メディカルスタッフ職種徹底解説 臨床検査技師 Medical Technologist

歴史

古代ギリシャのヒポクラテスの時代にも、尿を観察したとの記述があるが、本格的な臨床検査が行われたのは16~17世紀で、海外においては血圧測定や赤血球の観察などが行われている。国内でも大正から昭和の時代には、尿や便の検査、血液検査や心電図検査が実施されるようになった。1958年には衛生検査技師資格が制定され、検体検査を行っていたが、生体検査への要望の高まりもあり1970年に臨床検査技師の資格が制定された。

仕事の内容・特長

医師はまず、問診・聴診・触診などで直接患者を診察する。すぐに診断を下すこともあるが、より客観的な患者のデータがわかる臨床検査結果を見て診断することが多くなっている。医師の指示に基づいて、臨床検査を行う専門家が臨床検査技師。元来こうした検査も医師が行っていたが、医療の専門化が進んだこともあって、今では高度な機器の操作法や検査知識を身に付けた臨床検査技師がもっぱら行っている。
臨床検査には、“生体検査(生理学的検査)”と“検体検査”の2種類があり、前者は、患者に対して機器などを使って直接行うもので、心電図検査・脳波検査・呼吸機能検査などがある。後者は、検尿や検便、血液検査、免疫検査(血液を用いて感染症やアレルギーを調べる検査)、病理検査(組織や細胞を採取して異常がないか調べる検査)が主なもの。また、磁気共鳴画像診断装置(MRI)、超音波診断装置、眼底写真撮影装置といった放射線を使わない画像診断装置については、診療放射線技師だけでなく、臨床検査技師も操作を行える。臨床検査技師は検査データや撮影画像を医師に送るだけでなく、その結果から異変や病気の兆候を読み取り、医師にその他の検査を提案できる力も求められており、医療現場で臨床検査技師が果たす役割は非常に大きい。

1日の仕事の流れ

8:30~9:00
ミーティングや事務作業
機器の起動と、機器が正常に作動するかどうかの点検。朝のミーティングで連絡事項などの確認、1日の作業チェックを行う。
9:00~12:00
機器を使った各種検査の実施(午前の部)
さまざまな機器を使い、検査を開始。病院の場合は患者の生体検査や検体検査を行い、検査結果を即座に医師に報告する。
12:00~13:00
昼食・休憩時間
13:00~15:00
機器を使った各種検査の実施(午後の部)
さまざまな機器を使い、検査を開始。病院の場合は患者の生体検査や検体検査を行い、検査結果を即座に医師に報告する。
15:00~17:00
ミーティングや診療記録の作成
1日の業務内容の記録、医師への報告書作成などの事務作業を行う。また、機器の点検も行う。
17:00
終業
昼勤の場合は17時前後で終業となるが、勉強会への参加や資料作成で残業することもある。また、勤務先によっては残業や夜勤もある。

求められる資質

医学・生物・化学といった分野が得意であること
検査・分析といった業務が中心になることから、医学・生物・化学などの分野に強く興味が持てることは重要。
正確に判断し伝えること
検査を正確に素早く実施すると同時に、細かなデータを分析するため几帳面でミスのない仕事ぶりが求められる。また、単にデータを集めるだけでなく、検査結果をどう分析し判断して、どのように医師や看護師に伝えるかという判断力やコミュニケーション能力は大切。

主な勤務先

主な勤務先としては病院になるが、病院から委託を受けて臨床検査を行う検査機関も多い。病院の場合は、院内に検査部門を持つ大規模の病院がほとんど。他には医療機器メーカーや製薬会社などがある。

  • 院内に検査部門を持つ大規模病院などの医療機関
  • 臨床検査センター、検診センターなどの検査機関
  • 医療機器メーカーや専門商社
  • 製薬会社や治験関連企業

参考データ

平均年齢 41.2歳
勤続年数 12.7年
労働時間 165時間/月
超過労働 9時間/月
月額給与 327,200円
年間賞与 1,000,900円
平均年収 4,927,300円

※総務省統計局 令和2年賃金構造基本統計調査

将来性

検査機器の進化は著しく、検査の自動化が進んでいるのも事実。臨床検査においてはより細やかな検査項目を求められる傾向にあり、単純な検査は自動化や機械化に拍車がかかっているため、臨床検査技師を取り巻く環境は厳しくなりつつあるともいえる。しかし、一方では医療の高度化が進んでいることで、医師に重要な検査結果や分析データを提供できる高い能力を持った臨床検査技師はますます重要性が増している。

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