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マスコミ(放送・新聞)業界

業界の現状と展望

新しいメディアを上手に取り込むことが成長のカギ

時代ともに変化するマスコミ界の構造

「ありとあらゆる情報を大勢の人に一度に伝達する」のがマスコミュニケーション(マスコミ)の使命。新聞、放送、出版、広告業界などがこれに当たる。古くから活躍してきた業界だが、いずれもインターネットやスマートフォンといった新しいメディアの発達に大きな影響を受けている。中でも収益の多くを広告に依存している新聞、放送、出版業界は、広告出稿先がネット広告にシフトしており厳しい戦いを強いられている。

大手広告代理店の電通がリリースした「2021年 日本の広告費」によれば、2021年の日本の総広告費は、前年比10.4%増の2兆7,998億円と2年ぶりのプラス成長となった。上半期はコロナ禍の影響を受けたものの、下半期は「東京2020オリンピック・パラリンピック」の広告需要や、音楽やスポーツ、テーマパークなどでの入場制限が徐々に解除されたこともあり、回復傾向が鮮明になった。
中でもインターネット広告費は、前年比21.4%増の2兆7,052億円と伸長。初めて、テレビ・新聞・雑誌・ラジオのマスコミ四媒体広告費を上回り、広告市場の成長につながった。

マスコミ四媒体広告費は、市況の回復もあり前年比8.9%増の2兆4,538億円となった。全てが前年を上回り、中でもテレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連)は、同11.1%増の1兆8,393億円。「東京2020オリンピック・パラリンピック」、「FIFAワールドカップカタール 2022アジア2次予選」および「同 アジア最終予選」、プロ野球、ゴルフトーナメントなどの大型イベントが実施されたことや、徐々に人流や経済活動の回復にともなってスポット広告への出稿増が影響した。また、新聞広告費は、販売部数とページ数がともに減少傾向にある中でも、「東京2020オリンピック・パラリンピック」の開催や第49回衆議院議員総選挙の実施、また、在宅需要を背景にした通信販売が増加したことなどもあり、同3.4%増の3,815億円となった。

なお、雑誌広告費は同0.1%増の1,224億円、ラジオ広告費も同3.8%増の1,106億円と増加した。

マスコミ業界は、こうした流れを取り込み、いかに共存できるかが、ネット・スマートフォン時代に生き残る重要なカギになりそうだ。マスコミ業界は高い編集力や制作力を持っており、多彩で優良なコンテンツを提供できる会社が多い。
マスコミ四媒体の事業者が主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費を意味する「マスコミ四媒体由来のデジタル広告費」も、オンラインイベントや動画・音声配信など各種サービスが拡大したことなどを受け、前年に続く二桁成長となり、初めて1,000億円を超えた。

同時に、不動産や小売など本業以外の部分での収益確保に力を入れる会社も多い。

新聞業界は部数も減少する中、ネットとの共存を図る

新聞は大きく分けて一般紙専門紙がある。一般紙には全国に販売網を持つ全国紙、県や一部地域など限られた地域で発行される地方紙、複数の都道府県で発行されるブロック紙がある。専門紙は特定の分野や業界などに特化した新聞で、スポーツ新聞や株式新聞のような業界紙が有名。他にも英字紙や子供新聞も専門紙に含まれる。

一般社団法人日本新聞協会によれば、2021年の一般紙の発行部数は前年比5.5%減の3,065万7,153部、スポーツ紙は同10.1%減の236万9,982部となった。2007年までは1部を超えていた1世帯当たり部数も年々減ってきており、2021年は0.57部と前年の0.61部からさらにマイナスとなっている。何らかのメディアでニュースに接する人は多くても、紙の新聞を読む人は減っているというのが現実だ。

紙の新聞をめぐる環境が厳しくなる中、見やすさや一覧性というメリットを強調しつつ、各社インターネットとの共存を図って生き残りに懸命だ。新聞各社も、本誌購読者に無料や有料で記事の電子版を提供するなどの対応している。

ネットを中心とした通信との融合が進む

放送開始から50年が経過。インターネットがテレビに次ぐ第2のメディアへと成長し、否応なしに新時代に突入したテレビ業界。2011年に高画質・高音質の映像と音声が楽しめるフルハイビジョンの「地上デジタル放送」へ完全移行となり、さらに高画質な映像や高音質の音声が楽しめる4Kや8Kでの放送に移行しつつある。2018年12月からは、BSと110度CSにおいて、4K・8Kの実用放送である「新4K8K衛星放送」が始まった。

そんな状況の中、各局とも動画ポータルサイトの運営、番組で紹介した食品やグッズの通販(テレビショッピング)などに力を入れている。
また、テレビ局にとっての強みは過去の膨大なアーカイブ。人気のあった番組の数々はもちろん、放送が終わったばかりのドラマをオンデマンドで有料配信するサービスなど、ネットを中心とした通信事業との融合が進んでいる。

さらに、テレビでの放送とインターネット配信を同時に行う、「ネット同時配信」も始まった。NetflixYouTubeといった動画配信サービスの利用拡大で、テレビ離れが進んでいるとされる若者を中心とした人たちに、スマートフォンなどでテレビを見てもらうことを狙っている。NHKでは、「NHKプラス」(NHKの地上放送の番組をインターネットで視聴できるようにしたサービス)を通じてネット同時配信を行っている。

