医療・福祉・介護職をめざす全ての学生のための就職情報サイト

マイナビ2023マイナビ2023 医療福祉ナビ

作業療法士

レポートの完成は結果に過ぎない。
患者さんをよく見て学んでください。
医療法人社団 明芳会 横浜旭中央総合病院
リハビリテーション科 技士長
福留 大輔さん
2004年入職。現在、リハビリテーション科の技士長であり、作業療法士を束ねている。

実習前に準備しておくことは?

臨床実験の前には見学実習や検査実習があると思いますが、学生の皆さんには臨床実習までに「作業療法士(OT)になりたい!」という気持ちになっていて欲しいのです。もちろん、学校の入学時に進路を選択しているわけですが、「とりあえず」でここまで来てしまった人もいて、そういう人は、見ればすぐにわかります。この実習で初めて作業療法士の現場を経験することになりますが、気持ちだけは、どうか固めておいてください。実際に、「OTになりたい!」と強く思っている人は成長も早いです。学びたいという姿勢があれば知識や技術はカバーできるので、実習前に未熟でも受け入れ側はこだわらないと僕は思います。

そうはいっても、迷っている人もいるでしょう。僕はよく「いちばん落ちこぼれている学生さんを送り込んでください」と言っています。そういう学生こそ、学校と現場が連携して指導する甲斐があるから、というのが大きな理由ですが、もう1つ、この実習で将来を見極めてほしいという気持ちもあります。落ちこぼれがちだった子が実習で急成長することもありますが、逆に、現場を知って、ますます冷めてしまう子もいます。向いていないと思ったら、そこで別の道を行くという選択もあります。決められるのは自分自身だけですから、気持ちに迷いがある人は、実習で結論を出すつもりで臨んでください。

チェックリスト

● 社会人・医療人としてのマナーや態度
□ 遅刻・欠席をしない(体調管理も自己責任)。もしもの場合は、必ず連絡を。
□ 職員・患者に対して、明るい笑顔と明朗な態度で挨拶を。
□ 課題の提出期限は厳守。
□ 病院で知り得たことは、守秘義務として口外しない。
□ 空いている時間は机に向かうのではなく、見学や質問を。
□ 教科書でなく、患者さんから学ばせていただいていることを忘れずに。
□ 目上の人に対する言葉遣い・態度に注意。
● 専門的知識(認知領域)
□ スタッフ間ではできるだけ専門用語を(患者さんには平易な言葉を)。
□ 課題は提出前に必ずもう一度、誤字・脱字などをチェック。
□ 基本的知識(解剖学・運動学・生理学・評価法)を理解。
● 専門的技術(精神運動領域)
□ 患者さんに対する接し方(話し方や態度)。
□ 検査・測定の技術(ROM-T,MMTなど)。
□ トランスファーなどの介助技術。

実習中の注意点

「積極的に、向上心を大切に」とよく言われますが、一生懸命にやり過ぎて、患者さんが見えていないケースもあります。うちは脳卒中の患者さんが多く、つまり目上の方になりますが、たいていは学生の至らないところも我慢してくださいます。うっとうしがられてクレームが来るって、よほどのことなんですよ。関係性の作り方は本当に大事。ぶっきらぼうでも、その患者さんと合っていればいい。「基本的に、どんな患者さんとも合わせられる」というのが、求められる技術ですね。

それから、実習に受かるということが最終目的になってしまってはいけません! レポートの完成ばかりに必死になる学生さんが多いんですが、実習の目的はあくまでも、患者さんとのやりとりです。レポートはそれをまとめた結果に過ぎません。大事なのは結果ではなく、患者さんとどう接するのかという過程。ですから、レポートを書くために寝不足になって、翌日患者さんに迷惑をかけるなんて、本末転倒もいいところです。日誌もカルテも、30分考えて解決できなかったら、それは基礎知識が足りないってことですから、あきらめて寝た方がいいです。翌日にでも文献を読み直した方が、効率がいいでしょう。

実習に取り組む後輩へのメッセージ

受け入れる側としては知識も技術も未熟で当然だと思っていますし、それでかまいませんが、知っていてほしいのは、学校のテストは100点を取れてようやく現場で役に立つ、というレベルだということ。これは入職した先輩たちも言うことですが、就職したら、テストの100点は最低ラインなんです。実際のテストでは60点でも合格できるかもしれませんが、現場に出たらそれでは不足なんだ、と考えておいてください。

長丁場の実習で体調管理も重要です。こちらも指導に熱が入りすぎて夜遅くならないように気をつけますが、17時半に終わっているのに、「昨日は寝ていなくて」という学生が毎年たくさんいます。真面目なので、「レポートが書けない」という事態を避けようとがんばってしまうようですね。でも、がんばりどころを間違えないでください。1人で煮詰まらないで、書けないところは切り上げて寝る。そして、翌日文献を読む。1日1時間読んでいたら実習中に7、8時間は学べるでしょう。質問もどんどんしてください。実習が成長の機会になることを、指導者は皆、願っています。

実習の目的と概要

作業療法士が実際に活躍する校外の医療・福祉施設において、専門家として必要な知識・技術を習得するために臨床実習を行います。各養成校によってカリキュラムに違いはありますが、指導者の助言・監督の下で実施される主な臨床実習は次の3種類です。

■臨床実習I(見学実習):初年度に1週間程度
実際のリハビリテーションの現場や関連職種の仕事の様子を見学します。一連の業務内容を理解して、作業療法士としての基本的姿勢を身に付けます。

■臨床実習II(評価実習):2~3年度に2~3週間を2回程度
身体障害・精神障害両領域の実際の対象者に作業療法評価を実施し、医療面接、検査・測定、動作観察などの技術・能力を身に付けます。

■臨床実習III(総合実習):最終年度に8~9週間を2回程度
身体障害、精神障害、老年期障害、発達障害のうち、2領域以上で長期的に対象者を担当し、評価、目標設定、治療計画立案、治療までを実施します。また、組織の一員としての実務や業務管理を経験し、作業療法士としての実践的な能力を身に付けます。

それぞれの臨床実習は異なる施設で実施される場合もあります。実習施設が遠隔地であれば、生活拠点を一時的に寮やホテルに移しての実習となります。

トップに戻る