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芸能・映画・音楽業界

業界の現状と展望

新しいメディアを上手に取り込むことが成長のカギ

新しいメディアを上手に取り込むことが成長のカギ

古くからテレビ・ラジオ・出版などのマスコミ業界との関係が強い芸能・映画・音楽業界だが、これらの業界でもインターネットやSNS、パソコンやスマートフォン、タブレット端末といった新しいメディアやツールとの連携による、さまざまな変化がもたらされている。こうした新しいメディアをいかに上手に取り込んでいくかが、生き残りと成長のカギとなっている。

2020年を底に回復が期待される映画業界

新作映画の企画立案から脚本作成、出演者への交渉などを行うのが「映画制作会社」。
完成した作品の権利を買い取って映画館に提供したり宣伝したりするのが「映画配給会社」。そして観客に向けて上映するのが「映画館運営会社」だ。1本の映画が観客の元に届くまでには、数え切れないほどたくさんの人たちが関わっている。

一般社団法人日本映画製作者連盟の「日本映画産業統計」によると、2021年の国内興行収入は前年比13.0%増の1,618億9,300万円、入場者数も同8.2%増の1億1,482万人と増加した。ただし、邦画・洋画別に傾向を見ると、邦画の公開本数は490本(2020年は506本)、洋画は469本(同511本)と、いずれも減少。興行収入は、邦画は前年比17.4%増となったものの、洋画は1.3%減となった。

邦画では、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が102.8億円と100億円を超える興行収入を記録した。また例年安定した興行収入を記録するシリーズ作の『名探偵コナン 緋色の弾丸』は76.5億円、『竜とそばかすの姫』は66.0億円と、上位3作品をアニメが占めた。
洋画では10億円以上の興業収入があったのは、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の36.7億円や、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の27.2億円など5作品のみ。
なお、映画館スクリーン数は2020年の3,616から2021年は3,648に増加している。人気作品の登場とともに興行収入は回復すると思われるが、映画制作も含め、劇場・配信といった上映方法の検討など、映画業界には工夫が求められそうだ。

音楽ソフトは減少傾向だが有料音楽配信は順調

音楽業界には、CDやDVDの制作・宣伝を行う「レコード会社」を中心に、新曲のジャケットやプロモーションビデオなどの制作を手掛ける「制作会社」や、アーティストのマネジメントを行う「マネジメント会社」、ライブツアーやコンサートを企画する「イベント会社」などがある。
一般社団法人日本レコード協会の「日本のレコード産業2021」によれば、2020年の音楽ソフト(オーディオレコード+音楽ビデオ)の総生産数は前年比19%減の1億4,634万枚・巻、金額は同15%減の1,944億円となった。オーディオレコードでは、CDアルバムが数量は同20%減の7,129万枚・巻で金額は同15%減の963億円、CDシングルが数量は同25%減の3,264万枚/巻、金額も同15%減の306億円となった。近年注目を浴びているアナログディスクの数量は、前年比10%減ながら110万枚と4年連続の100万枚超えとなり、金額では同1%減の21億円だった。
音楽配信の売上は、前年比11%増の783億円と3年連続の2桁増。ダウンロード数量は、前年比21%減の7,435万ダウンロード、売上は同20%減の179億円と、ともに2桁の減収となったが、ストリーミングが引き続き好調。ストリーミングの売上は、前年比27%増の589億円と伸長し、音楽配信売上金額のシェアでは全体の4分の3を占める75.3%にまで成長した。

有料音楽配信で規模を大きく拡大しているのは、定額で音楽が聴き放題になる「サブスクリプションサービス」。従来は、1曲もしくはアルバム1枚単位で音楽を購入していたが、サブスクリプションサービスでは1枚のアルバムを買うよりも安く、数千万という楽曲を聴くことができる。さらにダウンロードした曲はクラウドに保存できるサービスを提供しているところもある。

