医療・福祉・介護職をめざす全ての学生のための就職情報サイト

マイナビ2023 医療福祉ナビマイナビ2023 医療福祉ナビ

メディカルスタッフ職種徹底解説 精神保健福祉士 Psychiatric Social Worker

歴史

国内で精神病者に関する最初の法律が制定されたのは1900年。その後1950年の精神衛生法の制定までは、私宅で監護することも多かった。それ以降は各地に病院が設置され、専門病院への入院や治療が一般的になったが、人権擁護と社会復帰に対する課題は多かった。それらを改善すべく精神保健法が施行されたのは1987年のこと。さらに1995年に精神保健法が改正され “自立と社会参加”が目的と明記され、ようやく具体的な施策が前面に押し出されることになり、1997年に精神保健福祉士が国家資格として制定された。

仕事の内容・特長

精神保健福祉士は、社会福祉士、介護福祉士とともに福祉の代表的国家資格(通称三福祉士)の1つで、精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)とも呼ばれている。社会福祉士が福祉全般を担うのに対して、精神保健福祉士は精神障がい者の福祉や保健分野に特化した専門家である。医師や看護師のように治療を専門に行う医療専門職ではない。精神上の障がいがあって治療を受けていたり、社会復帰の促進を図る施設に入所したりしている人たちの相談に応じ、助言や指導、日常生活へ適応するために必要な訓練などを行うことで、医療機関と家庭、地域社会との橋渡し役として活躍している。なお精神障がいとは、統合失調症、アルコールや麻薬などによる急性中毒やその依存症、知的障がい、うつ病や認知症などによる精神疾患のことをいう。精神保健福祉士の仕事は、病院内での限られた人たちとの作業ややりとりが中心というイメージがあるが、患者の回復には地域の作業所や病院などの施設、行政機関など広く社会全体でサポートすることが必要なため、積極的な活動が期待されている。

1日の仕事の流れ(病院勤務の場合)

8:30~9:00
ミーティングや事務作業
朝のミーティングで連絡事項などの確認、1日の作業チェックを行う。清掃や準備をして受付開始。
9:00~12:00
診察と患者対応(午前の部)
患者の相談対応や電話対応など。訓練を行ったり、他の施設・機関との連絡なども行う。
12:00~13:00
昼食・休憩時間
13:00~16:00
診察と患者対応(午後の部)
患者の相談対応や電話対応など。訓練を行ったり、他の施設・機関との連絡なども行う。
16:00~17:00
ミーティングや記録の作成
ミーティングで他のスタッフと今後の支援方針の相談。記録作成などの事務処理、夜勤担当者への引き継ぎなど。
17:00
終業
17時前後で終業となるが、勉強会の参加や事務処理で残業することも。また交代制で、救急対応や夜間対応のため夜勤となることもある。

求められる資質

積極的に動くフットワーク
本人や家族だけでなく、医療機関や福祉施設、行政機関との橋渡し的な業務も多いため、積極的に多くの人と接するフットワークが求められている。
人権に対する意識と相手の気持ちに沿った人間性あふれる優しい心
外見で判断するのではなく相手の人格全体を尊重する人権意識は極めて重要。また、社会福祉の中でも精神障がい者が抱えている問題はとりわけ複雑で、社会復帰にも困難が伴うことが多い。常に相手に寄り添いながら優しい心で接し、ともに社会復帰を目指す必要がある。

主な勤務先

総合病院の精神科や精神科病院、精神科の診療所などの精神科医療機関で勤務する人が多い。他には、保健所や精神保健福祉センター、市町村の精神保健福祉にかかわる行政機関、小中学校などの教育機関がある。また、メンタルヘルス対策を強化する企業も多く、健康相談室などでの勤務も増えている。

  • 一般病院や診療所などの医療機関
  • 保健所
  • 地方自治体
  • 小中学校などの教育機関
  • 公共職業安定所(ハローワーク)
  • 企業の健康相談室

参考データ

推定平均年収 250~400万円(諸手当を含む)

※マイナビ編集部調べ

将来性

精神障がい者を社会から隔離するのではなく、社会全体の取り組みとして社会復帰の促進を図ることは喫緊の課題。そのため、雇用と福祉を結び付ける職場を増やす政策が登場するとともに、社会復帰の前段階としての訓練施設も充実してきている。またハローワークや市町村では担当窓口が、さらに企業でも社内のストレス対策のため健康相談室が設置されるなど、精神保健福祉士の職域は拡大傾向にある。その活躍には大きな期待が寄せられている。

トップに戻る