メディカルスタッフ職種徹底解説 視能訓練士 Orthoptist

歴史

1957年に視能矯正専門職が誕生。斜視や弱視の矯正を専門に行っていたが、医療現場で活躍できる国家資格の必要性が高まり、1971年に視能訓練士の資格制度がスタートした。しかし、その活躍範囲は限定的で、医療スタッフの一員といえるものではなかった。その後、1993年に視能訓練士法が改正。医師の指示の下に視能検査や視能訓練を行えることとなり、名実ともに医療専門職としての視能訓練士が確立された。

仕事の内容・特長

医師の指示の下、視能検査や視能訓練を行うのが視能訓練士。視能検査とは、視力、視野、眼圧、色覚、光覚など目の機能に関する検査で、その結果を医師に報告、医師は診断・治療に活かす。視能訓練とは、目の位置(視線・眼位)がずれている斜視のため、立体的に物が見えない・物が二重に見えるといった症状や、視力が低い弱視の患者の視機能を改善するための訓練のこと。視能訓練士は、医師と相談のうえ、訓練プログラムを作成し治療機器や器具を操作して視機能回復に取り組む。
また近年は、高齢化による白内障・緑内障の発症や、糖尿病などの生活習慣病による視力低下といった患者が増えている。こうした患者に対して、視力の維持、回復訓練、症状の進行を抑えるための指導を行ったり(リハビリテーション指導)、早期発見・早期治療の観点から地域や学校、職場などで行う集団検診に参加したりするケースも増えている(検診業務)。

1日の仕事の流れ

8:30~9:30
ミーティングや事務作業
朝のミーティングで連絡事項などの確認、1日の作業チェックを行う。また、朝一でカンファレンスなどの勉強会に参加することもある。
9:30~12:00
機器を使った各種視能検査(午前の部)
さまざまな機器を使い、患者の状況に合わせて視能検査を行う。
12:00~13:00
昼食・休憩時間
13:00~15:00
機器を使った各種視能検査(午後の部)
さまざまな機器を使い、患者の状況に合わせて視能検査を行う。午前の部は外来患者の検査、午後の部は時間がかかる大掛かりな検査や視能訓練を行うことが多い。
15:00~17:00
ミーティングや診療記録の作成
1日の業務内容の記録、医師への報告書作成やミーティング、事務作業などを行う。また、機器の点検も行う。
17:00
終業
17時前後で終業となるが、勉強会への参加や資料作成で残業することもある。

求められる資質

スムーズな意思疎通を図るコミュニケーション力
患者は小さな子どもから高齢者まで幅広く、検査やリハビリにおいて安心感を与え、正確にこちらの意図を伝えられるコミュニケーション力、相手の症状を感じ取る洞察力は重要。
眼科学全般や検査に関する知識に加え、進化する機器の特性や取扱方法の理解
検査に使われる機器は年々高度化・複雑化しており、眼科学や検査データの分析だけでなく機器の特性や操作方法も習得する必要がある。

主な勤務先

多くは総合病院の眼科や眼科医院、レーシッククリニックなどの医療機関で勤務している。他には、リハビリテーションセンターや保健所などがある。

  • 総合病院の眼科や眼科医院
  • レーシッククリニック
  • リハビリテーションセンター
  • 保健所
  • 医療機器メーカーや専門商社

参考データ

平均年齢 33.9歳
勤続年数 6.5年
労働時間 163時間/月
超過労働 4時間/月
月額給与 290,600円
年間賞与 702,200円
平均年収 4,189,400円

※令和2年賃金構造基本統計調査

将来性

検査も治療も1人で行うという眼科医は今でも多い。一方で、眼科検査においても最新の技術が注ぎ込まれた高性能な機器を導入する眼科も多く、視能訓練士の活躍の場は広いといえる。また、高齢化の進行で、目の状況に気を配る高齢者も増えており、リハビリテーション指導においても視能訓練士の果たす役割は大きい。医療だけでなく福祉の分野での活躍も期待されている。

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