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メディカルスタッフ職種徹底解説 作業療法士 Occupational Therapist

歴史

紀元前のギリシャ時代に、農園や土木での作業がすでに治療目的で行われていた。18世紀後半になると、作業療法が精神的な治療に有効であるとして各国で導入され始める。また、戦争による多くの負傷者の回復が社会問題化したこともあり、作業療法が注目され、身体機能の回復手段の1つとしても効果が評価されるようになった。国内で作業療法が取り入れられたのは1901年。1965年には、作業療法士が正式に国家資格として認定された。

仕事の内容・特長

心や身体に障がいがある人に対して、日常生活に必要な能力を高める訓練や指導を行うのが「作業療法士」(Occupational Therapistの略で「OT」ともいわれる)の仕事。日常生活に必要不可欠な身体を動かす運動機能と意識・記憶・言語といった精神機能の“基本能力”、食事やトイレといった生活の中で行われる活動である“応用能力”、地域活動や就労・就学の準備のための“社会生活適応能力”、の維持や改善を目指している。「理学療法士」は、運動療法(ストレッチや筋力の強化)や物理療法(電気刺激や患部を温めたり冷やしたり)を用いて身体機能の回復を図るが、「作業療法士」は、手工芸(折り紙・木工・陶芸・編み物など)や芸術(音楽・絵画・塗り絵・書道など)、遊び(囲碁・将棋・トランプ・パズルなど)、スポーツ(ダンスやゲートボールなど)といったさまざまな“作業活動”を通して身体と精神の両方の改善を目指している。患者の趣味や嗜好を考慮し、医師や看護師、理学療法士、介護福祉士などと連携を取りながら、患者それぞれの障がいの程度に応じてメニューを作成し、リハビリテーションを行う。

1日の仕事の流れ

8:30~9:00
ミーティングや事務作業
朝のミーティングで連絡事項などの確認と、1日の作業チェックを行う。また、リハビリテーション実施計画書作成などの事務仕事を行う場合もある。
9:00~12:00
リハビリや訓練(午前の部)
それぞれの患者に適した作業によるリハビリテーションを行う。
12:00~13:00
昼食・休憩時間
13:00~16:00
リハビリや訓練(午後の部)
それぞれの患者に適した作業によるリハビリテーションを行う。
16:00~17:00
ミーティングや診療記録の作成
医師・看護師・理学療法士・言語聴覚士など他の医療スタッフとのミーティングを行い、今後の方針や対応を決定する。また診療記録を記載したり器具の後片付け、清掃なども行う。
17:00
終業
診療記録の作成や勉強会への参加、業務改善のための資料整理などで、終業が遅くなることもある。

求められる資質

信頼関係構築力と綿密な連携を取れるコミュニケーション能力
患者との信頼関係が築けなければ効果的な治療や訓練にはつながらない。患者はもちろん他の医療スタッフと連携することも多いので、コミュニケーション能力は重要。
状況に応じて工夫する応用力や変化に対する洞察力と対応力
患者の年齢や障がいの程度はさまざま。個々の状況に応じたアプローチと工夫が求められる。また、心の変化を感じ取り、相手の心に寄り添い前向きになれるようにサポートする対応力も必要。

主な勤務先

作業療法士の多くは、総合病院、精神科病院、リハビリテーション施設といった医療分野で勤務している。それ以外では、高齢者福祉施設や障がい者福祉施設といった福祉分野で活躍する人が多い。

  • 一般病院や診療所などの医療機関
  • 精神科病院
  • リハビリ専門病院
  • 高齢者福祉施設
  • 障がい者福祉施設
  • 児童福祉施設
  • 訪問リハビリテーション事業所
  • 保健所
  • 職業訓練施設

参考データ

平均年齢 33.9歳
勤続年数 6.5年
労働時間 163時間/月
超過労働 4時間/月
月額給与 290,600円
年間賞与 702,200円
平均年収 4,189,400円

※令和2年賃金構造基本統計調査

将来性

医療分野や福祉分野での勤務が多い作業療法士だが、障がいを持つ子供たちが自分の力で日常生活や社会生活が送れるよう援助する特別支援学校や、職業生活を送るうえで必要な基本能力を身に付けるよう訓練する就労支援事業所といった教育分野での活躍も期待されている。また、医師と連携したり市町村の委託を受けたりして、事業としてリハビリテーション業務を行う人や、NPO法人を設立し訪問リハビリテーションや通所介護といったサービスを提供する人、介護支援専門員(ケアマネージャー)や作業療法に関する専門相談員として活躍している人もおり、活躍の場は広がりつつある。

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