メディカルスタッフ職種徹底解説 栄養士 Dietitian 管理栄養士 Registered Dietitian

歴史

1924年に佐伯矩(さいきただす)が栄養指導の専門家を育てるために「栄養学校」を設立。卒業生を栄養士と名付けたことからその歴史は始まった。その後、軍隊や軍需工場のための大規模な給食施設の設立、戦後の少ない食料の有効活用など栄養士の活躍の場が広がっていき、1947年に栄養士法が制定され国家資格としての栄養士が誕生した。管理栄養士は1962年の栄養士法の一部改正時に、栄養士の上級資格として新たに設けられた。

仕事の内容・特長

栄養士も管理栄養士も、ともに食事・栄養指導を行う専門家。医療機関や食品関連企業に限らず、非常に幅広い分野で活躍している。栄養士は、栄養士養成施設(専門学校や短期大学など)で2年以上栄養士として必要な知識や技能を習得し、都道府県知事の許可を得て栄養指導を行う。一方、管理栄養士は、栄養士がさらに高度な技術や知識を習得し、管理栄養士国家試験に合格して取得できる資格である。
栄養士・管理栄養士の仕事といえば、栄養バランスの取れた献立の作成や調理を行うイメージが強いが、今では、食を取り巻く環境の多様化もあり、「何をどれだけ食べるか」だけでなく「いつ、誰と、どのように食べるか」といった時間栄養学や共食の概念も求められている。また、近年では、医療スタッフの一員として食で患者を支える役割も担っている。なお、病人の療養のために必要な栄養の指導、個人の身体や栄養状態に応じた健康保持・促進のための栄養指導、不特定多数の人に継続的に食事を提供する施設において、利用者の身体の状況や栄養状態などに応じた特別な配慮が必要な給食管理や栄養改善の指導、といった仕事は管理栄養士にのみ認められている。

1日の仕事の流れ(学校勤務の場合)

8:30~9:00
ミーティングと食材・機器のチェック
朝のミーティングで連絡事項などの確認、1日の作業チェックを行う。食材や調理器具のチェック。
9:00~12:00
厨房スタッフと打ち合わせの後に調理開始
厨房スタッフと、メニュー、調理方法、調理工程、アレルギー対応食などの打ち合わせを行い調理開始。その間、味見、水質検査、温度管理なども行う。
12:00~13:30
配膳と調理器具の片付け。昼食・休憩時間
13:30~14:30
食器の洗浄と残飯量のチェック
食べ終わった食器の洗浄と、残った給食の量と種類をチェック。
14:30~17:00
事務作業や会議
献立の作成、食材の発注、伝票の整理、会議、経費計算などの事務作業。当日の改善点や明日のメニューの打ち合わせなどを行う。
17:00
終業
事務作業や会議などがなければ終業となる。病院や福祉施設では、早番(5~15時など)や遅番(10時30分~20時など)といった勤務の場合もあり、勤務先によって就業形態は異なる。

求められる資質

患者やクライアント、職場のスタッフとの円滑なコミュニケーション
仕事では、同じ職場のスタッフはもちろん、食事や献立の内容を説明したり提供したりする患者やクライアントに接する機会が多く、コミュニケーション能力は欠かせない。
食に対する強い興味と幅広い知識を吸収する向上心
食や料理、人間の身体に対する強い興味は必須。さらに、食は政治・経済・宗教などにかかわるワールドワイドなテーマ。幅広い知識を吸収しようとする向学心も求められる。

主な勤務先

食の栄養に関する専門家として、活躍の場は医療機関、学校、研究機関、食品メーカー、レストラン、福祉施設など多岐にわたっている。

  • 一般病院や診療所などの医療機関
  • 学校や保育園などの教育機関
  • 社員食堂や委託給食会社、レストランなどの飲食関連会社
  • 食品メーカー
  • 大学や企業などの研究機関
  • 老人ホームや福祉センターなどの介護施設
  • 保健所や保健センターなどの行政機関
  • スポーツジムやスポーツ競技団体(スポーツ選手個人の場合もあり)
  • 地域のドラッグストアなど健康サポート薬局

参考データ

平均年齢 36.9歳
勤続年数 8.3年
労働時間 166時間/月
超過労働 5時間/月
月額給与 255,400円
年間賞与 671,900円
平均年収 3,736,700円

※総務省統計局 令和2年賃金構造基本統計調査(データは栄養士のもの)

将来性

健康意識の高まりとともに食に対する重要性が見直されており、栄養士・管理栄養士の活躍の場は広がっている。医療や福祉の現場では、よりきめ細やかな利用者の立場に立ったサービス向上が求められているし、スポーツの分野でも食事環境や栄養面のサポートをする人材としての活躍が大いに期待されている。また、フードコーディネーター、公認スポーツ栄養士、食育アドバイザーなど関連する資格も多く、複数の資格を取得するなど向上心を持って活動することで、さらなる道を切りひらくことも可能だ。

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