補助具を選ぶアドバイスをします。使いこなせるように指導も行い ます。

このほか係長として、マネジメントの他に管理的な業務も担っています。例えば、2年前に導入した電子カルテのシステム管理。眼科内の管理担当だけではなく、病院内の電子カルテ委員会にも参加しています。

その道に進もうと思った理由

父が眼鏡店を経営していて、眼科医からの依頼で眼鏡を作る仕事をしています。その父が、当時高校生だった私に教えてくれたのが視能訓練士という職種の存在。興味を持って調べていく中で視能訓練士は医師のように外科的な治療をすることはできないが、検査や訓練の技術で患者さんのニーズに応えることができる…そんな可能性に魅力を感じました。

そして、視能訓練士か父の眼鏡店を継ぐか、どちらの仕事に就くにしても勉強するメリットはあるだろうと、高校卒業後は3年制専門学校の視能訓練士科に進学しました。

キャリアパスのポイント

  • 専門学校時代
    実習で総合病院の眼科へ。
    患者さんからの些細な質問にも答えられず、日々、未熟さを痛感。でもそんな自分に対しても、検査終了後などにお礼の言葉をかけてくれる患者さんが多かった。「もっと勉強して、患者さんの役に立てるようになりたい」と思い、視能訓練士として頑張っていこうと決心。
  • 入職1年目
    卒業と同時期に国家試験を受験して合格し、視能訓練士の資格を取得。
    実習先だった戸田中央医科グループの朝霞台中央総合病院(現・TMGあさか医療センター)に入職。先輩に教わりながら、眼圧検査といった基本的な検査から少しずつ、できる検査を増やしていった。
  • 3年目
    職場には2人の先輩視能訓練士がいたが退職。その後2人の新卒が入ってきて、副主任として視能訓練科のリーダーに。
    それまでは不明点があれば先輩に教わることができていたが、状況が一変した。自分自身が未熟なのに、後輩指導や、検査・矯正訓練業務の最終判断を全て担う立場に。「しっかりしなければ」と自覚が芽生え、不明点があれば何でも医師に教えを請い、つぶさにメモを取った。帰宅後には反省点をノートにまとめ、専門書を読んで勉強するのが日課に。とにかく毎日必死だった。
    ほどなく主任に昇進。
  • 10年目~15年目
    5年目を過ぎると、自信を持ってひと通りの業務をできるように。
    10年を過ぎ、係長に昇進。グループ内の病院の動きや経営面についても意識するようになった。
    また、グループ内で働く視能訓練士が意見交換をできる場をつくろうと、視能訓練士の会の結成にも関わった。
現在
医師に対しても、提案や視機能回復訓練のレクチャーをしたり、治療方針について相談を受けることもあり、お互いに尊敬し合い、信頼関係を築けている。
ベテランになった今も、スキルアップの努力は惜しまない。初めての症例のケースでは医師と一緒に勉強会を開き、より良い眼科医療の実践を目指す。
また、高齢の患者さんの場合は加齢による視力低下や、糖尿病などの疾患が原因で眼の病気を引き起こすこともあるため、眼科だけではなく体全体の知識が不可欠。院内の薬剤師、理学療法士、放射線技師といった医療技術職と情報交換をし、引き出しを増やすように努めている。

これからのキャリアプラン

知識や技術の成長に終わりはないので、常に向上心を持ち続けたいと考えています。

現在、当院の眼科外来では、対応できる疾患の種類を増やしているところです。これまで、特殊疾患に関しては提携大学病院を紹介していましたが、一部については当院で検査や手術ができるよう、医師と連携して研修や実践を開始しています。こうした取り組みを通じ、多くの患者さんのニーズに応えられる医療技術者であり続けたいです。

もう一つ力を入れているのが、後輩が安心して働ける職場環境づくり。家庭・育児と両立させながら続けていきやすい環境となるよう、整備しています。都合による時差出勤や休暇取得、育児中のスタッフへの配慮等を徹底し、それが科員にも浸透しています。

後輩へのメッセージ
医師がいなければ治療はできませんが、視能訓練士も欠かせない職種です。特に小児の斜視・弱視の矯正訓練では私たちの果たす役割は重要です。訓練がうまくいくかどうかが、その子の人生を左右します。責任重大ですが、訓練で視力が上がるなど結果が出せるとやりがいを感じます。

ここ最近特に気にしているのは、心因性視覚障害を発症した小中学生たちのことです。この障害は、眼球や視神経、脳に異常がないにも関わらず、視力が極端に低下する状態のこと。心の病気が原因で視力が下がっていると考えられるのですが、いじめや虐待など深刻な問題が潜んでいる場合もあるのです。今後、そんな子どもたちを救う手助けができれば、と思っています。このように視能訓練士の仕事は、視力のその先の問題を解決するきっかけにもなりうるのです。

常に患者さんの気持ちに寄り添いながら自分も成長できる。視能訓練士はそんな職種だと確信しています。

プロフィール

視能訓練士職歴:19年

丸山 光さん

戸田中央医科グループ 医療法人社団 武蔵野会
TMGあさか医療センター
視能訓練科 係長