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アミューズメント・レジャー業界
業界の現状と展望
多彩な発展の可能性を秘めた業界
アミューズメント業界は、余暇を楽しむための施設やサービスを提供。代表的なものには、ゲーム、玩具、映画、カラオケ、キャラクターグッズ、パチンコなどが挙げられる。レジャー業界は遊園地や博物館、動物園、水族館、大型テーマパークや旅行、ホテルなどが主な商品。中でも、独特のコンセプトを打ち出せるテーマパーク産業は、個性や特色を出しやすい。地域のイメージ向上や活性化につなげやすく、大きな経済効果が見込めることなどが特徴だ。
ただし、業界ごとのはっきりとした境界線はなく、構造は複合的。今後も、さまざまな産業と提携や融合を繰り返していく可能性が高い。ホスピタリティーあふれるサービスや施設、老若男女が楽しむことができる空間づくりがポイントだ。少子高齢化などで来場者数減少を不安視する声もあるが、各テーマパーク・遊園地は新設備の導入や期間限定イベントなどで来場者にアピールするなど工夫を凝らしている。
余暇活動は在宅中心に大きくシフト
公益財団法人日本生産性本部の「レジャー白書2021」によれば、2020年の余暇関連市場は55兆2,040億円となり、前年比23.7%の減少となった。
2020年はコロナ禍で市場が大きく減少しただけでなく、余暇活動の内容も大幅に変化した。部門別では、観光・行楽部門が前年比43.7%減となり最も影響が大きかった。中でも海外旅行は9割以上減と厳しい。娯楽部門は同21.8%減となったが、公営競技やゲームは好調だった一方で、カラオケや飲食、ゲームセンター、パチンコは不調だった。スポーツ部門は同15.9%減で、用品、施設、スポーツ観戦はマイナスだが、自転車とゴルフ練習場はプラスだった。趣味・創作部門は、同9.5%減と最も減少が少なかった。外出を伴う鑑賞レジャーは激減となったが、動画配信、音楽配信、電子出版は大幅な伸びを示している。4部門すべて前年比マイナスとなったが、これまで中心的な余暇であった観光や行楽といった余暇活動から、在宅レジャーが中心になったことが見て取れる。
余暇活動で最も多い参加人数となったのは、「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」(3,900万人)。また、「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」、「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど)」の在宅レジャーが上位となった。一方で、9年連続首位だった「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は4位、前年2位だった「外食(日常的なものは除く)」は6位と順位を下げた。なお、GoTo
キャンペーンの利用率は、トラベルで29.9%、Eatで27.0%となっており、ともに利用者の3/4程度の行動に影響を与えたと指摘している。
コロナ禍で落ち込んだアミューズメント・レジャー業界も、徐々に営業を再開しているが、入場数の制限があったり、声援・歓声は控えることが要請されたりなど、感染対策と楽しむことを同時に求められているのが現状だ。今しばらくは、感染対策が求められる状態が続きそうだが、感染状況とそれぞれの事情に応じた工夫を凝らし、エンターテインメントの灯を消さないための努力が続けられている。
業界関連⽤語
フードテーマパーク
特定のジャンルの食べ物に特化して運営している施設で、全国や限定した地域などから有名店を集め、集客力アップを狙っている。統一感のあるコンセプトで、ラーメンや餃子、スイーツ、お好み焼きなど、そのジャンルはさまざま。新横浜ラーメン博物館や池袋餃子スタジアムなどは老舗のフードテーマパークとして知られている。なお、和洋中、エスニック、スイーツなどさまざまなジャンルの飲食店が一堂に会した施設は、フードコートやフードコンプレックスと呼ぶのが一般的。
LEDシネマスクリーン
従来の液晶や有機ELとは異なる表示方法で話題のマイクロLED。このマイクロLEDを使った映画館用のスクリーンが、LEDシネマスクリーン。いわば映画館用の超大型テレビで、従来の映像よりも画面が明るくコントラストも鮮明になる。
すでに、韓国、スイス、タイ、中国では導入されており、映画誕生以来採用されてきた投影システムからの移行を意味する全く異なるシステムとして注目を浴びている。
パワースポット
訪れることで「元気が出る」、「願いがかなう」などと信じられている場所のこと。日本でパワースポットと呼ばれる場所は神社仏閣や山が多い。パワースポットを訪ねるツアーなどが盛んに企画されている。
市民農園
安全な食べ物を自分でつくりたい、土と触れ合いたい、などのニーズに対応するのが、貸農園や市民農園などと呼ばれる施設。
農林水産省の調査では2020年3月末時点で全国に4,169農園、185,353区画。郊外の広大な土地にあってピクニック気分で楽しめるものや、都会の私鉄電車が線路上のスペースを利用したものなどさまざま。
種まきから収穫まで専門家がサポートしてくれ、週末に家族で作業を楽しむというスタイルが多い。
ダイナミックプライシング
一定一律の固定価格ではなく、状況に応じて料金が変わる、変動価格制のこと。航空運賃やホテル料金ではお馴染みの価格設定方法だが、テーマパークでもダイナミックプライシングの採用が始まった。テーマパークでは時期や時間、平日か祝日かなどによって来場者数にばらつきがあるため、ダイナミックプライシングの採用で、混雑の緩和や繁閑差の平準化、収益性の改善につながるとの判断がある。
どんな仕事があるの︖
アミューズメント業界の主な仕事
・接客スタッフ
施設の来場者に対応する。
・オペレーションスタッフ
施設や設備の管理、運営を行う。
・クリエーター
ゲームの場合なら、ゲームデザイナー・ゲームプランナーがソフトの企画・立案を行い、CGデザイナー・キャラクターデザイナーがグラフィックを作成、ゲームサウンドコンポーザーが音楽や効果音を作成、シナリオライターがストーリーを組み立てる。これらのスタッフを統括・管理するのがゲームプロデューサーである。
レジャー業界の主な仕事
・営業
メーカーに対して自社商品を供給するよう、提案・交渉を行うほか、消費者に向けて販売するため、プロモーションの戦略を企画し、実行する。
・広告・宣伝
自社商品を消費者やメーカー、量販店などに向けて、プロモーションするための戦略を企画する。
・営業
旅行会社の場合、法人や学校に対して社員旅行や修学旅行の企画・提案を行うものと、旅行代理店の窓口に訪れた個人客に対応するものがある。ホテルの場合は結婚披露宴などの相談に対応するカウンター営業などがある。
・接客
ホテルの場合は、フロントやベルボーイ、コンシェルジュなど、旅行業の場合はツアーコンダクターなど、テーマパークならアトラクションスタッフなどがある。
・飲料部門スタッフ
ホテルやテーマパークのレストラン、バー、ラウンジなどを運営する。
業界地図でもっと詳しく知る
アミューズメント・レジャー業界の企業情報
※原稿作成期間は2021年12⽉23⽇〜2022年2⽉28⽇です。