ラジオ業界でも広がるネット配信

ネットとの融合が進むのはラジオ業界も例外ではない。全国のラジオ放送事業者が新たに制作した音声コンテンツや、過去に放送された番組を有料で配信するサイトがオープンしている。

全国を対象に配信できるので、例えば東京に転勤してきた地方出身者が、地方のラジオ番組を聞くことができる。 「radiko」では、日本のラジオ放送をインターネットで同時にサイマル配信(ライブストリーミング)する、IPサイマルラジオ(Internet Protocol simulcast radio)サービスをスタート。パソコンやスマートフォンでラジオを聴くことができる。

業界関連⽤語

BPO

Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization略で、放送倫理・番組向上機構と呼ばれている。NHKと日本民間放送連盟によって組織された任意団体で、自主独立した第三者的な立場から、放送による人権侵害や青少年に有害といった、視聴者などから問題があると指摘された放送を検証する。放送番組の取材・制作のあり方や番組内容に関する諸問題について審議を行い、必要に応じて見解や勧告を出す。

記者クラブ

政府や地方自治体、大企業や業界団体などの継続取材を目的として、マスコミ記者たちで構成される親睦団体。取材活動の拠点となるため、リリースや共同会見など記者クラブを通じて世の中にそのまま伝わる情報は多い。一部でなれあいや画一的な報道に終始しているという批判の声もある。

なお、日本記者クラブは、外国メディアも含む新聞・通信・放送の報道機関による非営利の独立組織。来日する海外の大統領や首相、専門家、研究者らをゲストに招き記者会見を開く。記者クラブとは沿革や性格が異なる組織。

通信社

新聞社や放送局などのマスコミ、あるいは民間企業の求めに応じてニュースを提供する会社で、独自に海外支局などを持てない地方紙では通信社提供のニュースに頼る割合が大きい。
営利を目的とした会社法人、複数のマスコミの共同出資による組合法人、半国営企業的なものの3つに大別される。国内では共同通信社時事通信社、米国のAPUPI、フランスのAFP、中国の新華社などが有名。

視聴率

テレビ番組やCMがどれくらいの世帯や人々に見られているかを示す指標。広告効果を測る重要な指標になるだけでなく、番組制作や編成にも役立っている。
視聴率調査には、家庭内にPMという機器を設置し視聴開始時と終了時にボタンを押すことで視聴データを測定するPM(ピープルメーター)システム、ボタンを押すことなく1日分の視聴データが蓄積され集計されるオンラインメーターシステムなどの方法がある。

SVOD・TVOD・AVOD

いずれも、動画配信サービス(VOD=Video On Demand)の提供方法。SVODは、Subscription Video On Demandの略で、定額制動画配信サービスと言われているもの。毎月一定の料金を支払うことで、提供している映画やアニメ、ドラマなどが見放題になる。NetflixAmazonプライムHuluなどが有名。TVODはTransactional Video On Demandの略で、都度課金型動画配信サービスと言われているもの。レンタルDVDのように、見たい作品を選んで1本ずつ料金を支払う。AVODは、Advertising Video On Demandの略で、広告を視聴することで動画を無料で見られるサービス。YouTubeTVerなどが有名だ。
また、EST(Electronic Sell Through)というサービスもあり、これは作品1本をまるごとダウンロードして購入する。視聴できる期間が設定されているTVODと異なり、いつでも動画を見ることができる。
動画配信サービスを提供する会社は、通常、これら複数の視聴法をユーザーが選べるように提供している。

どんな仕事があるの︖

放送業界の主な仕事

・編成
番組企画や放送中に入るCMの本数を決定したり、放送のタイムテーブルなどを作成したりする。

・ディレクター
いわば「現場監督」。番組の構成や演出、スケジュールなど全てを指揮、監督する。

・プロデューサー
番組を制作する際の全体の責任者。予算を決定し、スタッフを管理するなど、管理職的な面を持つ。

・アシスタントディレクター
文字通り、ディレクターの助手を務める。スタッフ・出演者の弁当の手配や出演者の世話など雑用を一手に引き受ける。 ・技術
カメラマン、照明、編集など、番組製作現場のスペシャリスト。それぞれの専門知識や経験、センスなどが問われる。

・営業
民放の収入源であるCMを確保するため、スポンサーとなる企業に番組やCM枠を販売する。

・アナウンサー
ニュースキャスター、番組の司会、スポーツの実況中継などに携わる。一見華やかだがほとんどの場合はあくまでも放送局の社員であるため、デスクワークも多い。

新聞業界の主な仕事

・記者
政治・事件や社会現象、街で話題になっていることなどを取材し、記事を執筆する。日夜を問わないハードな職種だけに、機動力と体力が求められる。

・校正・校閲
記事に誤字・脱字がないかをチェックする「校正」と、事実関係の誤り、表現の適切さなどのチェックを行う「校閲」がある。

・技術
新聞制作のためのコンピューターシステムの開発、保守・管理を行う。紙面に使う原稿や写真などのデータを印刷工場へ送る。

・営業
広告代理店と連携し、収益源となる広告を募集。自社が発行する新聞・雑誌に掲載する。

・販売
販売政策を企画・立案し、実行する。また、全国の販売店と連携し、購読者獲得を目指す。

・事業
展覧会や博覧会、舞台公演など、文化事業やイベントを企画・運営する。

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マスコミ(放送・新聞)業界の企業情報

※原稿作成期間は2021年12⽉23⽇〜2022年2⽉28⽇です。

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