「Apple Music」や「Google Play Music」、「LINE MUSIC」など、日本でもお馴染みの企業に加えて、世界で1億人以上のユーザーを抱える世界最大手の「Spotify(スポティファイ)」が日本でのサービスを開始したことも、プラスに作用している。

またコロナ禍で、ライブイベントが中止や延期、またはオンラインでの開催となった。
一方で、外出自粛による巣籠もり消費需要の増加や、国内でも人気の高い著名アーティストがストリーミング配信を解禁したこともあり、サブスクリプションサービスにはプラスに作用した。また、中国発の動画共有サービスであるTikTokで楽曲の一部を聴いて気に入り、SNSで拡散、サブスクリプションサービスでフルコーラスを聴くといった、これまでとは違う形でのヒットの仕方も生まれた。今後もこうしたデジタル音楽市場から、新たなヒット曲やミュージシャンが生まれる可能性は高く、音楽ビジネスのあり方や構造も変化しそうだ。

業界関連⽤語

レコード

CDの登場で、過去の遺物として姿を消したかのように見えたレコードが、近年人気になっている。有名アーティストの協力や、名盤といわれた録音が再発売、さらには新録音のレコードも登場している。
アナログならではの音質もあり、懐かしさで購入するオールドファンだけでなく、レコードになじみのなかった若い音楽ファンも注目し、売上を伸ばしている。レコードを再生するには、専用のレコードプレーヤーやアンプが必要だが、アンプやスピーカーを内蔵したプレーヤーなども販売され、レコード人気を支えている。

音楽出版社

作曲家や作詞家などから音楽作品の著作権管理などの業務を委託された音楽著作権管理会社で、著作印税の一部を管理料として受け取る。楽譜出版社がこうした業務を行っていたことから音楽出版社と呼ばれるが、いまでは、放送局、レコード会社、芸能プロダクションなどさまざまな系列の会社がある。

多くの場合、JASRACなどと契約を締結し所有作品を預け、JASRACが作品の著作権管理を行う。JASRACは利用者に許諾を出し使用料を受領、それを音楽出版社に支払い、さらにそのお金が作曲家や作詞家に分配される。

コンテンツビジネス

コンテンツとは、映画や音楽、マンガ、アニメなどの制作物のこと。
例えば映画作品が映画配給会社を通じて上映された後、DVD化されたりテレビ放映されたりする(二次使用)ことで、新たな利益が生まれる。他にもアニメのキャラクターグッズの販売やキャラクターを使った広告宣伝などもコンテンツビジネスだ。
コンテンツビジネスは、ほかのさまざまな産業や文化とのかかわりが深いため、経済波及効果が高い。

シネマコンプレックス

入口は1つだが、施設内に100席から300席くらいの座席を備えた上映設備が、7~10室(スクリーン)ほど並んでおり、観客が好みに合わせて作品を選択できる複合型映画館。
映画館側としては入場者数によって、上映するスクリーンを入れ替えたり、同じスクリーンで時間帯を変えて複数のタイトルを上映したりできるなどのメリットがある。

どんな仕事があるの︖

芸能・音楽業界の主な仕事

・宣伝
生み出された作品をユーザーに宣伝するために、マスメディアへのプロモーション、販売促進物の製作、ライブや公開録音など効果的な宣伝手法の立案・実行を担当する。

・制作
市場動向などの情報を収集し、新譜のコンセプト作成やプランニング、新人の開拓やアーティストの育成、さらに実際の音源制作、プロモーション業務の支援などを行う。

映画業界の主な仕事

・宣伝
洋画作品の邦題やキャッチコピーの作成、宣伝方法のプランニング、イベントの企画立案、パンフレット製作、メディアの広告展開などを行う。

・製作
企画から脚本、撮影、編集まで映画制作の全工程に携わる。最近では映画会社が自社で製作するより、製作プロダクションが手掛けることが多い。

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芸能・映画・音楽業界の企業情報

※原稿作成期間は2021年12⽉23⽇〜2022年2⽉28⽇です。

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